「子どもが好きだから、保育士になりたいです!」
 

というのは保育士になるきっかけとしてよくある話です。
 

子どもが好き
  ||
子どもと触れ合う仕事
  ||
 保育士
 

のような構図がみなさんの頭の中にもあるかと思います。
 

保育士になれば当然子どもと触れ合う時間はたくさん持てますよね。
 

しかし、保育士は本当に子どもと触れ合うだけが仕事なのでしょうか?
 

子どもと遊ぶイメージばかりが浮かんで、他には何をしているのかよくわからず、今の自分のライフスタイルに合った働き方はできるのか不安に感じているのが実際のところだと思います。
 

そんな悩みに応えるべく、今回は保育園で働く保育士の主な仕事内容・勤務形態や保育士が活躍する様々な場所についてお話していきます。
 

1.保育士は激務?保育園で働く保育士の本音

 

保育士は仕事が激務だから離職率が高い、そんな話を耳にしたことはありませんか?
 

私が「仕事は保育士をしています」というと、

大体の人から「保育士って激務でしょ?大変だね、頑張って」という反応をされます。
 

社会的なイメージとして、保育士は大変な仕事という評価が定着していますが、現場のリアルな実態はどのようになっているのでしょうか?

①勤務時間内にやることが多すぎる?保育士の仕事内容

 

標準的な保育園の一日の流れは、担当する年齢によっても次のように異なります。
 

【0歳児の例】 内容
7:00~8:30 登園。各々登園してくる子どもを迎える。
9:00~10:00 検温やおむつ交換。赤ちゃんの生活リズムに合わせて眠らせる。室内遊びや外気浴を行う。
11:00~12:00  昼食の時間。それぞれの成長に合わせてミルクや離乳食を与える。
 12:00~15:00  お昼寝。おむつ交換。保育日誌や連絡ノートの記入、行事の準備、スタッフ会議など。
 15:00~16:00  お昼寝終了。検温。おむつ交換やミルク、おやつを与える。様子をみながら室内遊びなど。
 16:00~17:00  降園。各々迎えに来る保護者への対応。
 17:00~19:00  時間外保育。様子をみながらおむつ交換やミルクを与える。降園。

 

 

【3~5歳児の例】 内容
7:00~8:30 登園。各々登園してくる子どもを迎える。
8:30~10:00 子どもが全員登園するまで室内や園庭で自由遊び。登園後各クラス朝の会。同時に保育準備を行う。
10:00~11:30 クラス活動。年齢に合わせて園庭遊びや近隣の散歩。天気に合わせて工作や歌などの室内活動。
11:30~12:30 昼食。子どもと協力してご飯の用意や片づけまで行う。
12:30~15:00 お昼寝。保育日誌や連絡ノートの記入、行事の準備、スタッフ会議など。
15:00~16:30 お昼寝終了。自由遊び。
16:30~19:00 玩具を片づけて、一度全員で帰りの会を行う。その後は各々帰宅の時間まで自由遊び。降園。

 

パッと見て、子どもとの触れ合いが多いように見えますが、お昼寝の時間に行う事務作業が曲者なのです。
 

②書類作成が大変?保育園で作成する書類の量

 

一例として、私が勤める保育園で日常的に記入が必要な書類・作成している書類を挙げます。
 

  • 連絡ノート
  • 園だより
  • 給食だより
  • 保育日誌
  • 給食日誌
  • 日案・月案・年間案
  • 行事立案書
  • SIDSチェック表
  • ヒヤリハット記録ノート
  • 職員会議の議事録
  • 職員間連絡ノート
  •  

    書類の種類・書き方などは各園によって異なりますが、思いつくだけでこれだけあり、大きく分類すると対保護者向け用の書類と園内記録用の書類の2種類です。
     

    対保護者向けの書類は保護者が保育園に親しみを感じられるような文章を心がけ、

    一方で園内記録用の書類は保育所保育指針の言い回しなどを参考にして記入していきます。
     

    そんな書類よりも保育に時間を割いた方が良いのではないか?と思われるかもしれませんが、日々の記録は結果的に日々の保育に生きてくるため欠かせません。
     

    万が一のときも、記録を取っておくことで大事に至らないということもありますので、書類作成も重要な仕事です。
     

    ③お昼寝の時間が主な書類作成の時間

     

    連絡ノートは、子どもひとりひとりの様子を各家庭に伝える最も重要な書類です。
     

    子どもがお昼寝している間に、各家庭ひとりひとりの子どもに対して書き上げるもので、その日あった出来事や子どもの成長が感じられた場面を伝え、おむつや着替えを持ってきてほしいといった連絡事項も記入します。

    SIDSを書くところも!

