待機児童解消に向けて近年、小規模保育園でも保育園を運営できるようになりました。
 

補助金が出るなど多くのメリットがあるため、認可を受ける保育園も年々増えています。
 

少人数のきめ細やかな保育にあこがれつつも、認可外の保育園に何となく悪いイメージがあって避けていた方には、今が転職を考える好機かもしれません。
 

現在の職場よりも自分に合った働き方が可能になるのかどうか、認可された小規模保育園で働くことについてこれを機会にぜひ検討してみてはどうでしょうか?
 

今回は小規模保育園の種類と認可の基準、働く上でのメリットとデメリット、認可された小規模保育園で働くための求人選び法をお話していきます。
 

1.小規模保育園ってどんなところ?認可された小規模保育園で働くメリット

 

私が今勤めている職場は比較的小規模な保育園ですが、全園児150人規模の園から転職してきた保育士が半数以上です。
 

人数が多いと行事も大変で体力が追いつかないけど、少ない子どもと密に関わることができる小規模保育園は毎日が充実しているという声もよく聞くので、小規模保育園は保育士にとって魅力的な職場環境と考えられます。

①小規模保育園とはなにか

 

小規模保育園の定義をあらためて確認しておきます。
 

小規模保育園とは定員が6~19人で0~2歳児を預かる保育園のことです。
 

一般的な認可保育園の定員数60名から考えると、ずいぶん規模が小さいことがわかりますね。
 

私の職場は園児定員が25名でよく小規模保育園と間違われますが、定員が20名以上なので定義にはあてはまりません。
 

逆に数が少ないとき、特に定員が5人以下の施設は家庭的保育の位置づけとなり、この場合保育園とは言わないので注意してください。

・子どもの年齢にも注意

 

小規模保育園では、預ける子どもが何歳までなのかというのも押さえておきたい点です。
 

実際0~2歳児と月齢が低い子どもに限定されていますが、これは待機児童に0~2歳児が最も多く、小規模保育園が保育需要の偏りを解消する役割を担っていることが背景に挙げられます。
 

月齢の低い子どもを少ない定員で保育する体制であれば、1人ひとりの子どもに目が届きやすくなりますよね。
 

働く側の体力的にも余裕がもてる保育が実現できていると言えます。

②認可されると何が違う?認可外との違い

 

認可保育園にはきちんとした設備基準があり、保護者にとって安心して子どもを預けられる場所になっています。
 

平成27年度にスタートした子ども・子育て支援新制度によって新しく作られたのが、市町村の認可を受けて行う地域型保育事業です。
 

それまで19名以下の小規模保育は全て認可外となっていましたが、この制度により認可を受けられるようになりました。
 

認可外保育園とは次のような点で異なります。
 

  • 設備基準と職員配置は国の定めた基準を満たす必要がある
  • 自治体が入所申込みを受け付ける
  • 自治体の基準で入園者が選考される
  • 保育料は保護者の収入に応じて自治体が定めた金額となる
  • 公的な補助金を受けて運営費や改修経費などを賄える

  •  

    認可外と比べると制約は多くなりますが、公的な補助金の平均はなんと年間約3,500万円と言われています。
     

    自治体間で差はあるとはいえこれだけの補助金が入るのですから、今後も小規模保育園が認可を目指して増え続けていくと考えて間違いありません。
     

    実際に厚生労働省「地域型保育事業の件数」を見ると、小規模保育事業は平成27年~平成28年の1年間で774件も増えています。
     

    今後も増加が見込まれるため、小規模認可保育園に就職するなら今がチャンスです。
     

    ③認可基準から考える保育環境

     

    認可されると国や自治体の定めた基準で運営されるのはわかったけれど、
     

    「預けられる子どもや働く保育士にとって、きちんと余裕を感じられる基準になっているの?」
     

    と思う人もいるかもしれません。
     

    そんな疑問を解決すべく、国の認可基準から読み取れる保育環境についてチェックしてみます。
     

    小規模認可保育園は大きく分けると、
     

  • A型…認可保育園の分園で、ミニ保育所に近い類型。
  • B型…A型とC型の中間型
  • C型…家庭的保育に近い類型。保育ママ(無資格でも研修を受け認定されることでなれる)が複数いる

