保育士の転職理由は人によって様々あると思いますが、
 

  • 仕事がきつい
  • 給料が安い
  • 人間関係がつらい


 

など職場に嫌なことがあって仕事を辞めようとするときには、今の環境から抜け出すことで頭がいっぱいになりがちです。
 

転職のことはとにかく退職してから進めようと考えていると、

本格的に転職活動をはじめていくとき思わぬ壁にぶち当たることになるかもしれません。
 

どんな理由で辞めるにしても、今よりも自分に合った職場に出会って毎日生き生きと働きたい気持ちは皆さん一緒ですよね。
 

今の職場を退職する前に、転職に失敗しないための心構えについてこの機会に一度考えてみてはどうでしょうか?
 

退職から転職までを少しでも有利に進めたい方のために、今回は保育士の退職理由や転職理由の伝え方・転職活動を成功に導くコツをお話していきます。
 

1.率直に言うのは不利?退職理由と転職理由の上手な伝え方

 

転職活動をしていると、前職をなぜ辞めたのかと必ず聞かれます。
 

配偶者の転勤が決まってしまったというような、誰が聞いても納得できる退職理由ならば言いやすいですが、実際のケースでは言いにくい理由も多いはずです。
 

保育士が仕事を辞める時の理由は、
 

  • 仕事量が多い、残業が多い
  • 給料が低い、上がらない
  • 人間関係が悪い

  •  

    主にこの3つが挙げられます。
     

    私の周りでも上記の理由で退職していく保育士がたくさんいました。
     

    転職活動の面接では、このような言いにくい退職理由をどう伝えるべきなのでしょうか?

    ①後ろ向きの退職理由を前向きな転職理由につなげてみよう

     

    退職と転職はワンセットと考えるのが自然で、退職理由はそのまま転職理由につながります。
     

    転職活動で不利になるのは、「今の職場がとにかく嫌だから早く辞めて、とりあえずマシなところに転職したい」といったような後ろ向きのニュアンスが感じ取れる内容のときです。
     

    先ほど挙げた3つの退職理由を採用担当者に率直に伝えてしまうと印象は良くありません。
     

    前の職場への単なる悪口になってしまう上に、後ろ向きで何事に対しても不平不満が多く、すぐに辞めてしまう人だと思われてしまいますよね。
     

    採用担当者が最も恐れているのは、

    せっかく予算と労力をかけて採用した人材が入社してすぐに辞めてしまうことです。
     

    退職理由を聞くことで、前職を辞めた時のように自社を辞めてしまわないかどうか、仕事に対して前向きに取り組み長く活躍できる人材かどうかを判断しています。
     

    たとえ退職を考えた理由が後ろ向きでも、そこで自分がどう向き直り転職活動をするに至ったのか、転職理由では前向きな姿勢を示すことが大切なのです。
     

    そのままでは言いにくい退職理由を前向きな転職理由に変える具体例をまとめてみました。

    ・仕事量が多い、残業が多いことについて

     

    仕事量の多さを退職理由にするときは次のように伝えると前向きなイメージに変わります。
     

    例文①

    「前の職場では仕事量が多く、ひとりひとりの子どもにしっかりと向き合いながら保育を行うことが困難でした。そのような状況を改善すべく仕事の効率を上げる努力をして参りましたが、人手不足のために限界があり、人員補充もお願いしたものの叶わず、やむを得ず退職しました。」

     

    例文のポイントは、困難な状況を改善するためにできる限りの努力をしてきたのに実を結ばず、やむなく転職に踏み切った経緯が伝わる内容になっていることです。
     

    この退職理由をもとに、これからはひとりひとりの子どもと丁寧に向き合いながら、保育ができる職場で働きたいと考え転職を決意した、という明るい転職理由につなげます。
     

    ・給料が低い、上がらないことについて

     

    給与面での不満は一歩間違えると反感を買うように思われますが、伝え方次第では納得できる理由に変わります。
     

    例文②

    「前の職場では保育士の経験年数や能力などが評価されにくく、きちんとした昇給システムもなかったため、仕事に対するモチベーションを保つことが困難になってしまい退職しました。」

     

