「保育士になりたいけれど、ピアノも弾けないし絵も描けない。実技試験には必須な項目だし、こんな状態で合格できるのかなぁ……」
 

そんなお悩みはありませんか?
 

保育士試験に対する漠然とした不安から、保育士になるのを諦めている人も多いと思います。
 

試験内容をきちんと理解し、勉強のポイントさえ押さえれば、実は保育士試験は3年以内に誰にでも突破できるんですよ。
 

今回は保育士試験の難易度と実技試験対策・勉強法のコツを、子育て中のスキマ時間に勉強し、保育士試験に合格した主婦が実体験を交えて解説していきます。
 

1.合格率たったの2割?保育士試験の難易度は高いか

 

保育士試験が難しいというイメージがある理由は、保育士試験の合格率の低さにあります。
 

例年合格率は約2割ですが、過去10年を振り返ってみると、低いときは合格率1割なんて年もあるほどです。
 

合格率だけ見ると「私には無理かも…」と不安に思いますよね。私自身もこの数字だけを見て、挑戦する前から諦めていた時期もありました。
 

しかし、案ずるより産むが易しです。挑戦してしまえばなんてことありません。
 

そもそもなぜこんなに低い数字になってしまうのでしょうか?

①筆記試験科目がとにかく多い

 

保育士試験の筆記試験科目は以下の8教科です。
 

  • 保育原理
  • 教育原理および社会的養護
  • 児童家庭福祉
  • 社会福祉
  • 保育の心理学
  • 子どもの保健
  • 子どもの食と栄養
  • 保育実習理論


 

「教育原理および社会的養護」は別々の科目が1つにまとまった教科なので、実質9科目も勉強しなければいけないことになります。
 

1科目でも落とすと実技試験に進むことができず、他の資格試験では設けられているような、例年よりも難しかった科目に対する救済措置が一切ありません。
 

すべての科目一律に、6割以上の正解を獲得しなければならないのです。
 

極端にいうと、急に出題傾向が変わって誰一人正解率6割を突破できない科目があったとしても、全員が例外なく落とされます。
 

私は保育士試験に挑戦した1年目に、今までに全く見たことのない問題しか出題されない科目に当たり、その科目だけを落としてしまいました。
 

②合格科目が3年間有効という甘い罠

 

これは筆記試験会場に行って感じたことなのですが、「何が何でも、1年で全科目合格してやる!」という意気込みがある人が実に少ないです。
 

休み時間やお昼休憩には、
 

「この科目は難しかったけど、去年取ってあと2年間は有効だから気楽よね」
 

とか
 

「今回この科目は勉強してないけれど、マークシートだから記念受験するわ」
 

など、こういった声が聞こえてくることも珍しくありません。
 

最初から全ての科目を合格するつもりのない人が圧倒的に多いのです。
 

中には最初から3年計画で、「今年はこの科目だけ」と決めて受験している人もいます。
 

今年がダメでも来年以降があるという安心感が、逆に合格率を押し下げていると言えるのではないでしょうか?

③大手の保育士試験通信講座が予想を外すとみんな一斉にこける

 

試験会場でテキストを広げている人を観察すると、

「あの会社の通信講座のテキストだ!」とすぐに目に留まります。
 

特に大手の会社のものは、パッと見でも6割以上の人が持っていた印象で、それだけの人が同じテキストや問題集を使って勉強してきているわけです。
 

当然それだけ実績のある会社ですから、過去問の丁寧な分析をもとに、「これさえ勉強しておけば大丈夫!」となるくらいに、効率よく学習できるテキストになっていることも少なくありません。
 

しかし、実はこれが大きな落とし穴なのです。
 

もしも多くの人が頼りにしているそのテキストや問題集が大きく予想を外して、保育士試験にその範囲からほぼ出題されなかったらどうなると思いますか?
 

実際私が1年目に受験した年に、「勉強したテキストから全く出題されていない」という嘆きの声が、試験終了後に聞こえてきた科目があります。
 

1年目の筆記試験は私もその1科目のみ落としたので、今となっても非常に印象強いです。
 

「1年目一発合格!」という意気込みで臨んだので、落ちたのはとても残念でしたが、それほどきちんと勉強していましたし、学習すべきポイントの分析が冷静にできたため、次の年は余裕で合格しました。

・保育士試験の難易度はその年ごと・科目別にかなり差がある!

