みなさんは「施設保育士」という言葉を知っているでしょうか?
 

保育士が働く場所といえば数の多さから真っ先に保育園が浮かぶと思いますが、保育士の活躍の場は保育園だけではありません
 

保育所以外の児童福祉施設に在籍する保育士は施設保育士と呼ばれ、代表的な施設には乳児院と児童養護施設があるので、もしかしたら知っている人もいるかもしれませんね。
 

もちろん今まで聞いたことがなかったという保育士さんも多いですから、現時点で知識がなくても大丈夫です。
 

今回は施設保育士について、
 

  • 乳児院/児童養護施設で働く保育士の役割
  • 求人の例
  • なりかたや入職前の心構え
  • 施設保育士勤務経験者へのインタビュー


 

を紹介し、保育所で働く保育士との違いや魅力に迫ります。
 

1.児童福祉施設は保育所以外にこんなにある!「施設保育士」の働く場所と役割は?

 

児童福祉施設は児童福祉法で以下のように規定されています。
 

【児童福祉法】
第7条 この法律で、児童福祉施設とは、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、幼保連携型認定こども園、児童厚生施設、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設、児童自立支援施設及び児童家庭支援センターとする

 

全部で12施設もあり保育士の活躍の面で分類すると、
 

保育士が必置となる施設 保育所、幼保連携認定こども園、児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、情緒障害児短期治療施設
保育士が任意設置となる施設 乳児院、児童家庭支援センター
保育士が任用資格である者が置かれる施設 母子生活支援施設、児童厚生施設
保育士の設置が規定されていない施設 助産施設、児童自立支援施設

 

上記の4つに分けられます。
 

私も保育士試験に向けて児童福祉法を勉強した時には、「こんなにもたくさんの場所で保育士が活躍しているのか」と驚きました。
 

厚生労働省「平成26年社会福祉施設等調査」をもとに各施設で働く保育士の数と施設従事者の内訳を整理するとこのようになります。(保育士の設置が規定されていない助産施設、児童自立支援施設を除く)
 

施設数 保育士 生活・児童支援員、生活支援員、児童自立支援専門員 児童生活支援員 母子支援員 児童厚生員 保健師、助産師、看護師 理学療法士、作業療法士、その他の療法員 医師
児童福祉施設総数 34,462 384,644 13,051 570 716 10,008 17,034 3,133 2,427
乳児院 133 2,385 284 613 47 19
母子生活支援施設 243 2o8 120 365 716 1 53 25
保育所・幼保連携認定こども園 24,509 368,662 7,336 1,027
児童厚生施設 7,340 1,437 781 10,008 19 11 6
児童養護施設 602 5,388 5,930 151 421 59
障害児入所施設 483 3,025 3,225 8,440 1,566 1,151
児童発達支援センター 564 3,376 1,322 420 781 110
情緒障害児短期治療施設 38 132 385 32 175 14
児童家庭支援センター 99 25 55 52 3

注:従事者数は常勤・非常勤の総数。小数点第1位を四捨五入して求めた常勤換算数のため、内訳の合計が総数と合わない場合がある。
 

保育所や幼保連携認定こども園で働く保育士の数が飛び抜けている結果になっており、保育所以外の児童福祉施設は種類が豊富だけれども施設数は少なく保育士の数も多くありません。
 

施設保育士なんて知らなかったという人がほとんどなのはこの数の少なさが原因ですが、社会的な機能上なくてはならない施設ばかりですし、もっと一般に広く周知されるようになれば私たちが認識できる機会も増えますよね。
 

保育園以外の施設でも保育士が活躍できる場があることを一人でも多くの人に知ってもらうためにも、まずはみなさんが保育士としてこの事実をしっかりと把握しておくことが大切です。
 

具体的に施設保育士とは保育所と幼保連携認定こども園以外の児童福祉施設で働く保育士を指し、代表的な施設として挙げられるのは「乳児院」と「児童養護施設」が挙げられ、それぞれのポイントをまとめてみました。

①乳児院で働く施設保育士の役割は?~24時間365日体制

 

