病棟での仕事はストレスを感じやすく、日々の業務で心身ともに疲れ切ってしまう方も少なくないでしょう。不規則勤務であるため、プライベートな時間を楽しむこともなかなかできず仕事に対する不満も溜まってきますよね。
 

そんなとき、
 

「看護師以外の仕事に就きたい!」
 

と考える方もいると思います。
 

でもせっかく苦労して看護師になったのに、その資格を活かさず他の仕事をするのは何だかもったいない気がしますよね。
 

このようにお考えの方は、まずは保健師の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?
 

地域で生活するすべての人の健康管理や感染症の予防が保健師の役割であり、幅広い知識や技術が求められる非常にやりがいのある仕事です。
 

ここでは保健師として充実感のある仕事ができるように、求人選びのポイントについてお話ししていきます。
 

1.保健師になるには?

 

保健師になるための必須条件はいくつかあり、それを満たさないと資格取得はできないのです。
 

保健師への道のりや保健師の仕事について説明していくので、これから保健師になろうとしている方はお役立てください。

①保健師ってなに?

 

看護師が病気やケガの患者さんへケアを施すのに対し、保健師は地域で暮らす人々の健康を守るという役割があります。
 

病気を予防し心身ともに健やかな状態で、その人らしい生活を送り続けられるようにサポートすることが求められているのです。
 

仕事の内容には、
 

  • 病気の早期発見・早期予防のための健康診断
  • 生活習慣病予防のための健康教育・健康相談
  • 小さなお子さんの健康を守るための予防接種
  • 子どものいるお母さんが安心して子育てできるようなサポート
  •  

    などが挙げられます。
     

    仕事内容を見ても分かるとおり、保健師が仕事の対象とする相手は地域で暮らす人全員です。
     

    自分らしい毎日を住民の方々が送れるように、保健師として一人一人の個別性に合った関わり方をしてください。

    ②保健師資格取得について

     

    保健師の資格取得には看護師の資格が必須であり、さらに保健師国家試験に合格しなければならないのです。
     

    国家試験の受験資格は、
     

    文部科学大臣の指定した学校で1年以上のカリキュラムを終えていること
    厚生労働大臣の指定した保健師養成所を卒業していること

    引用元: 保健師国家資格の施行

    とあるように、指定の学校や養成所に一定期間通う必要があります。
     

    最近では看護師と保健師のどちらも取得できる四年制大学があるため、これから看護師を目指す方はこのようなルートを選択してみるのも良いですね。
     

    看護師の資格を持ってる方は、大学以外にも養成機関の指定している専門学校に通うという方法もあります。

    ・保健師になるための専門学校とは?

     

    大学の場合学内選抜を行うところがあるので、入学すれば必ず保健師になれるわけではないのです。
     

    学校に入学すれば必ず保健師になれると思うかもしれませんが、大学の場合学内選抜に受からなければカリキュラムを受けることすらできな一定以上の学力を求められます。
     

    一方で養成機関に指定されている専門学校に入学すれば、全員保健師のカリキュラムを受けられるため安心と言えますね。
     

    専門学校の受験科目には、
     

  • 適正診断
  • 面接
  • 作文
  •  

    上記が挙げられますが試験内容や傾向は学校によって異なるので、事前の情報収集が必須です。
     

    専門学校に1年以上通い、課せられたカリキュラムをこなすことでようやく国家試験を受けられます。
     

    最短で資格取得することは保健師のキャリア形成には重要であり、学校に入学するにはしっかり対策を立てて臨む必要があるのです。下記に保健師の資格を取れる学校一覧のサイトを載せておくので、自分の条件に合った学校探しのためにご活用ください。
     

    参考:全国保健師教育機関協議会

    ・国家試験の難易度について

     

    様々な条件を満たした上でようやく保健師国家試験を受験できますが、その難易度はどのくらいのものなのでしょうか?
     