 

その年難しかった科目が、翌年には易しくなっているということがないとも言いきれません。
 

なんにせよ、一年目に全科目合格するという意気込みをもって学習しておけば、1,2科目落としてしまっても、翌年に向けて勉強し直すべき+αが必ず見えてきます。
 

保育士試験の筆記試験は、油断さえしなければ3年以内に必ず突破できるのです!
 

出題範囲は広いものの、学習すべきポイントさえわかれば決して難しくはありませんよ。

2.筆記試験合格後でも充分間に合う?実技対策・勉強法のコツ

 

筆記試験が全て突破できたら、結果通知書が届いて約1か月で実技試験です。
 

筆記試験終了後に出る解答速報で自己採点すると、合格か不合格かはわかるので、通知書が届く前から対策を行えば、実技試験までは約2か月の時間が使えます。
 

筆記試験の合格率が2割である一方で、実技試験の合格率は約8~9割となっており、一見高い数字で安心ですが、10人につき1,2人は落ちていると考えてください。油断は禁物です。
 

実技対策は、筆記試験合格を掴んだその日からで充分間に合います!
 

実技に苦手意識がある人でも、実技試験を突破できるコツがあるのです。

①「音楽表現」は楽譜が命!

 

音楽表現は、あらかじめ課題曲が2曲提示されています。
 

今までにピアノやギター、アコーディオンをあまり弾いた経験がない人でも、その2曲のみを弾き歌いできれば合格できます。
 

ポイントは以下の3点です。
 

  • 自分に合った楽譜を用意する
  • 客観的な評価をもらってフィードバックを行う
    (録音でも可、声量とピアノのバランスをチェックする)
  • 毎日笑顔で演奏する癖をつける

 

「たったこれだけ?」と思われるかもしれませんが、本当にこれだけです。

自分に合った楽譜を見つけよう!

 

音楽表現の対策では、「自分に合った楽譜を見つけることが命」と言っても過言ではありません。
 

自分に合った楽譜とは、
 

  • 無理なく歌える音域の楽譜である
  • 自分の演奏レベルに合った伴奏の楽譜である

 

この条件を満たしたものを言います。
 

もし自分で探すのが難しければ、近くの音楽教室やピアノ教室に一度問い合わせてみてはどうでしょうか?
 

私は近所のピアノ教室の先生にお願いして、レッスンを受けながら一緒に私だけの楽譜を作ってもらいました。
 

自分のレベルに合わなければ、無理に通信講座などでもらった楽譜を使わなくても良いのです。
 

むしろ他の人と一緒の楽譜だと、聴き手からは楽器の得手不得手の差がはっきりわかってしまう危険性があります。
 

楽譜さえ揃えば、あとは笑顔で毎日、いかなる環境でも弾き歌いできる練習をするのみです。
 

②「造形表現」は用意しておいた材料を組み合わせるだけ!

 

「保育の一場面を絵画で表現」するのが造形表現です。
 

画材は鉛筆またはシャープペンシルと色鉛筆で、場面設定の条件は当日試験会場で発表されます。
 

造形表現のコツは、見出しにあるとおり念入りに材料を用意しておくことです。これが合否の分かれ道と言ってもいいかもしれません。
 

ここでいう材料とは登場人物や背景といった部品を揃えることにあたります。

・基本的な部品を用意しておこう!

 

次の場面を想像してみてください。
 

何もない白い紙の上に、当日試験会場で指定された条件に沿って「保育士1人」「子ども2人」を「保育室」や「園庭」に描く姿を。
 

何もないところから、45分以内に、配色を含めていきなり描ける人はまずいないかと思います。
 

しかし、あらかじめ部品が決まっていたらどうでしょうか?
 

