保育士は離職率の高い職業である一方で、復職をしやすい職業です。
 

若いときには保育士になって同じ保育園でずっと働くのが当たり前と思っていても、長い人生のなかでは誰しも想定外な出来事に出会います。
 

結婚や妊娠・出産で離職したり、給料や人間関係に不満があって辞めたりする人や、多忙過ぎてうつ病や適応障害で休職する人も珍しくありません。
 

待機児童問題の解消のため保育士確保に向けて国が動き出している今は、保育士にとって最も売り手市場と言っていいかもしれませんね。
 

「こんなにブランクのある私でもまた戻れるかな……?」
 

と復職を不安に思っている人のために、今回は保育士の復職で知っておきたい3つのことについてお話していきます
 

1.潜在保育士は貴重な存在

 

資格を持っていながら保育士として働いていない人のことを潜在保育士と言い、待機児童解消のために政府が打ち出した『保育士確保プラン』の中では潜在保育士の再就職支援が組み込まれるなど、1人でも多くの人が現場に戻ることを期待されています。
 

潜在保育士のなかでも1度現場を経験して離職した保育士は、保育園側にとってみれば喉から手が出るほど欲しい存在です。
 

保育士として一度でも働いた経験のある人なら想像がつくと思いますが、未経験の新人保育士が一人前になるまでは、先輩保育士の丁寧な指導が欠かせないですよね。
 

子どもの世話と新人保育士の指導を同時にこなしていくのは至難の業ですし、保育士不足が叫ばれるなか、保育園側も新人教育に保育士を割り振る余裕がありません。
 

現場を知っていて即戦力になる潜在保育士はとても貴重なのです。
 

①今が最も売り手市場!求人は数多くある

 

保育士の求人が本当にそんなに多いのかと疑問に思った人は、ぜひ保育士向け求人サイトを検索してみてください。
 

保育士の求人だけに特化した求人サイトが山ほどあることに驚くかもしれません。
 

ある程度勤務条件を絞って求人検索をしてもきちんと複数の求人が引っかかりますし、保育士の側がどれにしようかと迷ってしまうくらいたくさんの候補から好きな職場を選べますよ。
 

実際に私の住む自治体では、保育士資格を持っているだけで「保育士の求人を紹介しても良いですか?」と市役所から働きかけがありました。
 

待機児童が社会的な問題になっている背景を受けて需要が高まり、保育士はまさに引く手あまたなのです。
 

②年齢は関係ない!50代からでも復職できる

 

復職を考えている保育士さんの中には「長いブランクもあるし、今から保育士に戻るのは無理かな……」と年齢の面で躊躇している人もいると思いますが、他の業種では無視できない年齢制限も保育士に限って言えば気にしなくてOKです。
 

私の周りにはこれから資格を取って保育士になろうと勉強をしている人も多く、大半が30代後半からのスタートで、私が保育士試験を受けたときも50~60代の受験者も珍しくありませんでした。
 

それだけ保育士は何歳からでも挑戦できる職業として、世間に広く認識されていることがわかりますね。
 

既に資格を取っていて現場にも出たことがある保育士ならば、遠慮せず胸を張って復職に動き出してみてください。
 

実際に私の職場でも40歳以上の保育士を積極的に採用していますし、人生経験を積んだ保育士は保護者からの信頼が厚い傾向があるので現場でも活躍を期待されています。
 

若くて勢いのある新人保育士も、人生経験が豊富で穏やかな保育士も保育園にとっては貴重な人材ですので、年齢を気にして躊躇していた保育士さんは今からでも復職活動をはじめてみてはどうでしょうか?
 

③保育士の復職は優遇されている?保育士への資金貸付に注目

 

保育士の復職に関しては地方自治体レベルでの取り組みも侮れません。
 

例えば私の住む自治体では、妊娠出産で離職した保育士が子どもを預けて復職できるように、認可保育園の受け入れ優先順位が上がるようになっています。
 

各自治体によって取り組みは異なりますが、こういった優遇制度は知っておいたほうが復職のとき絶対に有利になりますよ。
 

特に待機児童の多い自治体で実施されている次の2つの資金貸付事業は「そんなに優遇してくれるなら復職しようかな」と思えるほど充実した内容です。
 

経済的な理由から復職をためらっている人はぜひ一度目を通してください。
 

・未就学児をもつ保育士に対する保育料の一部貸付

 

未就学児をもつ潜在保育士が保育士として保育所への勤務を希望する場合、保育料の一部について貸付けを行う制度があります。
 

東京都を例に簡単に概要をまとめてみました。
 

未就学児をもつ潜在保育士に対する保育所復帰支援事業
貸付対象 未就学児をもつ保育士で、週30時間以上保育士として勤務する方
貸付及び貸付期間 ・保育料の半額とし、月額27,000円が上限