  •  

    この3種類です。
     

    それぞれの型ごとに認可基準が定められており、内閣府子ども・子育て本部『子ども・子育て支援新制度について』を参照するとこのようになっています。
     

    保育所 小規模保育事業
    A型 B型 C型
    職員 職員数 【0歳児】3:1
    【1・2歳児】6:1
    保育所の配置基準+1名 保育所の配置基準+1名 【0~2歳児】3:1
    (補助者を置く場合、5:2)
    資格 保育士
    ※保健師又は看護師等の特例有(1人まで)
    保育士
    ※保育所と同様、保健師又は看護師等の特例を設ける。
    1/2以上保育士
    ※保育所と同様、保健師又は看護師等の特例を設ける。
    ※保育士以外には研修実施
    家庭的保育者
    ※市町村長が行う研修を修了した保育士、保育士と同等以上の知識及び経験を有すると市町村長が認める者
    設備・面積 保育室等 【0歳・1歳】
    乳児室1人当たり1.65㎡
    ほふく室1人当たり3.3㎡
    【2歳以上】
    保育室等1人当たり1.98㎡
    【0歳・1歳】
    1人当たり3.3㎡
    【2歳児】
    1人当たり1.98㎡
    【0歳・1歳】
    1人当たり3.3㎡
    【2歳児】
    1人当たり1.98㎡
    【0歳~2歳児】
    いずれも1人3.3㎡

     

    表をみるとA型とB型では保育士が通常の保育所よりも1人多くつき、C型でも保育所が1~2歳児で6:1の配置なところを3:1と手厚いことがわかります。
     

    園児1人あたりの設備面積も通常の保育所より広めに取られていますので、この基準であれば、きめ細やかでのびのびとした保育を実現できそうですよね。

    ④小規模認可保育園の注目すべきメリット

     

    小規模認可保育園の良いところばかりみてきましたが、他にもメリットはまだまだあります。
     

    私が思うメリットをまとめると……
     

  • 職員や保護者の数が少ないため、人間関係を密にして連携を取りやすい
  • 落ち着いた雰囲気の中で、子どもの発達や家庭環境に合わせた保育ができる
  • 少人数なので会議や行事が少なく、日々の保育をより充実させられる
  • 保育士の資格を持っていなくても、研修を受けることで働くことができる
  • 縦割りでの行動が多く、子ども同士が兄弟のように関わり合い育つ
  • 家庭的保育(保育ママ)を開業する予定のある人は、保育環境が近く勉強になる
  • 園外保育が多く、地域社会に根差した保育を展開できる
  • 運営に対して補助金が出ているため、保育士の給料にも期待できる
  •  

    このようなところです。
     

    私自身が自分の子どもを小規模保育園に預けていたため、保育士さんが保護者に対してもきめ細やかだというのは送り迎えの対応や連絡帳のコメントからもよく実感できました。
     

    小規模保育園は園庭が無いところが多いのですが、天気の良い日は必ず公園や園周辺の様々な施設に毎日のように連れて行ってくださり、日々の保育がとても充実していて良かったです。
     

    何より子どもが少なく縦割りでの行動がほとんどであり、兄弟のように仲良くのびのびと子どもが育っていきます。

    ⑤小規模ならではのデメリットも

     

    小規模認可保育園にはメリットがたくさんありますが、小規模であるがゆえに起こる問題もあります。
     

    考えられるデメリットとしては、
     

  • よりきめ細やかな保育を期待され、保育士に求められるスキルが高くなりがち
  • B型、C型では保育士資格が必ずしも必要ではないため、職員間で技能に差がある
  • 職場の人間関係や保護者対応でトラブルがあると、逃げ場がなく行き詰る
  • 行事の実施が難しく、運動会など保護者から要望があっても応えられない面がある
  • 通常の保育園で得られるクラス運営のスキルや、行事のノウハウを身につけづらい
  • 園外保育では常に安全確保に気を配らなくてはならず、気が休まらない
  •  

    上記が挙げられます。
     

    特に小規模保育園は0~2歳児のみの保育なので、3歳以上児に対する関わり方がわからないなど保育士として得られるスキルに偏りが出てしまうことが問題です。
     

    一方できめ細やかさを過度に期待される面もあり、保育士資格のある人に対して求められる水準も決して低くありません
     

    就職先として検討するときには、自分が目指す保育や身につけたいスキルと照らし合わせて考えてみてくださいね。

    ・子どもが3歳になると必ず転園が待っている

     