    保健師国家試験の合格率は80〜90%であり、しっかりと勉強していれば合格は難しくない試験です。
     

    ちなみに第102回の試験の合格率は89.2%であり、新卒者だけでみてみるとその値は92.6%にまで上昇しています。
     

    参考:第102回保健師国家試験、第99回助産師国家試験及び第105回看護師国家試験の合格発表について
     

    新卒で合格できないとモチベーションも下がり、試験への十分な対策を取れないケースもあるため、保健師として学校を卒業できるように準備しておくことが大事です。

    ③働きながらでも保健師は目指せる?

     

    看護師から保健師になるには、最低でも1年間養成所に通う必要があります。学校はほとんどが全日制であり、働きながら保健師を目指すことは難しい場合が多いです。
     

    夜間課程のある学校もありますが、日勤を終えてからすぐに授業や実習という毎日では疲労が溜まり、勉強や仕事のどちらも中途半端になってしまう可能性が考えられます。
     

    1日も早く保健師になるためには、仕事を辞めるという決断も重要ではないでしょうか?
     

    生活費に不安のある方は訪問看護などのアルバイトをしながら、資格取得を目指すという方法を検討してみるのも良いですね。

    2.保健師はどんな分野で活躍できる?

     

    保健師が働いているところといえば行政の場をイメージする人も多いと思いますが、活躍のフィールドはそれだけではないのです。
     

    地域で暮らす方の健康を守るために、保健師がどのような場所で働いているのかを説明していきます。自分がどのような分野で働きたいのか考えてみてください。

    ①公務員の保健師

     

    保健師の就職先のほとんどは公務員であり、夜勤がなく安定した環境で働けるので人気が高いです。病院での不規則な勤務体制や緊張感のある仕事にストレスを感じている方にとっては魅力的な職場だと言えますね。
     

    ワークライフバランスが取れるような環境で働けば、心も体もゆとりを持って仕事に取り組めるため、地域住民のより良い生活を実現することができるのです。
     

    このように保健師の仕事は良いことだらけな気がしますが、
     

    「夜勤がないから、病棟よりも給料は安くなるんじゃ……。」
     

    と心配される方も中にはいると思います。
     

    平均年収.jpによると保健師の平均年収は528万円となっており、看護師の平均年収とほぼ変わらない結果となっているのです。
     

    夜勤がないのに給与が今までと変わらないため、安心して転職活動をしてみてはいかがでしょうか?

    ・赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年齢が対象

     

    保健師の仕事内容は、地域住民の健康を守ることです。赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年齢の人々を対象とするので、一人一人のニーズに応えるような柔軟性と確かな知識や技術が求められています。
     

    また保健師だけではなく他職種の人や地域の人とも連携することで、人々の安心安全な生活を守っているのです。
     

    地域の人たちが毎日元気に暮らせるのも、行政保健師のこうした働きのおかげだと言えますね。

    ・受験には年齢制限がある場合も

     

    公務員の保健師は非常にやりがいに満ちた仕事なため、みなさんも行政保健師になり、充実感のある日々を送りたいという気持ちが強くなってきたのではないでしょうか?
     

    しかし行政保健師を目指すにあたり、1つ注意しなければいけない問題があります。
     

    それは、公務員試験には年齢制限が設けられているということです。
     

    自治体によってその年齢は異なりますが、市町村の募集要項を確認すると20代後半〜30歳くらいまでが受験資格であるところが多くあります。
     

    「まずは一人前の看護師になってから、保健師を目指そう!」
     

    と考えている方は、年齢制限を意識し行動する必要があるのです。
     

    せっかく保健師になったのに就職先が見つからないなんていうことにならないように、十分に注意してください。

    ②産業保健師

     

    産業保健師とは民間の企業で働く保健師であり、そこに所属する社員の健康管理を行うのが主な業務です。
     

    具体的には、
     

  • 定期健康診断の実施
  • 特定保健指導
  • メンタルヘルスのケア
  • 健康相談・健康教育
  •  

    などを行います。
     

    会社では様々な人が働いているため、これらの業務を実施してもうまく受け入れられてもらえない場合もあるでしょう。
     

    ですが、社員が精神的にも肉体的にも健やかな状態で働けるようにサポートすることが保健師の役割だと言えるので、一度や二度断られたからといって諦めず、根気強く関わっていく姿勢が重要なのです。