乳児院は保護者の病気や離婚・死別・虐待など事情があって家庭を失ってしまった乳幼児を養育するための施設です。
 

生後間もない赤ちゃんから2歳未満の乳幼児が対象とされていますが、実際には兄弟を一緒に療育するメリットなどが考慮されて2歳以上~未就学児までが在籍する場合も珍しくありません。
 

乳児院に入院した子どもたちは、
 

  • 両親や親族のもとへ引き取られる
  • 里親のもとへ引き取られる
  • 児童養護施設へ入所する

  •  

    のいずれかを経て乳児院を巣立っていきます。
     

    保育所と大きく異なるのは、通所で利用する施設ではなく入所して利用する施設という点で、そのぶん子どもとの関わりも密になり、
     

    「食事や排せつ入浴などお世話をしながら本当の家族のように一緒に過ごすので、自分も第2の家庭を持った感覚になります」
     

    と話す施設保育士もいました。
     

    家族のように子どもと関わるため24時間365日体制であり、夜勤や土日の出勤も入るなど保育所と比べると重労働になることから、施設保育士として働くことを検討している方はそれなりの覚悟が必要です。
     

    施設の具体的な雰囲気を知りたい方は、後半で経験者へインタビューも行っているのでぜひ確認してみてくださいね。

    ②児童養護施設で働く施設保育士の役割は?~退所後も継続して成長を見守る

     

    児童養護施設には家庭での生活が困難な1歳から18歳未満(場合によっては20歳まで)の子どもが生活しており、保育所で働く保育士とは違い幅広い年齢の子どもたちと接することになります。
     

    児童養護施設と聞くと親のいない子どもたちのための施設というイメージがある人も多いのではないでしょうか?
     

    児童福祉施設の歴史は戦災孤児の救済から始まっていると学生の頃に習っていたので、私もそのような印象を強く持っていました。
     

    社会に浸透しているイメージとは裏腹に、今日の児童福祉施設における課題について厚生労働省は以下のように指摘します。
     

    社会背景と時代の流れに伴って、今日では保護者がいる、いないといった家族構造の課題よりも、家族の持つ子どもの養育機能が様々に損なわれ、子どもを含む家族を支援・補完し、家族に代替し養育する対応と虐待など保護者が子どもを傷つけ苦しめていることへの対応が課題の中心となってきています。

     

    内容を見てわかるとおり、現代では「親の死別」よりも「親からの虐待」が施設に入所する一番の理由になっているのが現状で、親自身が原因となり入所せざるを得なくなってしまうのはとても痛ましいですよね。
     

    このような社会的背景を理解し、生活習慣や集団生活を送るうえで必要なルールを子どもに教えるのはもちろん、子どもが受けた心の傷にも気を配りながら共に生活し自立の手助けをしていくことが施設保育士に求められる役割と言っても過言ではありません
     

    入所施設なので乳児院と同じく宿直や夜勤もあり、私のように子育て中の母親が無理なく働くためにも家族の理解や周囲の協力を得られるような環境づくりが大切です。

    ・施設保育士が児童養護施設で働くうえで必要なこと

     

    さまざまな家庭の事情を抱えた子どもたちと関わるにあたって、施設保育士にとって必要なことは何か気になる人もいると思います。
     

    実際に調べてみたところ、養育を担う人の原則として児童養護施設運営ハンドブックでは
     

  • 養育の過程をとおして子どもとの関係性を構築していく
  • 前の養育者から丁寧に引継ぎを受け、次に丁寧に引き継いでいく
  • 子どもとつながり続けていく

  •  

    この3つが挙げられていました。
     

    過程・引き継ぎ・つながり続けるといった連続性が強調されているところをみると、退所したらそれで終わりという関わり方では足りないことがわかりますね。
     

    私も学生時代に家族から離れて初めてひとりで生活をし始めたときには、生活を送る上で様々な困難にぶち当たりました。
     

    その度に親兄弟を頼り助言をもらって乗り越えてきましたし、自分の家庭を持った今でも、何か困ったことがあった時に実家に相談できるのはとても幸せなことかもしれません。
     

    児童養護施設は子どもにとって家庭と同じ機能を果たすものですから、退所後に何かあったとき子どもが自らの意志で相談に訪れることができるようにするためにも、入所中に深い信頼関係をきちんと結んでおくことが求められているのです。