    保護者目線で考えると、1番のデメリットは子どもが3歳になったら転園しなければならない点です。
     

    各園で提携先は確保されているとはいえ、転園は子どもや保護者にとって大きな負担になります。
     

    小規模保育ならではのデメリットですが、就学前までに通常の保育園で集団行動を学ばせておくことも大切ですので、子どもの将来を思っての転園と前向きに捉えたいところです。

    2.認可された小規模保育園で働きたい!求人の選び方は

     

    少人数できめ細やかな保育の実現や認可基準を満たした設備など、小規模認可保育園には魅力がいっぱいです。
     

    これから就職活動をする方は、小規模認可保育園で働く選択肢を視野に入れて活動するといいかもしれません。
     

    小規模認定保育園での就職を希望する人向けに、就職活動を有利に進める求人の選び方について次にお話していきます。
     

    ①募集人数は少なめ!転職コンサルタントに相談しておこう

     

    小規模認可保育園の数は増加していますが、施設自体が小規模なために求人は少なめです。
     

    転職を検討している人は、少ない募集を見逃さないようにいかに普段の生活の中で求人情報に目を通せるかがカギになってきます。
     

    できれば日ごろからマメにチェックしておきたいところですが、山ほどある保育所の求人の中から小規模認可保育園だけを探してピックアップする作業は、自分ひとりでやっていくには結構な手間がかかりますよね。
     

    特に今の職場で働きつつ転職活動したいと考えている人には、求人探しに時間をかけたくても忙しくて難しい面があると思います。
     

    現状がいくら忙しかったとしても、転職活動に使える時間を確保できない日々が続くとなると、いつまでたっても新しい職場を探すことはできません。
     

    そんな人にこそ利用してもらいたいのが、保育士に特化した転職サイトです。
     

    担当のコンサルタントに小規模認可保育所での勤務を希望する旨を伝えておけば、自分の代わりに条件に合った求人を探してもらえます
     

    ぜひ上手に活用して小規模認可保育園の求人を見つけてください。
     

    ②どんなところで働きたい?志望動機を明確にしておく

     

    小規模認可保育園で働きたいと考えている人は、きめ細やかな保育に憧れを持っていたり認可保育園で働くことが夢だったりと、就職先に対してたくさんの希望があることと思います。
     

    求人を選ぶときにはそういった希望から、自分がどんな職場で働きたいのかを明確にしておくことがとても大切です。
     

    先に述べたデメリットも考慮しつつ、それでも自分が小規模認可保育園で働きたいのは何故なのか志望理由を固めておくと求人選びがスムーズに進みますよ。
     

    志望動機が明確であるほど求人が絞れるので、求人探しの前に志望理由を書き出して自分の気持ちを整理してみてはどうでしょうか?
     

    ・園の方針と職場の人間関係は要チェック

     

    必ず確認しておくべきことは、園の方針と雰囲気・職場の人間関係についてです。
     

    小規模だからこそ、
     

  • 保育の方針が他の職員と食い違う
  • 職場で人間関係がうまく築けない

  •  

    といった状況に陥ると心理的なダメージが大きく、仕事を続けるのが難しくなります。
     

    人間関係の面は就職してみないと分からないところもありますが、離職率を確認することである程度把握できますし、実際に足を運んで職場の雰囲気を確かめるとより安心です。
     

    「離職率は聞き辛いし、実際に足を運ぶのも忙しくて無理」という場合には、保育士向け転職サイトの利用で担当のコンサルタントに確認してもらうこともできるので、ぜひ活用してみてくださいね。

    自分に合った場所で働こう!小規模保育園を選択肢のひとつに

     

    小規模保育を実際に行う保育士に話を聞くと、まるで第2の母親のような気持ちになって家庭的な保育を実践している様子が伝わってきます。
     

    自治体からの認可も受けられるようになり、待遇面でみても小規模保育園は魅力的です。
     

    もっと一人ひとりの子どもや保護者と向き合って、日々の保育を丁寧に行いたいという気持ちが強い方には、小規模保育園は理想の職場になるかもしれません。
     

    一方で普通の保育園で得られるスキルが得られにくい欠点もあるので注意が必要です。
     

    保育士として将来的にどうありたいのか、目標を明確にすることで自分に合った転職先が見つかります。
     

    これからも保育士として長く生き生きと働ける職場に出会えると嬉しいですね。