保育士はとても辞めにくい仕事です。
 

もう辞めたいと思っていても、常に人手不足でなかなか辞めると言い出せなかったり、年度途中で辞めづらかったりと、辞められない理由がありすぎて身動きがとれなくなってしまうことも珍しくありません。
 

「辞めたいけど、自分さえ我慢できればすべて丸く収まるから……」と本当は今すぐにでも仕事を辞めたいのに、周りに迷惑をかけてしまうのが気がかりで無理をしている人はいませんか?
 

そんな気持ちの面さえ取りのぞいてしまえば、退職の自由は法律で認められた正当な権利なので、きちんとした手順を踏んで仕事を辞めていいのです。
 

今回は保育士を辞めたいけど辞められない人が、少しでも気を楽にして前に進めるようになるためのお話しをしていきます。
 

1.辞めたいけど辞められない!原因は責任感の強さにあった

 

保育士を辞められない理由は何だと思いますか?
 

辞めたいと思う理由には、
 

  • 仕事内容
  • 仕事量
  • 給料の低さ
  • 人間関係の悪さなどに対するストレス
  • 結婚や家庭の事情といった個人的なこと
  •  

    などが挙げられます。
     

    一方で辞められない理由として多いのは、
     

  • 人手不足で言い出せない
  • 辞めると伝えたが引き止められてしまった
  • 年度の途中である
  • クラス担任である
  • 保育士一年目の新人で言い出せない
  •  

    このようなところです。
     

    実はこれらの辞められない理由は、自分が辞めたら周りに迷惑がかかるという気持ち=責任感の強さにつながっています。
     

    そもそも保育士は、子どもや保護者のために尽くしてよりよい保育を提供する仕事なので、自分自身のことは常に後回しになりがちですよね。
     

    子どもが泣いていたり人手が不足して困っている気配を感じたりすると、

    途中であったとしても休憩を終わらせて仕事に戻るような人も少なくありません。
     

    強い責任感のあまり周りの気持ちを優先した結果、仕事を辞めたいと考えていても自分の気持ちを押し殺して頑張ってしまうのです。

    ①誰にも迷惑をかけずに仕事を辞めることは不可能

     

    立つ鳥跡を濁さずという言葉がありますが、残念ながら仕事を辞める時に周囲にいっさい迷惑をかけずに辞められる人はいないのが現状です。
     

    特に保育士業界は人手不足の状態が年中なので、辞められるとみんな困ってしまいます。
     

    自分が辞めることで残される人たちに負担がかかるのはどうしても免れないですが、それはもう仕方のないことだと割り切る気持ちがないと、いつまで経っても辞められなくなってしまうのは想像がつきますよね。
     

    もし仕事を辞めたいと伝えたときに「あなたがいないと残された皆が困る、お願いだから辞めないで。」と言われたら、皆さんならどうしますか?
     

    私も学生時代はアルバイト先でこのような引き止めにあい、無理して仕事を続けたものです。
     

    絶対に辞めるという強い意志を持って立ち向かわなければ、断りきれずにズルズル続けてしまうことになりかねません。

    ・辞めると決めて踏み出したら後戻りはしない

     

    私の経験上、あの人は引き止めると辞めないで残ってくれる、と思われると将来的に何度も同じやりとりを繰り返すことになります。
     

    限界がきて辞める時でさえ「あの時は辞めないでいてくれたじゃないの!なんで今辞めるの?」と周りから責められ、報われない結果になってしまうのです。
     

    そんな悲しいことにならないためにも、

    一度辞める方向に動き出したら後戻りはしないということを肝に銘じておきたいですね。

    ②責任感の強さで我慢しない!年度の途中やクラス担任でもやむを得ないときがある

     

    保育士の仕事は年度の途中で辞めてはいけない雰囲気があります。
     

    担任を持っていたら「年度が終わるまで責任を持って成し遂げなければ保育士失格」と公言する先輩保育士もいるくらいです。
     

    私の勤める保育園でも、担任を持っていながら年度の途中で妊娠して退職した方がいましたが、そのようなやむを得ない理由でさえも非難され、心無い言葉が飛び交うことがありました。
     

    年度の途中で担任が変わると、保護者の信用を失うことに繋がる・保育園の評判が落ちるといった恐れから園の側も神経質になってしまうのです。
     

    ・心身を壊す前に辞めよう

     

    年度途中でクラス担任だから、周りに迷惑をかけないようにと無理をしていませんか?
     