    2.施設保育士になるにはどうしたらいいのか

     

    施設保育士の仕事は大変である一方、子どもたちと深く関わって成長や自立をそばで見守ることができるので非常にやりがいがあります。
     

    乳児院・児童養護施設で働きたいから保育士になったというくらい施設保育士の仕事に魅力を感じて就職する人も多く、現場からは「意欲の高い仲間が集まるため職場の人間関係で悩むことはあまりない」との声もよく聞かれました。
     

    保育に対する意識が全体的に高そうな施設保育士の求人についてですが、はじめにお話ししたように施設自体が保育所に比べて少ないことから求人を見つけるのも容易ではありません。
     

    ①保育士専門の転職サイトを使おう!

     

    一般的に施設保育士は意欲の高い人が応募するため、競争率は高く良い求人はすぐに埋まってしまう場合がほとんどです。
     

    現状を考えると普通の保育園を選んだほうが無難というのも一理ありますが、今からでも施設保育士に転職したい人も中にはいると思います。
     

    そんな意欲の高い保育士さんの理想の職場探しを全面的にバックアップしてくれるのが保育士に特化した転職サイトです。
     

    実際に利用してみたところ、保育の現場を熟知しているからこその親身なアドバイスがもらえましたので、まだ自分ひとりで探しているという人はもったいないかもしれません。
     

    施設保育士の求人を探している旨を担当の求人コンサルタントに伝えておくと、随時求人を紹介してもらえますから、まずは一度登録してみてはどうでしょうか?
     

    すぐ見つかる確約はできませんが一緒に探してくれるプロの存在は心強いですし、相談していく中で当初考えていた職場より条件の良いところが見つかる場合もありますよ。
     

    もちろんいきなり登録するのは抵抗があるという人もいると思いますので、自力で調べられる範囲のことは一通り知っておきたい方のためにも、当サイトで調査した施設保育士の待遇の実態について次に解説していきます。

    ②職場環境・待遇は?求人の一例をみてみよう

     

    運営を任される経営母体によって差はあるようですが、私が調べた求人の一例を紹介します。
     

    乳児院の求人例
    職種 保育士
    雇用形態 正職員
    給与 183,000円~260,000円 ※経験により決定
    勤務時間 ・シフト制

    ①7:00~16:00 ②8:30~17:45 ③10:00~20:00 ④16:30~9:00(月4~5回)

    ・週休2日

    待遇 夜勤手当、時間外勤務手当、年末年始手当、家族手当、社保完備、賞与年3回、退職金など
    応募資格 保育士、児童指導員任用資格保持者

     

    児童養護施設の求人例
    職種 保育士
    雇用形態 正職員
    給与 169,000円~(短大卒初任給)※年1回昇給あり
    勤務時間 ・シフト制

    ①6:30~14:30 ②14:00~22:00 ③9:00~17:00 ④7:00~9:00,17:00~22:00の交代勤務

    ※宿直有 ※4週8休

    待遇 宿直手当、社保完備、賞与年2回、住宅手当など
    応募資格 保育士、児童指導員任用資格保持者

     

    表を作ってみて意外だなと感じたのは給与です。
     

    専門性の高い仕事なのでイメージとしてもっと高いと思っていましたが「保育園とあまり変わらないかも……?」とびっくり。
     

    しかし注目すべきは待遇の欄で、各種手当や賞与(ボーナス)が充実している求人が多く見られました。
     

    時間外や夜勤、宿直加算が上乗せされるぶん施設保育士の給料は保育所で働く保育士よりも高くなる……つまり仕事上の大変な部分が給与にそのまま反映されていると言っていいかもしれません。
     

    勤務時間をみるとシフトは夜勤帯を含めて、保育園よりも細かく設定されていました。
     

    後でインタビューしたSさんの勤めていた乳児院ではシフトが20パターンくらいあり、休みの日でも「待機シフト」が設けられ、特に夜勤帯で人手が足りなくなった時にすぐ出勤できるよう準備する必要があったとのことです。
     

