病気やケガで苦しむ人の支えになれることから、看護師さんは大変やりがいのある仕事です。
 

なりたいと思う人も多く、憧れの職業に感じている人もいると思いますが、実は離職率が高い職業でもあるのは知っていたでしょうか?
 

収入も良いし他の職業ではできないような仕事ができるのに、辞めてしまう人が多いなんてちょっと意外かもしれません。
 

働いた人でないとわからないような大変さや辛さがあると思いますけれど、せっかく看護師になれたのだから同じ職場で長く働き続けたいところですよね。
 

ここではみなさんが看護師の仕事を続けていける職場に巡りあえるように、看護師の離職率の高さの原因や職場選びのポイントについてお話ししていきます。
 

1.看護師の離職率について

 

看護師は仕事を辞めていく人が多いのですが、実際の離職率がどれくらいなのか調べてみました。

①離職率ってなに?

 

離職率とは1年間の退職者の割合のことで、私も就職活動中に参加した病院説明会のときに、病院の採用担当者へ病院の離職率がどのくらいか聞いたものです。
 

いくら病院説明会や見学会に参加してもその病院の実情はわからないので、私は離職率の高さでどんな病院かを判断していました。
 

なんだかんだ言って離職率が高いと「こんなに辞めていく人が多いなんて、この病院何かあるのかも……。」と疑心暗鬼になってしまう人も多いと思います。
 

しかし実際に働いてみると、想像よりもずっと働きやすい環境だったというケースもめずらしくないため、離職率はあくまでも目安の一つ程度にとどめておくのが良いのかもしれません。
 

②常勤看護師の離職率とは?

 

日本看護協会によると、2015年度の常勤看護師の離職率は10.9%です。
 

一般企業の離職率は厚生労働省の雇用動向調査結果によると、15.0%となっており、意外にも一般企業よりも離職率は高くありません。
 

近年看護師不足が深刻化しているので、病院側も職員の引き止め対策に力を入れているのがわかりますね。
 

特に夜勤や残業が多い病院ほど離職が高いという結果も出ているため、就職活動の際に離職率は非常に重要な判断材料なってきます。

・新人看護師の離職率はどのくらい?

 

最低3年は同じ職場で働かないと一人前の看護師になれないと言われていますが、1年目で辞めていく看護師さんはどのくらいいるのでしょうか?
 

2015年度の新卒看護職員離職率は7.8%であり、前年度と比べてもほぼ横ばいの結果です。
 

私が以前勤めていた職場では毎年30人ほど新人看護師が入職してきたものの、1年後には2〜3人は必ず辞めていました。
 

調査と同じ程度の離職率だというのが分かると思いますが、1年目の仕事を乗り切れるかどうかでその後も同じ職場でやっていけるかが決まります
 

人間関係や仕事の大変さなど問題は山積みなので、新人看護師さんは悩んだり困ったりしたらすぐに先輩や同僚に相談するのが大切です。
 

参考:日本看護協会 2016年 病院看護師実態調査

③地域によっても離職率に差がある

 

日本看護協会の平成23年度の調査によると、常勤看護師の離職率が高いのは大阪府、その次に東京都・神奈川、逆に離職率が低い県は島根県・その次に岩手県・富山県と続きます。
 

やはり大都市は仕事がたくさんあったり就職先の選択肢が多かったりするため、1つの職場にこだわる必要はありません。
 

仕事を続けていけるような職場で働きたい人は、自分の地域の離職率がどのようになっているのかを調べた上で就職活動を始めてくださいね。
 

2.離職率が高い原因とは?

 

看護師の離職率が高い原因は何か気になる人は多いと思います。
 

①慢性的な人手不足による業務量増加

 

看護師の離職率が高い原因の一つに、慢性的な人手不足が挙げられます。
 

1人でも看護師が抜けると仕事が回らなくなるほどきつい職場もあるので、慢性的な人手不足の職場ともなると一人一人の業務負担はかなりのものです。
 

ただでさえ忙しい職場なのに、スタッフが足りないと残業が当たり前となってしまうため、仕事の大変さに音を上げてしまう人が後をたちません
 

私の働いていた職場もギリギリの人数で仕事を回していたので、1人でもお休みが出ると残業しないと仕事が終わりませんでした。
 

業務時間を超えての仕事が常態化してしまうと心も体も疲れきってしまいますよね。
 

職場選びの際は、残業の頻度が多くないかや十分な人数が配置されているのかを確認し、自分の健康を守るためにも業務負担が少ないところを選んでください。
 

②結婚や出産を機に現場から離れる人が多い

 

看護師は女性の多い職業であり、20〜30代の若い世代も大勢働いています。
 

20〜30代というと働き盛りの年代であり、結婚や出産というライフステージの変化を迎えやすい時期でもあるので、これらのタイミングをきっかけに仕事を辞めていく人も少なくありません。
 

私が以前働いていた職場でも「結婚したら仕事を辞めて、クリニックでパートする!」と言っていた人がたくさんいました。
 

結婚後も働きたいと思える職場で働ければ別ですけれど、なかなかそんなに良い職場はないですから仕方のないことかもしれませんね。
 

もちろん中には結婚後も同じ職場で働き続けたいという方もいると思いますので、このような人は求人先の子育て支援制度や看護師の勤続年数などを調べ、結婚後も働きやすい環境かどうかを調べておくのがポイントです。
 