・貸付期間は保育士が勤務する期間(最長1年間分)

連帯保証人 収入基準を満たす人を1名立てること
返還免除 保育所などにおいて2年以上勤務した場合に免除

 

ポイントは、
 

  • 無利子での貸付であること
  • 2年間勤務することで返還が免除になること
  • です。
     

    私も子どもを預けて働こうと思ったときに、1番ネックになったのが保育料でした。
     

    働いてもお金が保育料にほとんど取られてしまうようでは、何のために働くのかわからないですよね。
     

    妊娠や出産のタイミングで離職する保育士が周りにも多いですし、未就学の子供を持つ方にとってはこの制度は見逃せません
     

    貸付の細かい条件は自治体によって異なるので、興味を持った人はぜひ自分の居住する自治体のホームページなどで確認してみてはどうでしょうか?
     

    ・潜在保育士に対する就職準備金の貸付

     

    子どもを持つ保育士のみならず、保育士として新たに保育所などに勤務する人に対して就職に必要な資金を貸付ける制度もあります。
     

    同じく東京都を例に概要をまとめてみると、
     

    潜在保育士の再就職支援事業
    貸付対象 以下の要件を満たす方

    ・保育士登録後1年以上経過した方

    ・離職後1年以上経過した又は勤務経験のない方

    ・週30 時間以上保育士として勤務する方

    貸付額 就職準備金 20万円以内(一人1回限り)
    連帯保証人 収入基準を満たす人を1名立てること
    貸付金使途 就職に伴う転居費用、転居先の礼金や仲介手数料、通勤用自転車の購入等。申込時に使途を明示していただきます。
    返済免除 保育所等において2年以上勤務した場合に免除

     

    上記のようになりますが、引っ越しの費用までも対象になっていました。
     

    これから心機一転、新しい土地で働きたい人にも心強い制度になりますよ。
     

    2年以上働くことで返還が免除になるのは嬉しいですし、仕事を続けるモチベーションにも繋がるため、今まで仕事が長続きしなかった人にもおすすめの制度です。
     

    実際に厚生労働省『保育人材確保策の実施状況』をみると、貸付制度を含めた保育士向けの事業を行う自治体が一覧になっています。
     

    小まめに国や自治体の動きをチェックして、お得な情報を逃さずに復職してみてください。
     

    2.ブランクは怖くない!保育士復職セミナーに参加してみよう

     

    厚生労働省『保育分野における人材不足の現状』によると、資格を持っているけれども保育士として就業を希望しない理由の上位3つは、
     

  • 責任の重さ、事故への不安(40.0%)
  • 就業時間が希望と合わない(26.5%)
  • ブランクがあることへの不安(24.9%) 〈複数回答可〉

  •  

    となっており、「ブランクがあることへの不安」がランクインしていることからも、離職後のブランクが復職に大きく影響していることがうかがえます。
     

    現場を知っている潜在保育士が即戦力として求められているということはすでにお伝えしたとおりですが、周りの期待に対するプレッシャーがあることはもちろん、1度保育士として働いた経験がある人だからこそ離職後に抱えてしまう不安もあるのです。
     

    ①保育士復職で抱える不安とは

     

    保育士として働いた経験があっても復職を迷うのは、現場の大変さをよくわかっているからです。
     

    実際にブランクのある保育士に聞いてみたところ、
     

  • 体力的に仕事についていけるか
  • 家庭(育児)との両立ができるか
  • 今の保育業界についていけるか

  •  

    という3つを大きな不安要素として挙げていました。
     

    年齢を重ねたことによる体力的な心配は、現場のハードさを理解しているからこそ出てくるものですよね。
     

    私も保育の仕事で疲れ切って帰宅すると家事が疎かになるので、仕事との両立を不安に思う気持ちがよくわかります。

    ・保育の現場は年々変化している!

     

    「今の保育業界についていけるか」というのは、現役の保育士も抱える不安です。
     

    私は通信制の大学で幼児教育を学んでいますが、そこで出会う保育士と「今の保護者は対応が難しいよね」とか「書類がほとんど電子化したけどまだ慣れない!」「アレルギー対応はどうしてる?」など時代の変化についてたびたび話し合ってきました。
     

    子どもの命を預かる責任があるからこそ、自分の身体のコンディションや保育現場の変化には余計に敏感になってしまう面も大きいかもしれませんね。
     

    こうした不安の数々が、保育士の復職を大きく妨げているのです。
     

    ②不安は保育士復職セミナーで解消!