    保育士として自分の能力を認められたいとハッキリ言ってしまうことで、今までの職場でそれだけ努力を積み重ねてきた背景を暗に示すのがポイントです。
     

    保育士としての能力がしっかり認められ、評価される職場で働きたいと考えて転職に踏み切った、とつなげることで転職先に対しての貢献度のアピールにもなりますね。
     

    ・人間関係が悪いことについて

     

    保育に携わる職場では人間関係が非常に重視されるので、転職理由としては一番言いにくい部類に入りますが、以下のように工夫すると印象が変わります。
     

    例文③

    「前の職場では、日々の保育に対する考え方の違いから園長や周りの保育士とのすれ違いが避けられず、話し合いの機会を持っても歩み寄ることが難しく、退職しました。」

     

    人間関係の悪さというマイナスな退職理由を、保育に対する考え方の違いという原因に重点を置き直すのがコツです。
     

    それだけ真剣に子どもと向き合う人なのだと前向きな印象を与えます。
     

    子どもたちとの関わりにおいて自分なりの信念や誇りを持っていることを伝えたうえで、保育に対して同じ考えを持った仲間と共に働きたいとつなげ、理念や考え方が会社と一緒であることを示して志望理由にまで発展させるとより効果的ですよ。

    2.後悔しない転職への第一歩!辞める前には必ず自己分析

     

    保育士に限らず、なにかと転職を繰り返してしまう人は少なくないです。
     

    私の周りにも正社員で就職できたのに1~2年で転職を繰り返してしまう人がいます。
     

    若い時には転職を繰り返しても、ある程度怖いものなしで突き進めていけますが、年齢を重ねていくに従って厳しい状況になっていくのは避けられません。
     

    このような人に共通するのは、先の見通しを立てずにただ嫌だからと勢いで仕事を辞めてしまい、次に自分がしたいこともよく分からないままやみくもな転職活動を展開することです。
     

    転職を成功させ、職場を転々とせずに済むためにはどうすればいいのでしょうか?

    ①転職成功者の例から分析する!~私立保育園の園長から公立保育園の保育士になったAさんの場合~

     

    転職を成功させたAさんの例について考察します。
     

    【Aさんのケース】
     

    Aさんは男性保育士です。養成校を出てすぐに私立保育園に勤め、保育士としての経験は6年目です。若いながらも保育主任を務めあげるなど勤勉な勤務態度が評価され、今度新しく作ることになった小さな保育園の園長を任されることになりました。しかし初めてのことばかりで毎日残業ばかり、睡眠も取れない日々が続きます。管理職の名目で残業代も支払われず、園長手当も微々たるものでした。その上利益ばかり重視の経営陣と毎日言い争いが絶えません。幸い保護者や子どもたちとの信頼関係は厚く、保育の仕事自体にはますますやりがいを感じていました。そんなある日過労から倒れてしまい、このままではいけないと思ったAさんは転職を決意します。今の自分の状況を細かく分析し、自分が仕事において重視している点を書き出していく中で、次の職場でも保育士として働きたい自らの気持ちを強く再認識しました。転職活動の計画が定まってから2年後、Aさんは念願の地方公務員試験に合格。今までの職場を辞めて公立保育園に就職しました。

     

    これは実際に私の子どもを預けていた保育園の園長先生のお話です。
     

    仕事量・給料・人間関係といった問題を抱えながらも、転職を決意してから実行まで2年間のあいだ立派に園長を務めていたことになります。
     

    保育士を辞めずに今の問題を全て解決するには公務員になるしかないという結論を出し、日々の試験勉強はもちろん、採用面接時の自己PRポイントとなる園長の仕事にも強い意志で臨んだ結果転職を成功させたことがわかりますね。
     

    きちんとした自己分析を行い、次の職場に何を求めるのか・転職するためにどういった努力が必要なのか見通しをもって行動することが大事なのです。
     

    ②成功者の例から分析する!~保育業界から異業種への転職を成功させたBさんの場合~

     

