病棟で働いている看護師であれば、一度はリンクナースによる研修や教育を受けたことがあると思います。
 

専門チームから特殊な知識や技術を学び、それを病棟の看護師に伝える役割を担っていますが、看護師が病棟にいながら高度で専門的な知識を学べるのは、リンクナースのおかげだと言っても過言ではありません。
 

リンクナースは病院内の専門チームと病棟看護師を繋ぐ架け橋ですし、特にレベルアップを図りたい看護師さんにはとても頼りになる存在である一方、まだまだその実態についてわからないところも多いのではないでしょうか?
 

ここではリンクナースに関する理解を深められるように活動内容や役割についてお話ししていきます。
 

1.リンクナースについて知りたい!

 

リンクナースとして働く同僚は多いと思いますが、具体的に何をしているのか実態を探ってみました。
 

①リンクナースってなに?

 

私が以前透析室で働いていたときは、病棟では日常的に行われているような褥瘡対策や退院支援などを実施する機会がほとんどなく、手技や知識に不安を感じるときがありました。
 

そんなときリンクナースはいつも定期的に教育活動や指導をしてくれましたし、透析室にいながら最新の病棟看護を学べたのは彼女たちの活躍のおかげです。
 

教育内容は褥瘡対策や感染管理・退院支援といったものですが、自分の部署では習得できないような知識もリンクナースから学べるので、現場で働く看護師にとってその存在は欠かせません。
 

リンクナースが専門チームから最新の知識や技術を学び、現場のスタッフに教育・指導することで病棟全体のレベルアップに繋がっています。
 

・リンクナースの活躍の場はさまざま!

 

リンクナースの活動の場は、
 

  • 感染管理
  • 褥創対策や栄養サポート
  • 摂食/嚥下
  • 安全管理
  • 緩和ケア
  • 退院調整

 

と簡単に見てもけっこう多いです。
 

特に代表的なものでは感染管理リンクナースが挙げられますが、最新の感染対策についてレクチャーするだけでなく、定期的に手洗い方法のチェックなどを行うことで看護師の感染予防に関する意識を高めています。
 

私の努めていた病院でも年に一度必ず手洗いのチェックが行われており、自分ではきちんと洗っているつもりでも、手首や爪の間などに汚れが残っていたこともよくありましたし、そのたびに「もっと意識して手洗いをしなければ!」という気持ちになりました。
 

代表的なものを一例として紹介しましたが、院内での感染拡大を防ぐ対策専門の感染管理リンクナースをはじめ様々なリンクナースが活躍しているのが分かりますね。
 

②リンクナースの活動内容とは?

 

リンクナースの仕事は病院のリンクナース会や委員会活動へ参加し、会の活動で学んだ知識・技術を病棟に持ち帰るところから始まります。
 

現場のリーダーとして病棟スタッフに教育・指導しつつ、病棟の教育活動の評価や問題点の抽出を行っていくのが主な流れですが、これで終わりではありません。
 

やはり一方的に話を伝えただけではどの程度理解してもらえたかは不明ですし、
 

場合によっては教育方法に問題があるケースも珍しくないため、この結果をもとに改善策について委員会などで検討して、きちんとフィードバックを行うのもリンクナースの重要な役割です。
 

③リンクナースに向いている人の特徴について

 

リンクナースは専門チームから教わるだけでなく、自分自身でも院内・院外研修に参加し積極的に知識を習得する必要があります。
 

研修で休日が終わってしまうこともよくあることから、目標ややりがいを見つけられないとやっていけないかもしれません。
 

たしかにリンクナースは現場看護師に指導する機会が多く、ある程度リーダーシップを発揮できないと難しい仕事ですが、リンクナースの仕事が好きな人ならやる気と熱意さえあれば働けますよ。
 

リンクナースを目指している方は、仕事の大変さも理解した上で本当にやりたいのかどうか考えてみてはどうでしょうか?
 

2.リンクナースのやりがいってなに?

 

みなさんがリンクナースになるメリットについて次にお話ししていきます。

①看護師としてのスキルアップを図れる

 

看護師には外部のセミナーや研修を受けるチャンスがたくさんある中、せっかくのお休みを勉強会で潰されたくないという思いからセミナーに参加しない人も少なくありません。
 

私も院外研修や勤務時間外の勉強会など全員参加でないものにはなるべく参加したくないと思っていました。
 

気持ちはよく分かりますが、リンクナースは病棟の代表ですし、最新の知識や技術を習得しておかなければきちんと指導できませんよね。
 

セミナーや研修会が多くて大変なときもある一方、看護師としてのスキルアップが図れるのがリンクナースになるメリットのひとつです。
 

②他職種の人たちと関われる

 

病棟で働いていると看護師や医師以外の職種と関わる機会はほとんどないですが、リンクナースになれば専門チームの一員である薬剤師や栄養士・ソーシャルワーカーとも顔を合わせることも多く、学ぶチャンスがたくさんあります。
 

彼らと知り合いになれば、病棟で起こっている問題の共有や解決策といった日常的な話題も話し合えますし、こういったスキルは病棟看護師では決して得られません
 

他職種と関わりながら仕事ができるというメリットを最大限に活かしたい人は、リンクナースを検討してみてはどうでしょうか?
 

