「保育園で働きたいけれど、資格が無いし今すぐには無理だよな……」と、諦めている人はいないでしょうか?
 

保育園には保育士だけではなく無資格で保育補助として働いている人がいます。
 

保育士は仕事量が多いうえ、持ち帰りの残業が出てしまうくらい慌ただしい毎日で休む暇はありません。
 

そんな保育士の負担を減らすのが保育補助の役割で、現場では保育士が保育に集中できるようにサポートしていることから、陰の立役者と言ってもいいかもしれませんね。
 

今回は保育補助のお仕事について、仕事内容や働く上でのメリット・デメリット・なるために履歴書や面接で何をアピールすべきかなどを実際の体験談を交えながらわかりやすく紹介していきます。
 

1.保育補助ってなに?働く上でのメリット・デメリット

 

病院の場合は医師免許を持たない人が診察を行うと法律違反になる一方、保育園となると保育士の資格がなくても大丈夫です。
 

「保育士じゃないのに保育園で働けるなんて、知らなかった!」という人も多いと思いますが、保育士と名乗れないだけで働くぶんには何も問題ありません
 

実際に保育補助は保育士とはどう違うのか4つのポイントにまとめてみました。
 

①保育補助の仕事内容~保育士をサポートする

 

保育補助の仕事は保育士の負担が軽減されるようにお手伝いをすることです。
 

保育補助として働いている知り合い2人(Aさん、Bさん)に聞いてみたところ、各園によってお手伝いの範囲が異なるため「これが保育補助の仕事!」と明確に定めることはできませんでしたが、共通したものを挙げると……
 

  • おやつ、給食の準備や後片付け
  • 保育園内の清掃
  • 子どものおむつ替えや着替えの手伝い
  • 散歩に出る際の道具を揃える

  •  

    などでした。
     

    連絡帳や日誌など書類の記入は保育士が行うことから、書類に集中できるようお昼寝の時間にSIDS(乳幼児突然死症候群)のチェックや起きてしまった子どもの相手をするのも大事な手助けになりますね。
     

    私の保育園にも保育補助のパートさんがいますが、食事やお昼寝のサポートが入るおかげで保育士が別室にて交代で昼休みを取れて助かっています。(園によっては人手が足りず保育室で子どもを見ながら休憩を取るところもあるので、別室で一息つけるのが嬉しいです。)
     

    Bさんの保育園ではその他に、
     

  • 制作遊びの材料づくり
  • 保護者に配る園だよりの作成
  • 朝の電話応対(園児出欠の把握)

  •  

    など事務的なことが多いとのことです。
     

    Bさんは手先が器用でPC技術に長けているため、「この手書き原稿をパソコンに起こして、イラストを入れて仕上げてください」ということも……「電話の応対も含め、保育補助の仕事に就く前にOLとして働いていた経験が役立った」と言っていました。
     

    子育て経験など自分の人生経験が充分に活かせるのも保育補助の大きな魅力ではないでしょうか?
     

    ②保育補助のメリット~無資格でも保育経験を積める

     

    保育補助として働く最大のメリットは、保育園で子どもと接する実務経験を積めることです。
     

    Bさんは保育士試験の勉強をする傍らで保育補助として働いていますが、
     

    「座学で勉強しただけではわからないことが現場にはいっぱいあるし、直接子どもと触れあったり保育士の仕事をみたりすることで勉強の理解も深まってやる気が出る」
     

    と言っていました。
     

    保育補助として働く人が保育士資格を取得するとその時点で給料アップの可能性もありますし、そのまま同じ保育園で働けば就職活動をする必要もありません。
     

    慣れた保育園で憧れの保育士としてそのまま働けるなんて嬉しいですよね。
     

    将来保育士として働きたくて資格を得るために勉強をしている人にとっては、メリットがいっぱいなお仕事なのです。

    ・保育補助は子育てとの両立がしやすい!

     

    他にもメリットとして挙げられるのは、パートやアルバイトなど幅広い働き方があることです。
     

    Aさんは「子育て経験を生かしたい!」と思い、自分の子どもが小学生になったときに保育補助として近所の保育園で働くことにしました。
     

    短時間のパートタイムは子育てとの両立がしやすい上に、保育現場では子育て経験のある人が即戦力として重宝されますよ。
     

    「主婦業が長かったから働くこと自体が楽しかったし、子育て経験をキャリアとして認めてくれるのはやっぱり嬉しいことだよね!」と話してくれたのが印象的でした。
     

    現在子育て中という方から子育てが一段落した人まで、子育て経験のある人にも保育補助はピッタリの仕事です。
     

    ③保育補助のデメリット~給与面、人間関係の壁

     