    ・残業対策や職場の環境改善も

     

    社員に対して働きかけるだけでなく会社に対して行動を起こすことも保健師の大事な役割です。
     

    たとえば、
     

  • 過重労働対策
  • 職場巡視
  •  

    が挙げられます。
     

    労働時間80時間/月を超える場合、社員の健康を損なうリスクが高くなるため、産業保健師が介入し労働環境を改善することが重要なのです。
     

    また職場環境を定期的に巡回し、職場内に存在する危険や事故を引き起こす原因を取り除く働きかけを会社にしています。
     

    このように従業員だけでなく会社全体をサポートしていくことで、職場で働く人たちの健康を守っているのですね。
     

    ・求人はたくさんある?

     

    産業保健師は夜勤がないことや給料が良いことから、一度就職すると長く働き続ける人が多いです。その上一企業に1人程度しか産業保健師は配置されないため、なかなかポストに空きが出ず求人がたくさんあるとは言い難い現状があります。
     

    このような理由から、求人が出ても応募が殺到しすぐに採用が決まってしまうので、産業保健師になりたい方は、定期的に求人サイトを確認したり転職エージェントを利用したりすることが大切です。
     

    産業保健師は求人を出さずに知り合いのツテをたどり決まることもあるため、外部に求人が出回らないケースが多々あります。
     

    求人のチャンスを逃さないように保健師学校の先生や同期とも連絡を取り合い、仕事を紹介してもらうのも1つの手です。
     

    良い就職先に出会うことために、色々な方法でアプローチしてみてください。

    ③病院やクリニック

     

    病院やクリニックにも保健師の活躍の場はあります。
     

    病院で働く保健師の主な仕事は、
     

  • 健康指導・健康相談
  • 健康教育
  • 小児科での予防注射に関するアドバイス
  • 精神科での生活指導
  • 感染防止のための第一次予防
  •  

    といった内容です。
     

    診療科の垣根を超えて他職種と連携し、患者さんの病気を未然に防いだり悪化させたりしないことが病院保健師に求められている役目と言えますね。
     

    看護師ではカバーしきれないような自宅での生活を支援することで、退院後の患者さんの健康を守っているのです。

    ・看護師業務も任される?

     

    勤務先によっては看護業務をこなすことや夜勤業務を任されることもあるため、注意が必要です。
     

    「苦労して保健師になったのに、結局看護師の頃と仕事がぜんぜん変わらない……。」
     

    というケースも少なくありません。
     

    事前に求人先の条件をよく確認しておき、自分に合った勤務先を見つけてください。

    3.保健師の仕事に対するイメージの実際

     

    保健師の仕事は人々の健康を守ることだと理解できたかと思いますが、もっと具体的に保健師について知りたい方もいるのではないでしょうか?
     

    ここでは保健師の仕事の魅力やつらいこと、そしてどんな人が保健師に向いているのかを説明していきます。
     

    ①保健師の仕事の魅力とは?

     

    保健師の活躍のフィールドごとにその仕事内容を見ていくと、
     

  • 行政保健師:母子保健や感染症予防、難病患者さんや精神疾患の方の生活援助など
  • 産業保健師:従業員の健康管理や職場環境改善
  • 病院保健師:病院の全科の患者さんの健康管理・健康指導
  •  

    上記が挙げられます。
     

    このように保健師の仕事は多岐にわたり、多くの知識や技術が求められている非常にやりがいのある仕事だと言えるのです。
     

    患者さんや地域住民の方々は一人一人生活している環境や人生に対する希望が異なります。
     

    そのため保健師は対象のニーズに合ったケアを考え、提供していくことが大切なのです。
     

    みなさんも地域の暮らしに溶け込み、住民が望む支援を行える保健師を目指してくださいね。

    ・地域で暮らす人たちの健康管理

     

