保育園の中には一風変わった、JRが子育て家庭を応援する「駅型保育園」というものがあります。
 

駅ナカ・駅チカにある駅型保育園は送迎のしやすさや保育時間の柔軟さなどの利便性が抜群なので、実際に利用している方もいるかもしれません。
 

送迎の時間が短縮されて家族の時間が増えると利用者からも好評で、共働き家庭の強い味方として今注目の保育園です。
 

確かに便利ですが「子どもを預ける人にとってメリットが大きいのはわかるけど、駅型保育園で働く保育士には何かメリットがあるのかな……?」と疑問を持っている人もいるのではないでしょうか?
 

そんな疑問にこたえるために、今回は駅型保育園についての概要や働く保育士目線で考えるメリットデメリットをお伝えしていきます。
 

1.駅型保育園とは?子育て中の家族を応援するJRの挑戦

 

駅型保育園とは鉄道会社が駅ビルなどに置いている保育施設のことで、通勤に便利・保育時間が長いなど利用者のメリットが大きく最近ではますます人気が高まってきています。
 

私の周りで実際に駅型保育園に子どもを預けている人も「旦那が通勤途中に子どもを預けてくれるから、私も余裕を持って会社に行けて本当にありがたい」と言っていました。
 

朝は家事などやることが山積みで慌ただしくなりがちですが、送迎の負担が減ると心にゆとりを持つことができて良いですよね。
 

子育てしやすい路線を増やすことで鉄道利用者が増えるというメリットがあるため、駅型保育園は利用者だけでなく鉄道会社にとっても嬉しいポイントの多い施設なのです。
 

①待機児童問題を解消!駅ナカ・駅チカに保育園を作るねらい

 

待機児童が社会的な問題となり保育園を増やす政策が急がれる中、いざ保育園を作ろうとした際に近隣住民の反対にあって計画が中止になってしまうことがあります。
 

実際に保育園を運営する中でも「送り迎えの車が邪魔だし、子どもの声がうるさい!」といった苦情が寄せられることは残念ながら少なくありません
 

子どもの声が騒音になってしまうなんて肩身の狭い世の中だなと感じる部分はありますが、地域社会の意見は保育園にとっても大切にしたいところです。
 

駅の付近ならばもともと多くの人で賑わっていることから騒音の問題はなくなりますし、電車通勤の保護者が利用するため車も邪魔にならずに済みますね。
 

駅型保育園は待機児童の解消に一役買っている点も注目すべきポイントです。
 

②進化する駅型保育園に注目!JR東日本は全国100ヵ所に子育て支援施設の開設を達成

 

JR東日本グループは全国に先駆けて、今から約20年前に第1号となる駅型保育園を開設しました。
 

その後も以下のように子育て支援施設を徐々に増やし続け、2017年にはついに目標であった全国100ヵ所の開設を達成。
 


 

ただ単純に数を増やすだけでなく施設としても独自の進化を遂げています。
 

年々進化していく中で特に素晴らしい取り組みだと思ったのは、子育て支援と高齢者福祉の複合施設を展開していることです。
 

少子高齢化が進む今の社会で子どもと高齢者が触れ合う機会はとても貴重ですよね。
 

他にも住宅と子育て支援施設が一体化された「子育て支援住宅」の開設を目指すなど、先進的な試みを次々と打ち出しています。
 

新しいコンセプトの施設ができるということは新たな働き方が生まれる可能性にもつながるため、保育士としては今後の展開からますます目が離せません。
 

2.駅型保育園で働く!知っておきたい3つのメリットとデメリット

 

駅型保育園は駅ナカ・駅チカにあるだけで仕事内容は通常の保育園とほとんど変わりないです。
 

強いて言えば立地の関係で園庭がないところが多いため、お散歩の際は地域資源を生かした保育設定の考案が求められるのが一般のところとは異なる点です。
 

こう聞くと「園庭がない保育園はちょっとな……」と思った人もいるかもしれませんが、駅型保育園だからこそ得られる魅力もたくさんありますよ。
 

転職を検討する前に保育士が知っておきたいメリットデメリットについて、実際に駅型保育園で働く保育士の意見も交えながら次に紹介していきます。

①利便性も待遇も良い!駅型保育園に転職するメリット

 

保育施設ごとに仕事内容や職場環境が変わってしまうことも多いですが、駅型保育園で働く3つのメリットをまとめてみました。
 

・最寄駅が職場に!通勤に便利

 

駅型保育園の良さはなんといっても通勤に便利なところにあります。
 

通勤時間の短縮はそのままプライベートな時間の確保に繋げられるので、職場を選ぶ条件には欠かせない要素です。
 

「仕事が終わったらそのまま駅の商業施設で買い物ができるし、食料品はもちろん衣類から家電までなんでも揃っちゃうから生活が本当にラク!」と実際に働く保育士の話を聞いて、私も羨ましくなりました。
 

保育士の仕事は体力を削られる仕事ですし、ただでさえ疲れているのに通勤に時間を取られると、買い物するのにも一苦労ですよね。
 

ワークライフバランスを充実させられるのが、駅ナカ・駅チカで働く大きな魅力です。
 

・待遇面も安心!認可/準認可の保育園

 

きちんとした保育環境で働きたいから、認可されていない保育園には抵抗があるという保育士にも駅型保育園の求人は見逃せません。
 

駅型保育園は2017年4月時点で認可園が70ヵ所・準認可園が19ヵ所となっています。
 

JRがパートナーに選ぶ事業所は保育業界でも企業規模が大きく有名なところが多く、信頼と実績の面からみても申し分ありませんよ。
 

企業規模が大きな保育園では、各種手当や育児休暇等の制度が整っている傾向があるので将来への安定性もバッチリです。
 

待遇のしっかりした中堅どころの保育園に勤めたいと考えている人は、駅型保育園への転職を検討してみてはどうでしょうか?