    仕事を辞めたい気持ちを我慢し続けてしまうと身体症状にあらわれることもあります。
     

    具体的には、
     

  • 朝起きることができない
  • 仕事に行くのが憂鬱で吐いてしまう

  •  

    など身体に不調をきたすほどの負担を感じた場合はできるだけ早く辞めないと後が大変です。
     

    将来的に保育士を続けたいと思っていても、追いつめられてしまっては本末転倒ですよね。
     

    私の周りにも、責任感が強すぎて仕事を抱え込んだ結果うつ病になり、長期の休養が必要になった友人がいました。
     

    仕事を最優先にして今も懸命に頑張り続けている保育士さんも、他人のために大切な心と身体を壊してしまう前に、自分自身のために仕事を辞めることを選んでくださいね。

    2.辞めると決めたらどう動く?できるだけ円満な辞め方をしたい

     

    私の職場では、保育士一年目の新人がわずか半年で「保育士は給料が低いし、私には向いていないから転職します」と言い残して辞めていったことがありました。
     

    辞めるという意志表示にしても、突然園長に送りつけたメールのみで済ませたことから、職場では非常識な人の例として今でも語り継がれています。
     

    就職して一年もしないのに向いていないというひと言で保育士を辞めてしまうのは本当にもったいないですし、社会人としてこの辞め方はとても残念でなりません。
     

    辞めるのを躊躇してしまうくらい責任感の強い保育士ならば、

    できるだけきちんとした手順を踏んで円満に退職したい気持ちがあると思います。

    ①退職を伝える時期

     

    実は民法上では、「退職の申し出から2週間を過ぎればいつでも辞めていい」とされていますが、会社の就業規則に規定があればそれに従うのがルールですので、まずは就業規則を確認してみることが第一です。
     

    一般的には引き継ぎの面なども考え、遅くとも2か月前~1か月半前には退職を申し出ておくことになっていますが、この時に迷惑をかけないようにと、それよりも早いタイミングで申し出ないことが重要と言っても過言ではありません。
     

    保育士の職場は良くも悪くもうわさ話が広がりやすいため、辞める理由によっては人間関係が悪化し、辞めるまでの期間がとても辛い日々になることもあります。
     

    実際に私の職場でも、年度途中で妊娠した保育士がいち早く主任保育士に報告したところ
     

  • わざと仕事を増やす
  • 業務上必要な情報を伝えない

  •  

    などの嫌がらせを受けていました。
     

    このようなことはあってはならないのですが、なくならないのもまた事実なのです。
     

    ②退職を伝える相手

     

    先ほどの新人保育士のケースのように、主任保育士といった直属の上司を飛び越して先に園長に退職を申し出るのはマナー違反です。
     

    職場を辞めることを同僚に話してしまうのも危険で、信頼していた相談相手がもしも周囲に言いふらしていたとなると、ショックの大きさもさることながら、例に挙げたような嫌がらせを受ける心配もあります。
     

    職場を辞めるか辞めないか悩んでいる段階でも、職場の人への相談は避けたほうがいいということも覚えておいてくださいね。
     

    主任保育士にじっくりと相談できる機会を作り、まずは口頭で退職を申し出て、具体的な退職日の調節や園長に退職の意志を伝えるタイミングなどを決めていくのがポイントです。

    ③退職願を出す

     

    主任保育士に退職の意志表明を済ませ、了承を得たら退職日を決めて準備完了です。
     

    退職日が決まり次第その日付をいれた退職願を作成して、遅くとも退職日の2週間前までに提出します。
     

    退職願の提出は必要ないという会社もありますが、

    万が一のトラブルを避けるために書面に残しておくと安心ですよ。
     

    この時に強い引き止めにあって辞められない状況になり、どうしても明確に退職の意志を伝えたいときには「退職届」と書いて出します。
     

    皆さんは退職願・退職届と辞表の違いを知っていますか?
     

    それぞれ以下のように定義されています。
     

    退職願 退職希望者が雇用者に対して労働契約の解消をお願いするもの
    退職届 退職の事実を一方的に通告するもの。出したら撤回不可能
    辞表 委任契約の重役クラスまたは公務員が提出するもの

     

    形式に沿った退職願をきちんと書いて提出するのが円満退職のポイントです。
     

    あとは引き継ぎをしっかりと行い、最終日に職場の全員に挨拶をして晴れて退職となります。
     

    自分を守るために行動する勇気を持とう

     

    保育士を辞めたくても辞められない人は、責任感の強い頑張り屋さんが多いです。
     

    私さえ我慢すればという自己犠牲の気持ちを一度取り払い、仕事を辞めたいという純粋な気持ちに目を向けてみてください。
     

    自分の気持ちを全て理解してあげられるのは、自分自身しかいません。
     

    自分の心や身体がストレスで壊れてしまう前に自分を守るための行動をとってほしいです。
     

    もちろんすぐに辞めるという決断ができなくても、ストレスを和らげる時間を作るといった試みや、辞めたいと思う原因を取りのぞく努力をするのも選択肢の一つですよ。
     

    周りのために頑張る気持ちは尊いものですが、自分を守るために行動する勇気も時には必要なのではないでしょうか?