    休みの日でも夜中に呼び出しがかかることがあると思うと、なかなか心休まる時間が取れなさそうですよね。
     

    実際に「いつ呼び出されるかと思うと遠出も難しく、プライベートの時間が確保しづらい」という声も聞きました。
     

    体力や気持ちの面で保育所保育士より大変であることは間違いないといえるため、それを覚悟の上で検討していけるかどうかがポイントです。

    ・公設公営なら公務員保育士での勤務も

     

    児童福祉施は設置主体者と運営者の関係で、分類としては
     

    公設公営 国や地方公共団体が施設を設置し、運営も兼ねる
    公設民営 国や地方公共団体が施設を設置し、施設運営を民間の企業・団体に代行させる
    民設民営 民間の企業・団体が施設を設置し、運営も兼ねる

     

    上の3つの分け方が一般的です。
     

    公設の施設をできるだけ民間に代行させる「官から民へ」の社会的な動きがあり、公設公営の施設はどんどん減ってきている現在、公設公営の児童福祉施設で働くならば公務員保育士として働くことになります。
     

    「公務員なら安定していて良いな」という人も多いかと思いますが、残念ながら公務員保育士には異動がつきものですから、入職後ずっと施設保育士でいたい人は、公設民営か民設民営の施設で求人を探したほうが良いです。
     

    公務員保育士については当サイトでも書いていますので、興味のある人はぜひチェックしてみてくださいね。
     

    ⇒【公務員保育士の給料は?私立保育園と比較してみました!

    ③施設保育士になる上で大切なことは?志望動機を明確にしておこう

     

    施設保育士になりたい人は、まず勤めたい施設についてきちんと理解しておく必要があります。
     

    体力面でハードであることはもちろんですが、施設には様々な事情があって入所してくる子どもばかりなためか、頑なに心を閉ざす子どもや暴力的になってしまう子どもなど、保育所とは違い接し方が難しいことが多く悩みも尽きません。
     

    インタビューしたSさんによると、
     

    「最初にきちんとした明確な志望動機を持っている人は辞めないけれど、経営母体が人数合わせのために系列の保育園から無理やり連れてきたような人は辞めたがっていましたね」
     

    とのことです。
     

    自分がどうして施設保育士になりたいのか明確な志望動機があれば、入職後に悩みが尽きなくても向き合っていけますので、この機会に改めて施設保育士になりたい理由について考えてみてはどうでしょうか?

    3.施設保育士経験者にインタビューしてみました

     

    施設保育士についてもっと深く知りたい人のために、乳児院で働いた経験のあるSさんに実際の現場の雰囲気などを教えてもらいました。
     
     

    ―働いていた乳児院はどのような規模の施設でしたか?

    Sさん:定員15名、保育士と看護師が合わせて20名ほど働く乳児院でしたが、児童相談所から毎日のように子どもが送られてくるため「昨日は在籍10名だったけど今日は15名に増えた」など変動が激しかったですね。

     
     

    ―なるほど。子どもの人数は変動が大きいのですね。職員も出入りが激しいですか?

    Sさん:職員はみんな乳児院で働くことに誇りをもっています。施設で働きたくて就職したのですから滅多なことでは辞めません。職員が辞める理由は結婚や家庭環境の変化でやむを得ない場合のみでしたよ。

     
     

    ―職場の人間関係はどのようでしたか?

    Sさん:職員が密に連携しないと現場は回りませんから、人間関係で悩むことはまずないです。そんな暇がないというか……。

     
     

    ―仕事内容について教えてください。

    Sさん:ひとことで言うと子どもと共に生活をする仕事です。家族のようにご飯を食べて、お風呂に入って、体調が悪ければ病院にも連れて行きますし、その子だけのために服も買います。

     
     

    ―衣類も?

    Sさん:措置費の中からその子のためだけに割り当てられるお金があるので……使いまわすことはないのですよ。例え3日間だけしか乳児院にいなかったとしても、その子だけのために服を揃えます。衣食住は生活の基本ですから。でもこれが結構面白くて、たまに他の職員が揃えた服を見て「そんな服どこで買ったの?」とびっくりすることもありました。ファッションセンスが出ます。

     
     

    ―本当に母親みたいな関わり方をするのですね。

    Sさん:そうですね。でも気をつけなくちゃいけないのは、乳児院は子どもにとって通過点であることを常に忘れないこと。元親に戻すのか里親に預けるのか……私の施設では半々の割合でしたね。遅かれ早かれ必ず別れがきますし、乳児院出身であることは隠したい子どもや里親が多いですから、よき通過点であることに徹することが大事なんですよ。これがなかなか難しいです。

     
     

    ―必要以上に感情移入しまうことも?