    実際に働いている2人から聞き取った保育補助のデメリットをまとめると……
     

  • 保育士に比べて給料が低い
  • どこまで手伝っていいかわからない時がある
  • 職場での立ち位置など人間関係の難しさを感じることがある

  •  

    という点が挙げられました。
     

    先に述べたように保育補助の仕事は保育士のお手伝いであり、「これが保育補助の仕事」と明確に定められていません。
     

    実際Bさんは、
     

    ※Bさんのケース

    「良かれと思ってサポートしても保育士によっては『それはこちらでやりますから!』と言われ……同じサポートをして別の保育士にはとても感謝されることもあるし、判断が難しい。指示待ち状態ばかりだと気が利かないことになるし、これは人間関係の難しさに繋がるのかな?」

     

    という様子で、保育士によって手伝ってほしい範囲が違うことに戸惑っていました。
     

    一方私の保育園で長年働いている保育補助のパートのAさんは「やっぱり時給が低いのが残念かなぁ……同じ保育補助でも保育士資格があると時給が高くなるから、『やってることは同じなのに』って思うよね」と言っていました。
     

    Aさんに詳しく聞くと、
     

    ※Aさんのケース

    「保育士との差が過度に気になる人には向いてないかも。例えば遠足とかイベントは待機になったり、園内会議は不参加だったりもするけど、それを『仲間外れにされた』とか思う人は続かない。私は1日掃除とか園の畑を耕して終わることもあるけど、保育士さんが保育に集中できるなら良いことだなって思ってやってるけどね!」

     

    という話で、給料の低さや人間関係を良好に保つ難しさはあるようですが、悔しいから資格を取って給料アップを目指す、と思えば勉強への原動力になりますし、私が裏方をすることで保育環境が良好に保たれる、と考えれば仕事に対してのモチベーションにつながりますよ。
     

    ④保育補助で働きたい!どんなことをアピールするべき?

     

    全く違う業種や職種から保育士や保育補助の道へ進む人の中には、保育園に採用されるのか不安な気持ちを抱えている人もいるのではないでしょうか?
     

    「履歴書や採用面接で何をアピールすべきかわからない……」と悩んでいる人にぜひ盛り込んでもらいたいのは次の5つの項目です。
     

    ・子育て経験

     

    Aさんのように自身の子育て経験をアピールして採用に結び付く例も少なくありません。
     

    保育園側としても子どもと密接に触れ合った経験のある人は即戦力として期待がもてる上に、ただ子どもが好きだからと言われるよりも「きちんと子どもと向き合う大変さも知っている」という点で好感度が高くなります。
     

    他の職種ではキャリアの中断として捉えられがちな子育て経験が、保育園ではありがたいと思ってもられるのは嬉しいですね。
     

    ・ボランティア経験

     

    私は子育て支援のボランティア団体に所属して活動していますが、「子どもと触れ合う機会があまりないけれど子どもが好きで、保育士試験の勉強をしています!」という人が活動に参加したいと問い合わせてくることがあります。
     

    自分から足りない実務経験を補おうと努力する姿勢には好感が持てますし、活動を通して感じたやりがいや喜びを自分の言葉で表現できれば、説得力のある自己アピールにもなりますよね。
     

    ボランティア経験のある人は保育補助への転職の際に有利になりますので、ぜひ履歴書や面接でアピールしてみてください。
     

    ・前職で得たスキル

     

    Bさんのように前職で得たスキルが保育補助の仕事に生かされることもあり、例えば事務歴が長ければ電話応対に生かすことができる上、チームで仕事をしていた経験があるならコミュニケーション能力とチームワークが身についていると受け取ってもらえます。
     

    保育補助は前述したように保育士をサポートする仕事ですので、特にコミュニケーション能力とチームワークは重要な要素です。
     

    いかに保育の仕事に生かせるかという視点から捉えなおすことで他業種の経験も立派なアピールポイントになりますよ。
     

    ・ピアノ、スポーツなど子どもを楽しませる特技

     

    子どもを引き付けることができる特技は現場でとても重宝されます。
     

    私も面接でピアノが弾けることやホルンが吹けることをアピールしましたが、採用後に「子どもたちが喜ぶので、何か演奏してください」と頼まれたこともありました。
     

    中には「手品ができる!」と言って採用され、保育園のイベントを盛り上げたというケースもあるほどですから、普段の保育で活用できそうな特技は積極的にアピールしてみてはどうでしょうか?
     