③キャリアアップも夢ではない!

 

キャリアアップを目的に、認定看護師や専門看護師の資格取得を目指している方も割と多いです。
 

どちらも看護師として成長できる素晴らしい資格ですけれど、認定看護師や専門看護師になるには専門の学校に通う必要があることから自力で取得するのは簡単ではありません。
 

みなさんの中にも自分一人の力で資格が取れるか不安な人もいると思いますが、こんな人にこそおすすめなのがリンクナースです。
 

実はリンクナースの経験があると病院からの資格取得支援制度を受けやすくなるので、サポートを求めている方はぜひ選択肢に入れておいてくださいね。
 

3.リンクナースに関するQ&A

 

リンクナースの実際についてQ&A形式でまとめてみました。
 

①リンクナースになるにはどうすればいい?

 

リンクナースになるにはリンクナース会のある病院に所属している必要があります。
 

全ての医療施設にリンクナースが存在しているわけではないことから、まずはご自身の勤めている病院にリンクナースがいるかどうか調べてみてください。
 

もしリンクナースの組織がなければ、転職を検討してみるといいかもしれません。

・看護師の転職はマイナスにならない?

 

私の友人にもリンクナースではないものの、希望とする病棟で働きたいがために病院を辞めた人がいます。
 

転職先はその熱意を理解し辞めた理由をポジティブに捉えてくれたので、友人は理想どおりの職場で働けるようになりました。
 

きちんとした転職理由があれば、病院を辞めたことは必ずしもマイナスにはなりませんよ。
 

リンクナースになりたいという熱意はきっと好意的に受け取られるはずですから、恐れず自分のやりたい道を進むのがポイントです。

・所属長にアピールするのも効果的!

 

リンクナースになるには研修や勉強会に積極的に顔を出すのも大事ですが、1番効果的なのは所属部署の師長にアピールすることです。
 

任命決定をするのは病棟の所属長なので、あなたの熱意や思いを日頃から伝えておくことで、すんなりとリンクナースになれるケースも珍しくありません。
 

ちょっとずるいんじゃないかと感じた人もいると思いますけれど、夢を叶えるための手段と割り切って考えてみてくださいね。

②リンクナースになると仕事が忙しくなる?

 

病院側としては負担をなるべく減らそうと、リンクナースの委員会活動の時間を勤務時間に設定し、残業せずとも良いような配慮をしています。
 

配慮はありがたいのですが、リンクナースの仕事があっても入院患者さんや急患の方が重なるとそちらを優先しなければいけないため、結局は残業を余儀なくされる状況も少なくありません。

・ママさんナースの場合負担が増えるので要注意!

 

ママさん看護師がリンクナースになると、家庭と仕事を両立させるのが難しくなるので注意が必要です。
 

ママさん看護師は、仕事が終わったら保育園にお子さんを迎えに行って、夜ご飯の買い物をして、それからご飯を作って……と休む暇がありません。
 

たとえ勤務時間内に仕事が終わったとしても、これらの家事をこなすのは大変なことですし、さらにリンクナースの仕事も加わってしまうと、どこから手をつけていいのかわからなくなってしまいますよね。
 

子どもがいるからといって特別な配慮をしてもらえるとは限らない上、一度なってしまうと最低でも1年はその仕事を続けなければならないのがリンクナースです。
 

1年間も残業ばかりの毎日が続くとなると、お子さんのいる看護師さんにとっては少しハードルが高いのではないでしょうか?
 

子どもが大きくなってからでもリンクナースは目指せるので、まずはお子さんとの時間を大切にし、時期が来たら改めてリンクナースとしてバリバリ働くのも1つの手です。
 

③人間関係に悩まされるって本当?

 

一緒に働く看護師さんの中には人任せであまり協力的ではないスタッフも残念ながらいます。
 

ときどきなら仕方ないと思えますけれど、それが毎回となるとリンクナース間で何らかのトラブルが起こりかねません。
 

せっかくリンクナースになれたのに人間関係のいざこざに巻き込まれ、やりたい仕事ができないのでは意味がないですから、リンクナースはやりがいのある反面、スタッフとの人間関係にかなり気を遣う仕事だということを把握しておくことが必要です。
 

リンクナースになって専門分野に関する知識を深めよう

 

リンクナースはざまざまな分野で活躍しており、その知識や技術を病棟全体に伝えることで現場のレベルアップを図っているのがわかりました。
 

看護師が高度で最先端のケアを提供できれば患者さんの安心・安全な入院生活を守れることから、病院における役割は非常に大きいです。
 

やりがいのある仕事である一方、リンクナースになると通常業務以外にやることが山積みになるため、決して簡単な仕事とは言えません。
 

簡単ではないものの、そのぶん貴重な経験が積めるので、リンクナースの仕事をやり遂げられれば看護師として一目置かれる存在に成長できますよ。
 

みなさんもリンクナースになって今よりもさらに頼りになる看護師を目指してみてください。