・女性特有の人間関係の難しさも原因の1つ

 

たいていの職場では和気藹々とした和やかなムードで仕事をしていますが、看護師の職場は女性が多いことから、中には新人看護師に厳しい人や陰口が好きな人もいます。
 

ただでさえ命を扱う責任の重い仕事なのに、一緒に働くのが嫌な人がいる職場では辞めたくなっても無理はありません。
 

私が以前勤めていた職場には気に入らないことがあると攻撃的になる看護師がおり、一緒の勤務になると緊張しうまく仕事ができませんでした。
 

女性は男性よりも感情に左右されやすいところがあるため人間関係が複雑になりがちですが、社会人として働いている以上大人な態度で仕事をしていきたいですよね。
 

みなさんも自分が職場の人間関係を乱す存在にならないように、仕事と感情は切り離してプロフェショナルな仕事をしていってください。

③キャリアアップのために転職する人もいる

 

「今よりもさらに高度で専門的な知識を手に入れたい!」というやる気にあふれた看護師さんもいるのではないでしょうか?
 

役職についたり専門の資格を取得したりすることでスキルアップやキャリアアップを果たせますが、中には転職し新たなフィールドにチャレンジすることで自分の可能性を試そうとする人も少なくありません。
 

やりたい分野に特化した病院や資格取得に力を入れている病院に転職すれば、看護師としてのステップアップが簡単にに実現できるので、現在の職場を辞めるという選択をする人も多いです。
 

看護師の離職理由の中には、このようなポジティブなものもあるなんてちょっと嬉しいですね。
 

3.離職率の低い職場で働きたい!

 

同じ職場で働き続けたいという希望がある人は、離職率の低い職場を選択するのも大切です。
 

①常に求人を出している職場は避けた方が良いかも?

 

求人サイトを検索すると、高収入・高待遇なのに常に募集を出しているところを見かけることがあるかと思います。
 

大きな病院ならば年中求人を出していてもめずらしくないですが、クリニックや小規模の病院で繰り返し求人が出ているときは注意が必要かもしれません。
 

人間関係や仕事が大変なところも中にはあるので、条件の良さに惹かれ応募してしまうと就職後に後悔することも多いです。
 

転職先は焦って決めず、求人情報は長期で慎重にチェックするのをおすすめします。
 

②クリニックは意外と離職率が高いので要注意!

 

総合病院や大学病院である程度経験を積むと、クリニックへ移りたいという希望を持つようになる方も多いです。
 

クリニックは入院設備がなく、夜勤や残業も少ないので離職率が少ないイメージがあるのではないでしょうか?
 

病床数が99床以下の場合の常勤看護師の離職率は12.3%、500床以上のところは10.2%となっており、病院の規模が小さくなればなるほど離職率が高くなる傾向にあるのが日本看護協会の調査からわかります。
 

仕事が忙しい大病院の方が辞めていく人が多い印象があったかもしれませんが、実際は逆の結果でした。
 

大病院の方が研修制度や福利厚生が整っており、クリニックよりも仕事を続けていきやすい環境にあることが大きいです。
 

また大病院ならどこでも退職金が出ますが、退職金制度のないところがほとんどなため、長く働き続ける旨味がありません。
 

クリニックはママさん看護師やプライペートな時間を大切にしたい方にぴったりの職場です。
 

③転職エージェントから情報を引き出すのも一つの手

 

離職率の低い職場に転職しようと思って求人サイトを検索しても、求人サイトに離職率が掲載されているところはほとんどないことから、自分1人の力で調べるのは少し難しいかもしれません。
 

こんなとき頼りになるのが転職エージェントです。
 

エージェントに気になる求人の離職率を問い合わせれば情報提供してくれるため、驚くほど早く新しい職場に転職することもできます。
 

しかも転職エージェントは離職率だけでなく、求人先の職場の雰囲気や医師の人柄といった求人サイトだけではわからない情報も教えてくれるので、転職してから「こんなはずじゃなかったのに!」と思うこともほとんどありませんよ。
 

転職エージェントに頼るのは少し抵抗がある人もいると思いますが、無料で転職に関するすべてのことをサポートしてくれるため、騙されたと思って一度利用してみてください。
 

離職率に注目し働きやすい環境の職場で仕事をしよう!

 

看護師はやりがいのある職業である一方、仕事や人間関係の大変さから離職率の高い職業だというのがわかりました。
 

離職率だけで職場を判断するのは難しいですが、働きやすい職場の指標となるので、これから転職を考えている人は離職率に注目して就職活動を行うことが重要と言っても過言ではありません。
 

せっかく働くなら居心地の良い環境で仕事をした方が患者様にとってより良い看護を提供できます。
 

離職率なんてたかが数字だからと軽く考えず、業務負担が少ないところを探すのが転職後も後悔せず働ける秘訣です。
 

みなさんがこれから先働きやすい環境で活躍していけるように、職場探しの大事な要素として離職率にも比重を置いてみてはどうでしょうか?