・JRと保育園のコラボレーションイベントにも注目

 

JRと保育園が共に作り上げるイベントがあることも駅型保育園ならではと言え、日頃の保育活動を発表する機会として、2010年から駅型保育園に通う子どもたちによる作品展を鉄道博物館(埼玉県さいたま市)で毎年開催しています。
 

迫力のある電車を生き生きと描く子どもたちの姿を見て毎日電車を眺められる保育園で良かったと感じること間違いなしです。
 

2017年には子育て支援施設開設100ヵ所達成を記念して、駅型保育園の卒園生からのメッセージや「でんしゃ」をテーマにした園児の絵画約370枚を展示した電車を走らせる企画も。
 

子どもたちが喜ぶのはもちろん、保育士にとっても「JRと一緒に子育て家族を応援できた!」と誇らしい気持ちになりますね。
 

こういったJRならではのイベントに参加できるのも駅型保育園の魅力です。
 

②特別な心構えが必要?駅型保育園のデメリット

 

駅ナカ・駅チカにあるからこそメリットを得られる一方で、駅型保育園ならではのデメリットもあります。
 

あとになって「そんなの知らなかった!」とがっかりすることのないよう、駅型保育園への転職を考える前に押さえておきたいデメリットは次の3つです。
 

・開園時間が長くシフトが幅広い

 

駅型保育園は共働き家庭を応援する保育園なので、保護者の通勤時間に合わせて開園時間が設定されています。
 

私の住む街にある駅型保育園も7:00〜20:00までと周囲にある保育園に比べて開園時間が長めの設定です。(都心だと6:00~23:00の場合も珍しくないため、それでもまだ短いほうといえますが……。)
 

開園時間が長いということは、それだけシフト幅も広いことに他なりません。
 

実際に駅型保育園で働く保育士に聞いてみたところ「朝番とか遅番が入った次の日に中番が入ると仕事のペースが掴みづらくて……シフトごとに仕事内容も変わるから慣れるまでが大変だった」とのことでした。
 

不規則なシフトにアタフタしないためにも、保育園の1日の流れがわかるまでは苦労することもあると覚えておくと心構えができて戸惑いが少なくなりますよ。

・安全の確保が問われる

 

皆さんの働く保育園では避難訓練をどのように行っているでしょうか?
 

東日本大震災があって以来、保育所では年2回の義務化されたものだけでなく月に1度必ず行うところが増えてきています。
 

私の勤める保育園でも
 

  • 地震
  • 火事
  • 津波


 

が起きたときや、不審者が現れたときといったあらゆる場面を想定した避難訓練を念入りに行っており、準備を任されると計画の立案が思いのほか大変です。
 

駅型保育園は駅ビルや駅構内に立地する場合が多く「災害時の被害規模が大きくなる」「不特定多数の人々が出入りする駅周辺は犯罪に巻き込まれやすい」といった危険性を指摘する声も。
 

避難訓練や防犯対策が他の園よりも厳しくなるのはもちろんのこと、日頃から職員間で安全確保に関して意識を高く持つ必要があるのです。
 

子どもたちの命を守るためにも保育士としてプロ意識を持って安全確保に臨みたいですね。
 

・求人が都心に偏る

 

駅型保育園はそのほとんどが関東に集中しており、地方に住む私の街にもまだ1か所しかありません。
 

せっかく駅型保育園に就職したいと思っても、最寄りの駅に駅型保育園の設置がなければ通勤に便利という利点もなくなってしまいます。
 

「近くに開設されてないから転職したくてもできない!まず引っ越さなくちゃ……」となっては本末転倒ですよね。
 

駅型保育園はJRだけでなく共働き家庭と働く保育士にとってもメリットがある素晴らしい施設なので、今後はぜひ全国各地に展開していってほしいです。
 

気になる求人に関してですが、駅型保育園の求人は鉄道会社のHPに載っていることもあるため転職を考えている人はぜひチェックしてみてください。
 

駅型保育園で働く保育士に~JRと一緒に共働き家庭を応援

 

駅型保育園は駅ナカ・駅チカの利便性を生かして子育て家族を応援し、地域に貢献する社会的にも需要の高い施設ということがわかりました。
 

まだまだ施設数は少ないとはいえJRが中心となって開設を進めているため、今後も求人とともに増加が見込まれます。
 

保育環境の面で見ても認可・準認可で比較的働きやすいですし、これから転職を考えている保育士にとって注目すべき職場と言っても過言ではありません。
 

駅型保育園に興味を持った人は、保育士向け転職サイトにも登録してみてはどうでしょうか?
 

自分では見落とてしまうような求人も保育の現場を熟知したコンサルタントがチェックして教えてくれるので利用しない手はありませんよ。