    ・体力や責任感

     

    雑務や肉体労働をこなせる体力や、子どもたちの命を預かっているという責任感はなくてはならない要素ですし、そこをしっかり理解し自信があると伝えることは、ただ子どもが好きだとアピールするよりも入職後の活躍が期待できるため好感が持てます。
     

    裏付けとなるエピソードを交えながら話すことで、より採用担当者の印象に残る面接になること間違いありません
     

    振り返ってみると私も保育士とは全く縁のないところからのスタートでしたが、今までお伝えしてきた5つのポイントを盛り込んでアピールしたところすぐに採用が決まりました。
     

    Bさんのように「保育士資格を取る勉強をしている」人は、保育士資格の勉強をしていること自体が強いアピールポイントなので忘れずに履歴書に記入しておいてくださいね。
     

    2.保育補助に関する近年の動き、押さえておきたいポイント

     

    待機児童の問題を受けて、保育士は激務というイメージを少しでもなくして保育士を確保する狙いから、保育士の負担を減らす保育補助者に注目が集まりつつあります。
     

    保育士の確保に関連し「保育士資格取得を目指す保育補助者を金銭的に援助しよう」という動きがあるのも見逃せません。
     

    ①早朝・夕方勤務の保育補助者が増える?保育士配置の要件弾力化について

     

    保育士配置の必須条件として認可保育園では「全時間帯に最低でも保育士2名を置かなければならない」決まりがあることを知っているでしょうか?
     

    早朝や夕方など子どもが少ない時間帯にも保育士が必ず2名以上必要なため保育士のシフトに負担がかかっていましたが、保育士不足の対策として平成28年から厚生労働省が保育士配置の要件を引き下げました。
     

    子どもの少ない朝夕の時間帯では保育士1名に代えて、
     

  • 保育士資格を有しないが当該施設等で十分な業務経験を有する者
  • 子育て支援員研修を修了した者
  • 家庭的保育者

  •  

    などを配置することが認められたのです。
     

    これによって以下のようにシフトを組むことができるようになりました。
     


    ※厚生労働省『保育の担い手確保に向けた緊急的な取りまとめ』より抜粋
     

    「園児の多い日中のコアタイムに保育士資格者を集中的に配置できるので、保育所全体で見て保育の質の向上につながる」という厚生労働省の意図がわかりますね。
     

    資格があり保育指導のできるベテラン保育士が早朝や延長保育から外れることで不規則な勤務を減らし、日中の保育に集中できるのも大きなメリットと言っていいかもしれません。
     

    保育補助者の目線で考えても、資格を取るまでにできるだけ保育経験を積みたいという人には、保育に携わる機会が増える絶好のチャンスです。
     

    ②3年以内に保育士資格取得を目指す!保育補助者雇上費貸付制度とは

     

    保育士の負担を減らし保育士の離職防止を図ることや、保育士資格を取得しようとする保育人材の確保を図ることを目的として、保育補助者の雇い上げに必要な費用を施設又は事業者に対し貸し付ける制度があります。
     

    自治体ごとに細かな要件は異なりますが、最大で年額約295万円を勤務開始日から3年間を限度に貸し付けるこの制度利用しない手はありません。
     

    注目すべきは3年以内に保育士資格を取得できた場合に返還が免除される点で、真剣に保育補助から保育士を目指す人が採用されやすくなるのはもちろん、将来的な保育士確保に繋がるので保育園側にはメリットが大きいですよね。
     

    資格取得を期待される保育補助者にはプレッシャーがかかるかもしれませんが、「3年以内に絶対保育士資格を取るぞ!」と目標が明確になるため、日々の努力や結果にも結び付くはずです。
     

    保育園がわに制度を利用したいと伝えられたときにはぜひ前向きに考えてみてください。
     

    保育補助で終わるのはもったいない!保育士を目指して経験を積もう

     

    保育補助の仕事はそれまでの職務経験や自身の子育て経験を生かすことができて、やりがいも大きい仕事だということがわかりました。
     

    保育士の負担を減らすために活躍する保育補助者は、まさに縁の下の力持ちと言っても過言ではありません。
     

    今まで保育の仕事に就いたことがなくても、資格を持っていなくても、適切に自己アピールすることで採用への道は必ず開きます。
     

    保育士との給料差や扱いの違いが気になるという人は、保育士資格の取得を目指してみてはどうでしょうか?
     

    無資格の保育補助で終わるのはやはりもったいないですし、保育士資格を取ることで「私は保育士です!」と自信を持って保育に携わることができるので、保育園での仕事がますます充実しますよ。