    次にBさんの転職について考察してみます。
     

    【Bさんのケース】
     

    Bさんはマスコミ系の専門学校を卒業後、保育補助として園児数150名の保育園で働いています。まだ保育士の資格はありませんが将来的にはお金を貯め養成校で資格を取って保育士として働くつもりでいました。保育補助の仕事は雑用が多く、手先が器用な上にパソコンで絵を描くスキルを持っていたBさんは、気が付くと勤務時間の半分以上をイベントのパンフレット作りや書類作り、制作遊びの準備や壁面の飾り付けに費やしていました。そのうちに子どもと向き合うよりも、そういった作業の方が自分には向いているということに気付き転職を決意します。まずパソコンスキルの更なる向上のためコツコツ勉強を重ね、履歴書や職務経歴書で自己PRできるさまざまな資格を一年以上かけて取得しました。その後思い切って仕事を辞め転職サイトに登録。資格が生かせる仕事を探し転職活動を行ったところすぐに近くのパソコン教室の講師として正社員採用が決まりました。

     

    これも実際にあった私の親戚が転職した時のお話しです。
     

    保育士になるために保育園に就職したはずが、働くうちに違う仕事への興味関心が湧き転職することを決意しています。
     

    保育士資格を有しながら保育士として就職を希望しない求職者に対する意識調査(厚生労働省職業安定局資料)によると、保育士としての就業を希望しない理由に挙げられたのは他職種への興味が43.1%で第2位という結果になっていました。
     

    一度は保育士になったものの、他職種への興味が出て転職する人も多いということですね。
     

    転職先の業種へどう自分がアプローチしていくかが大きな課題となってきますが、一番手っ取り早い方法はBさんのようにその職種で役立つ資格を揃えることです。
     

    まずは自分が次に挑戦したい職種についてどのような資格を取ると有利なのかを調べてみてください。

    ・失業保険には期待しすぎない

     

    転職を決意した時点ですぐに仕事を辞め、失業保険をもらいながら転職活動を行えば良いのではないかと思った方もいるかもしれません。
     

    実は失業保険をもらえる期間は雇用保険に入っていた期間で決まり、自己都合で退職した場合には失業保険がもらえるのは3か月後からになります。
     

    もらえるだけありがたいと言えばそうですが、保育士の給料から勘案すると大した金額にはならないのが現実なのです。
     

    受給期間中はハローワークに通いながら就職活動をしなければならず、金銭面の不安も重なり、とにかく早く就職しなければという変な焦りが出てしまいますので、辞めてから考えるスタンスはおすすめできません。

    ・転職のPDCAサイクルに乗ろう

     

    皆さんはPDCAサイクルという言葉をご存知ですか?
     

    PDCAサイクルとは次の4つの英単語の頭文字を繋げたものです。
     

  • Plan=計画
  • Do=実行
  • Check=評価
  • Action=改善

  •  

    主にビジネスにおいてよく使われる言葉ですが、実は転職活動にもこれは当てはまっています。
     

    試しにBさんの成功例を当てはめてみてみるとこのようになります。
     

    1. まず今の自分の状況を確認し、転職までに何をすべきかの計画を綿密に立てる。(Plan)
    2. 自己PRの際に必要と考えられるスキル取得のため資格を取るなど具体的に動く。(Do)
    3. 計画通りに資格を取得できたかなど自己評価を行う。(Check)
    4. 修正や改善を行う。(Action)
    5. 改善を行った上で次の計画を打ち出す。(Plan)
    6. 仕事を退職して転職サイトに登録する。(Do)
    7. 採用面接を受けて他者の評価を得て採用が決まる。(Check)
    8. 採用が決まった会社で働く上での自己改善点があれば、改善する。(Action)

     

    もちろんBさんのように一度でうまくいかないこともありますが、その都度改善→計画→実行とループし最終的に転職成功へと結び付けていく気持ちを持つことが大切です。
     

    無計画な転職活動にならないように、この流れを頭に入れておくといいかもしれません。
     

    自分を肯定して前向きな転職活動につなげていこう

     

    今の仕事を辞めて新しい職場に飛び込むのは、とても勇気のいることです。
     

    皆さんの中には激務で疲れ果て人間関係で自信を喪失し、「私なんかが転職して、うまくいくのかな……」と意気消沈している方もいるかと思いますが、これまで頑張ってきた自分を認めて一度前を向いてみてはどうでしょうか?
     

    見渡してみると世の中にはたくさんの職場があります。
     

    きちんと現状を把握しゆっくりでも前に進んでいくことで、

    理想の職場に出会えると信じて踏み出していく姿勢が重要と言っても過言ではありません。
     

    嫌だから仕方なく辞めるのではなく、なりたい自分になれる職場があるから次へ、という実りある転職活動にしていきたいですね。