例えば、
 

  • 出てくる保育士の髪の色、服の色、エプロンのデザイン
  • 保育室の床の色、棚の置き場所、壁に掛けられた子どもの作品の様子、机、椅子、玩具
  • 園庭ならば遊具の種類、土の色

 

など人物や背景の基本的な部品をあらかじめ用意しておけば、難しいことはなにもありません。
 

過去問から分析すると、「保育士1人」「子ども3人(女の子1人、男の子1人、中性的な子1人)」用意しておけば、人物に関しては充分です。
 

完成した絵のイメージが明るくなるように、服の色・髪の色など、人物を並べた際に色彩が豊かであることを目指します。
 

ある程度人物が定まっていれば、試験当日イレギュラーが条件に指定されたとしても(お年寄りと遊ぶ様子という課題の年もありました)その1人だけ新たに容姿や配色を考えれば大丈夫なので、焦らず対処できますよ。
 

背景の設定も同様です。
 

保育室や園庭のイメージが湧き辛かったら、保育園のHPを見て、良いと感じた家具・小物を模写するなどして、絵の中に設置する材料として取り入れていきます。

・絵の上手さは必要ない?

 

材料を大体揃え終えたら、あとは過去問等を時間内に描き上げる練習をしていくのですが、1日45分の時間を確保し繰り返し練習するだけで充分合格できます。
 

私は試験前の2週間のみ、毎日1枚ずつ描いて合格しました。
 

「造形表現」の実技試験概要にはこのように書かれています。
 

求められる力:保育士として必要な造形表現(情景及び人物等を豊かにイメージした描写や色使いなど)ができること。
 

この「保育士として必要な」というところがカギです。
 

決して絵の上手さが求められているわけではありません。
 

完成した絵を通して、受験者が目指す保育士としての理想的な姿を伝えることが求められているのです。

③「言語表現」は3分間よどみなく話せるのは当たり前!更なる高みを目指す

 

個人的に一番厄介な科目だと思うのが「言語表現」です。
 

「音楽」や「造形」とは違い、

特別な技術が必要ないように感じるという点で心理的なハードルが低い科目と言えます。
 

何の道具も必要なく、指定された物語の中からひとつ選択してお話するだけなので、身体一つで成立し所要時間も3分と長くはありません。
 

台本さえ定まれば、1日に20回練習しても1時間で済みますね。

・評価基準が不透明?

 

他の課題よりも圧倒的に取っ付きやすいですが、私はあえて選択しませんでした。
 

理由は「評価の基準が見えない」からです。
 

たとえ不合格だったとしても、何が悪かったのかわからなかったら、改善のしようがありません。
 

「言語表現」を選択し、実技試験に合格した知り合いに詳しく話を聞いてみたところ、
 

「毎日ストップウォッチをセットし、3分間よどみなくスラスラと話す練習をするのは当然のこと」
 

だそうです。
 

実技試験概要にある「自分の目の前にいる20人程度の3歳児クラスの幼児に集中して話を聞かせる時間」いうのがポイントで、
 

  • 幼児を引き付ける話し方
  • 表情
  • 飽きさせない展開


 

と、何より自分自身が楽しんで話している姿を見せるのが大事ということでした。

④普段から人に見てもらうことが大切

 

以上が各実技試験科目の対策のコツでした。
 

実技試験の勉強法で全てに共通するのは、客観的な視点を持ちフィードバックを怠らないことです。
 

自身が子育て中であれば、自分の子どもに対して披露して反応を見てもらうのも練習法として効果が期待できるのではないでしょうか?
 

自分の家族や友達に披露して評価してもらうことも大切です。
 

きっと自分では気付かない弱点を指摘してもらえますよ。どのような状況でも緊張し過ぎずに取り組む練習にもなります。
 

通信講座等の実技試験対策に申し込んでアドバイスをもらうのも良いかもしれません。

3.保育士試験はポイントを押さえた勉強法を!

 

今回は保育士試験に合格するためのコツとして、筆記と実技の両方から対策を紹介しました。
 

これまで持っていた「漠然とした不安が、少し軽くなった」という方もいると思います。
 

保育士試験は一度合格してしまえば、その資格は一生ものです。
 

少しでも興味があれば、保育士試験にぜひ挑戦してみてください。
 

たとえ私のように乳幼児の子育て中であっても、スキマ時間でポイントを押さえた勉強を重ねていけば必ず合格できますよ。