     

    「ブランクのある保育士が持つたくさんの不安を解消することができれば、即戦力になる潜在保育士の掘り起しに繋がる!」という狙いから、保育士復職のために開かれるセミナーが全国各地で開催されています。
     

    具体的な内容の例を挙げると……
     

  • 保育の現状について
  • 現場で役立つ集団遊びについて
  • 今流行している手遊び、手作りおもちゃについて

  •  

    など、復職後すぐに生かせる知識やスキルばかりです。
     

    実際にセミナーに参加した人からは「他の参加者の姿を見て復職への勇気がでた!」という声もありました。
     

    同じ悩みを抱える仲間とのコミュニケーションは、不安に思っているのは自分だけではなかったという安心感に繋がりますよ。
     

    保育士の復職に適した求人紹介の場がセットになっていることも多く、セミナーに参加した勢いでそのまま応募することができるのも見逃せないポイントです。
     

    復職を真剣に考えている人は、ぜひ積極的に保育士復職セミナーへ参加してみてください。
     

    3.ブランクがある保育士におすすめの求人は?

     

    フルタイムでの勤務形態が多かった昔と比べると、今は早朝や夕方のみの勤務や9時~15時の短時間勤務・週3回からOKといった求人も多く、さまざまな働き方を選べるようになってきました。
     

    私も今は土日のみフルタイム勤務で働いていますが、平日は家事や子どもの世話などに集中できるため、このようなシフト枠があるのは大変ありがたいです。
     

    「長いブランクがあるから、いきなりフルタイムで復職するのはちょっと……」という保育士にもぴったりの働き方がきっと見つかりますよ。
     

    ①パート・アルバイトから始めてみる

     

    パートやアルバイトの求人は扶養内で働きたい主婦に人気で、私の周りでも子育てが落ち着いて復職する保育士のほとんどがパートタイム勤務に落ち着いています。
     

    実際にパートで働く保育士に聞いてみると「フルタイムだと体力的につらいし、パートなら正社員よりも気を楽にして働ける」といった意見が大半でした。
     

    なかにはまずはパートで復職して現場に慣れておいて、子どもがひとり立ちして家を出たときにフルタイム勤務に切り替えたいという人もいましたし、自分のライフスタイルに合わせて働き方を変えていけるのはとても理想的ですよね。
     

    復職後の先を見据えてまずはパートやアルバイトから始めてみてはどうでしょうか?
     

    ②研修もばっちり!派遣で働いて肩慣らし

     

    派遣社員と聞くと、使い捨てられる感じがして抵抗があると感じる人もいるかもしれませんが、考え方によってはブランクの長い人にはこの上なく有利な働き方です。
     

    期間を決めて働ける派遣なら「復職の最初はペースをつかむまで週3くらいから勤務して、慣れてきたら徐々に仕事を増やしていこう」といった柔軟な対応も不可能ではありません。
     

    ブランクありの保育士には入職前の研修を設けているところも多く、復職する上での不安を解消したあとで仕事に就くこともできます。
     

    万が一残業が多い保育園に当たっても派遣なら時間内に帰れますし、残業になってもきちんと残業代が支払われるので安心して働けますよ。
     

    ③ブランクOKな求人を保育士向け転職サイトで探す

     

    ブランクがあっても大丈夫な求人を自分でピックアップしたいなら、保育士向け転職サイトに登録するのが1番です。
     

    私も実際に利用して驚きましたが、条件検索機能が充実しているサイトが多く「ブランク歓迎」の求人もすぐに見つけ出せました。
     

    今は保育士にとって売り手市場なため、思ったよりもたくさんの求人が見つかり「いっぱいあり過ぎてどの保育園が良いのかわからない!」と贅沢な悩みを抱えることになるかもしれません。
     

    そんな時はぜひ担当の求人コンサルタントに相談してみてくださいね。
     

    利用者の状況に合わせ悩みに寄り添いながら丁寧に相談に乗ってくれるので、復職に向けてのさまざまな不安も一気に解消できます。
     

    保育士資格を眠らせておくのはもったいない!追い風の今、復職へ

     

    保育士の復職には多くの不安がつきものですが、一度乗り越えてしまえば再び保育士として働くことは決して難しくありません。
     

    待機児童の解消に向けて国レベルで保育士の確保に動き出している今こそ、潜在保育士が名乗りを上げて活躍するときです。
     

    復職への不安が大きい人は保育士復職セミナーに参加して不安を解消し、復職に向けての一歩を踏み出してみてはどうでしょうか?
     

    長いブランクがあっても保育士としてもう1度働きたいという強い気持ちさえあれば、追い風に乗って必ず復職できます
     

    数々の人生経験を得た今だからこそできる保育がきっとあるはずですし、職員の方はもちろん、たくさんの子供たちが保育現場でみなさんの復職を待っていますよ。