    保健師は病気の予防や悪化を防ぐことを目的として、健康教室や健康相談を定期的に実施しています。
     

    すぐに効果は現れませんが地道に仕事を続けていくことで、地域全体の受診率や感染率の低下という結果につながるのです。
     

    個人だけでなく集団に働きかけ地域や会社全体を元気にしていく保健師の仕事は、大きなやりがいを感じる魅力にあふれた仕事だと言えます。

    ・夜勤がないから体への負担も少ない

     

    業務内容だけでなく、勤務体制も保健師の魅力の1つだと言えるでしょう。
     

    病院保健師の一部を除き保健師には基本的に夜勤はないため、規則正しい生活スタイルを送ることができプライベートを充実したものにできるのです。
     

    病棟の不規則な勤務に疲れた方は、保健師になることを考えてみるのも良いですね。

    ②保健師の仕事のつらいこととは?

     

    保健師にはやりがいと充実感がいっぱいありますが、仕事をしていく上でつらいと感じる場面もあります。
     

    たとえば行政保健師は公務員であるため、保健業務以外の雑用を任されることがあるのです。
     

    選挙のお手伝いや土日の窓口対応、健診のお知らせの発送など、
     

    「これって保健師の仕事なの?」
     

    と思うような仕事もする必要があります。
     

    住民の人にとっては公務員であることに変わりないので、一般的な行政に関する質問をされるケースもあります。自分の担当外の仕事にも対応しなければならず、人によってはつらいと感じる場合があるのです。
     

    保健師の仕事に対する理想と現実のギャップがないように、求人先の業務内容をよく確認し自分に合った職場を見つけてください。

    ・うるさい・うざいと思われる場合も

     

    保健師の仕事は人々の健康管理が主な役割であり、病気のリスクがある人に対して支援を行っていきます。中には保健師の介入を望んでいない人もいるため、嫌な顔をされる場合も少なくないのです。
     

    ネガティヴな反応を相手からぶつけられ続けると、ストレスを溜め込んでしまい自分の健康を害するおそれもあります。
     

    人間相手の仕事である以上ストレスを避けるのは難しいですが、自分だけで対応できない場合は上司や同僚に相談し一緒に解決していくことも大切です。
     

    ③保健師に向いている人とは?

     

    保健師の仕事は魅力的である反面つらいことも多くあるため、自分に保健師が務まるのか不安に感じた方もいると思います。
     

    みなさんが自分に合った仕事に就けるように、保健師に向いている人はどのような人なのかお話ししていくので参考にしてください。

    ・人と接するのが好きな人

     

    保健師の対象は地域で生活する人全てであることから、たくさんの人に接する機会が多くあります。
     

    たとえば、
     

  • 健康教室や健康相談会
  • 特定保健指導の面談
  • 難病や精神疾患の方への家庭訪問
  • 新生児訪問
  •  

    上記のような仕事が毎日あるので、人と接するのが好きな人でなければ続けていくことは難しい仕事かもしれません。
     

    さらに保健師が対象と関わる時間は限られたものしかなく、その短い時間の中で相手の心を開かせるようなコミュニケーション能力が保健師には大事なのです。
     

    人と接するのが好きな人、コミュニケーション能力に自信がある人には保健師は向いている仕事だと言えますね。

    ・自分の判断で仕事ができる人

     

    保健師は地域が抱えている問題に介入するために、健康教育や講演会などの企画を立ち上げる役割があります。全てを一から手配し準備していくことから、臨機応変に対応できるスキルが重要なのです。
     

    一般企業に勤めていれば備わりますが、病棟で働いているとなかなか身につかない能力だと思います。
     

    上からの指示を待つだけではなく自分で考え仕事をこなしていく力が、地域住民の健康を守るためには大切なのですね。

    保健師としてやりがいのある仕事をしていこう!

     

    保健師は地域で暮らす人々の健康を守る役割があり、様々な職場で活躍していることがわかりました。
     

    保健師は看護師とは求められている業務が異なるため、仕事をしていくと戸惑う場面もあるでしょう。しかし病棟で培ってきた技術や知識を活かし保健師の経験を積んでいくことで、地域住民にとってなくてはならない存在になれるのです。
     

    あなたも1人でも多くの人が健康にその人らしい生活を送り続けられるように、保健師として働いてみてはいかがでしょうか?