     

    お昼寝の最中はSIDSの予防の為の書類を記入する園もあります。
     

    SIDSとは「Sudden Infant Death Syndrome」の略称で、日本語でいうと乳幼児突然死症候群という名称です。
     

    うつぶせ寝等が引き金となり、睡眠時の突発的な死亡を引き起こすこの病気は、特に入園したばかりの乳児に発症が多く、眠っている間の様子を頻繁にチェックする必要があります。
     

    私が勤務する園では、お昼寝をした子どもがお昼寝を開始した時間から起きる時間まで、年齢によって5分~15分おきに体勢や顔色など異変がないかを確認し、書類の項目に従ってチェックしなければなりません。
     

    近年このSIDSによるトラブルが多く、予防のためにこのような書類が設けられている保育園も多いのです。
     

    SIDSのチェックをしながら連絡ノートを書き、交替しながら昼休みも取り、さらに職員会議を行い園内記録用の書類も仕上げ、行事の立案もこなす…どうですか?
     

    お昼寝している間に全て仕上がるかと言えば、難しいのが現状です。
     

    下手をすると、勤務時間終了後に居残りで園内記録用の書類に取り組むことになってしまいます。

    ・書類作成だけじゃない!保育園内の飾り付け、制作活動の下準備やイベントの小道具まで手作り

     

    保育園内の飾り付けや制作遊びの下準備も大事な仕事です。イベントがあればそれに合わせての制作物(出し物の小道具など)も出てきます。
     

    予算の立案から必要な材料の手配も各自で行うことがほとんどです。
     

    子どもと遊んでいる間は子どもと全力で向き合っているので、この業務ができません。勤務時間内に間に合わず、仕事を持ち帰って自宅で制作活動の下準備を行うこともあり、これが激務とされる理由です。
     

    しかし園によっては、保育士や保育補助の人数を充分に確保し、

    書類作成のための時間がきちんと設けられていたり、書類自体が書きやすい仕様になっていたりして、そこまで負担にならない工夫がなされているところもあります。
     

    イベント以外の通常保育時ならば、書類を書くことに慣れていくことで着実に勤務時間内に収まるようになっていきますので、他の職員の協力を求め、経験を積んでいくことで必ず乗り越えられる壁と言えるのではないでしょうか?

    ④やりがい充実度は満点!!保育士の良さ

     

    保育士はとにかく笑顔が絶えないお仕事です。
     

    イベントの企画や制作遊びなど下準備が大変なこともありますが、自分のしたことで心から喜んでくれている子どもの表情をみると、それまでの苦労は一気に吹き飛びます。
     

    子どもの健やかな成長を見届けることができるこの仕事は、本当に素晴らしい仕事です。やりがい充実度の高さは、他のどの職業よりも高いと言っても過言ではありません。
     

    ぜひみなさんにも保育士になって体感してみてください。

    2.ライフスタイルに合わせて働こう!無資格でも働きながら保育士に

     

    保育士として働きたいという意気込みがあっても、

    今の自分のライフスタイルに合った働き方ができるのか、ということは気になりますよね。
     

    保育士で正職員を希望する人はもちろん、自身の状況からアルバイトやパートといった短時間勤務が良いという人もいるのではないでしょうか?
     

    私自身も今は子育て中なので、子どもを預ける身内が居る土日のみ、非常勤アルバイトで保育園に勤務しています。
     

    保育士のさまざまな勤務形態について次にお話ししていきます。
     

    ①保育園で活躍する保育士の勤務時間・勤務形態は?

     

    標準的な保育園は大体7:00~19:00が開園時間ですが、もちろん閉園までの12時間ずっと保育園にいなければならないわけではないです。
     

    保育園の勤務時間はシフト制で、
     

  • 早番:7:00〜15:45まで
  • 中番:8:30〜17:15まで
  • 遅番:10:00〜全園児降園まで

  •  

    となっています。
     

    中番をメインとして月に7~8回早番や遅番が入る保育園が多いようです。

    保育園によって開園時間やシフトの体制が違うので、参考程度にしておいてください。
     

    また保育園には人手が足りない時間帯だけの非常勤アルバイトや、短時間勤務のパートもいます。保育園によっては24時間開園しているところもあり、夜勤のみの求人も少なくありません。
     

    自分が無理なく働くことのできる時間帯に合った求人を探しのがポイントです。

    ②現場は子育て経験者を求めている!無資格でも採用?働きながら保育士へ

     

    「子育て経験をキャリアにできたら良いのに……」と思ったことがある人も多いと思います。
     

    保育の現場は常に子育て経験のある人材を求めており、採用面接の自己アピールポイントとして、子育て経験を挙げられる数少ない職場が保育の現場なのです。
     

    無資格でも可という保育園の求人には「子育て経験者求む」の文字がセットになっていることがほとんどではないでしょうか?
     