    Sさん:ありますね……深い愛情を持つことはもちろん大事ですが、感情移入が過ぎると適切な通過点にはなれません。例えば可愛すぎるあまりその子どもの良いところしか里親に伝えられなかったら問題になります。適切なマッチングに繋げるため、その子のありのままの姿を捉えることがとても重要なんですよ。

     
     

    ―なるほど。

    Sさん:あとは記録をとにかくとります。もちろん個別の支援計画はどんなに滞在期間が短くても必ず作ります。

     
     

    ―書類はいつ書くのですか?

    Sさん:正直に言うと、ほとんどが残業ですね。あとは夜勤で子どもたちが寝ている間に書き上げることが多かったです。記録って言うと書類ばかりなイメージかもしれませんが、それだけじゃなくて、写真は特に、山のように撮ります。

     
     

    ―日常的な光景を?

    Sさん:それももちろんありますが、一般的な家庭と同じようにお宮参りからお食い初めなど、成長の節目できちんと写真館へ行って撮っていました。男性職員と女性職員がひとりずつ一緒に写って……今は小学校で2分の1成人式とかもありますからね。そういった場面で子どもが困らないように。里親や元親にも手渡していました。中には元親が再び虐待して写真を全て処分するケースもあって……紛失しても大丈夫なように今まで在籍した子どもの写真を全て、膨大な量ですが保管していました。

     
     

    ―男性職員もいるのですね。

    Sさん:当然ですよ、必要不可欠です。一般家庭と同じで父親となる人が必ず必要です。本当なら職員の男女比は1:1が望ましいと思いますが、なかなか……乳児院では男性が本当に求められています。でもやっぱり待遇面が問題なのか、少ないですね。うちの施設では3人しかいなかったです。

     
     

    ―待遇は悪いのですか?

    Sさん:経営母体によりますね。公設でも委託民営がほとんどですから。私は今まで様々な場所で保育士として働いてきましたが、乳児院は病棟保育士の次でしたね、給料の良さは。夜勤のない病棟保育士より給料が低いのは納得いかないというか……夜中に急な呼び出しもありますし、仕事内容からしたら低いと思います。でも私はまた乳児院の職員になりたいです。戻りたい。

     
     

    ―Sさんが乳児院を辞めた理由って?

    Sさん:結婚して子どもができたときに、夜勤がある仕事は辞めてくれと旦那に言われ……子どもが2歳まではどうにか続けましたが母親が不在のストレスなのか夜泣きやチックが始まってしまい、周りから「お前は自分の子どもをロクに育てられないくせに、他人の子どもの面倒をみるのか?」って迫られて、これはもう続けられないなって。乳児院には20代の職員か40代半ば以降で子育てが落ち着いた職員しかほとんどいなかったのですが、家庭の事情がやっぱり大きいのでしょうね。私からすると乳児院は保育所とは全く別の世界で、大変だけどやりがいも大きくてずっと忘れられない職場です。自分の子育てが落ち着いたらきっとまた戻ります。

     
     

    ―貴重なお話をありがとうございました。
     

    施設保育士は子どもの人生に深く関わる大変な仕事!だからこそやりがいも大きい

     

    施設保育士は保育所で働く保育士とは違い、心に傷を負った子どもたちと共に過ごしながら成長や自立を見守る大変な仕事だとわかりました。
     

    関わり方ひとつひとつが子どものその後の人生を左右することになるため、責任も重大で精神的な負担は決して小さくありません。
     

    Sさんのインタビューからも、施設保育士の日常や実情について理解が深まった方も多いのではないでしょうか?
     

    肉体的にも夜勤や急な呼び出しが入るぶん重労働ですが、子どもの成長を肌身で感じられるためやりがいや充実度が高いことは確かです。
     

    これから施設保育士を目指す人は志望動機を明確に持ち、施設についてもよく理解した上で転職活動を進めてぜひ良い結果に結びつけてくださいね。