    私も実際に働いてみて感じたことですが、自身が子育て中だからこそ子どもへの関わり方がわかったり、保護者との心の距離が縮まったりと、子育て経験が生かされていると感じる場面がよくあります。
     

    子育てが落ち着いたのを機に、無資格で保育業界に飛び込んで、

    その後経験を積んで保育士試験を受験し資格を取るというパターンも珍しくありません。
     

    ただし無資格のままだと、時給が低い場合や仕事内容に制限がかかる場合があります。
     

    園によって異なりますが、無資格の場合は保育やそれに関連する雑用のみで、「書類作成業務はなし。けれども資格手当もなし」で時給が低いということが多いです。
     

    面接の時点できちんと待遇を確認しておいてくださいね。

    保育園の求人探しは熱意が大事?

     

    子育て経験が無くても無資格で保育園の求人に挑戦できますが、その場合は
     

    「働きながら保育士資格を取得します!」
     

    とか、
     

    「保育士試験に挑戦中です!」
     

    という熱意のある人が優先的に採用されます。
     

    知り合いに、前職が子どもとは全く縁のない職業で、

    子育て経験もない状況から保育園への転職を成功させた人が実はいるんです。
     

    自分は保育園で働きたいのだ、という熱意を伝えられるように、地域の子育て支援団体のボランティア活動に積極的に参加し、子どもと触れ合う経験を積み、保育士試験にも挑戦していました。
     

    その結果、試験に合格する前にその努力を評価され、保育園に正職員で採用が決まったのです。
     

    きちんと熱意をもって努力し、自己アピールポイントを作ることができれば、どのような職歴からも保育園に採用されることは難しくありません。

    ③活躍の場は保育園に留まらない?身の回りにある活躍の場

     

    保育士といえば保育園で働くというイメージが強いですが、活躍の場は保育園だけではありません。
     

    児童福祉施設という言葉はご存知でしょうか?
     

    児童福祉施設とは、児童福祉に関する事業を行う、児童福祉法第7条に定められた施設です。保育園も、保育所として児童福祉施設の中に位置付けられています。
     

    現在児童福祉法に定められている児童福祉施設は、以下の12施設です。
     

    • 助産施設
    • 乳児院
    • 母子生活支援施設
    • 保育所
    • 幼保連携型認定こども園
    • 児童厚生施設
    • 児童養護施設
    • 障害児入所施設
    • 児童発達支援センター
    • 情緒障害児短期治療施設(2017年から児童心理治療施設に改称)
    • 児童自立支援施設
    • 児童家庭支援センター

     

    参考:児童福祉施設(Wikipedia)
     

    上記の児童福祉施設を合わせると、その数は3万か所以上となります。そのうち3分の2以上の施設が保育所です。
     

    数の多さから保育所が保育士の活躍の場としてイメージが強くなっていますが、

    他にもこれだけの種類があり、もちろんどの児童福祉施設にも保育士が配置されています。
     

    保育所や幼保連携認定こども園、児童厚生施設以外の児童福祉施設は、特別な事情を持った子どもやその保護者のための施設であり、保育士は医師や看護師・助産師など他分野のエキスパートとともに仕事を行うことも少なくありません。

    ・街の至る所に保育士の求人がある

     

    子育て世帯向けの保育サービスを展開する施設が今、増えています。
     

    保護者が用事を済ませている間に、保育士が子どもを預かるサービスを取り入れている歯医者や美容室・エステサロンがあるのは知っていますか?
     

    大型の商業施設では、施設内に保育士が常駐する遊び場を作り、

    子どもを預けてゆっくりと買い物ができるようなサービスを設けているところもあるほどです。
     

    時給や月給等待遇含め、日頃からどのような求人があるか目を通しておくと、保育園以外で働く保育士のイメージも掴みやすいかもしれません。

    仕事量が多く苦もあるが、子どもの笑顔ですべてが楽に変わる!

     

    今回は保育士の仕事内容や勤務形態・活躍する場所について大まかにお話ししました。
     

    保育士は全てにおいて良いことばかりというわけにはいかないのが正直なところですが、どのような苦労があっても、子どもの笑顔が全てを吹き飛ばしてくれます。
     

    子どもが少しずつできることを増やしていく、その成長の手助けをすることで、保育士として自分も少しずつともに成長していくことができますよ。
     

    働き方も自分のライフスタイルに合わせて選ぶことができますし、子育ての経験も生かされる仕事です。
     

    「子どもが大好き!」という熱意があれば、

    それだけで保育士への道は開かれていると言っても過言ではありません。
     

    ぜひ社会に役立つ保育士として自分に合った場所を見つけ、活躍してください。