看護師の働く場所はたくさんありますが、その中でも内科はどこの施設でも併設されており、身近に感じる診療科の1つだと思います。
内科の看護師は患者さんの怪我や病気からの回復をサポートできるため、
「せっかく看護師になったんだから、一度は内科で働いてみたい!」
と考え転職に踏み切る方も少なくありません。
しかし内科と一言にいっても、消化器内科や循環器内科など診療科ごとに業務内容や仕事のやりがいは異なってくるので、転職先探しは慎重に行うのが大切ではないでしょうか?
ここではみなさんが安心して転職活動を始められるように、内科で働く看護師が知っておくべきいくつかのことについてお話ししていきます。
流れ
1.内科で働きたい看護師が知っておくべきこととは?
内科は私たちが病気になったときに1番最初に受診する科だというイメージがあると思いますが、具体的にどんなことをするのかわからない部分も多いはずです。
内科で働くために看護師として押さえておくべきポイントには何があるのでしょうか?
①そもそも内科ってどんな事をするの?
内科の診療科は、
- 呼吸器内科
- 循環器内科
- 消化器内科
- 腎臓内科
- 神経内科
- 糖尿病内科
- 血液内科
- 皮膚科
- アレルギー科
- リウマチ科
- 感染症内科
- 小児科
- 精神科
- 心療内科
上記が挙げられます。
内科といってもさまざまな分野の仕事があるのが実際のところです。
扱う病気や治療内容・看護ケアなどは診療科ごとに異なります。
内科なら何でもよいと安易に考えて転職活動をしてしまうと、「自分の想像してた内科の仕事とは違いすぎる!」と後悔することになるため、求人先を探す前にまずは内科の仕事について知るのがポイントです。
・外科との違いを知りたい!
内科に転職するには、外科との違いを知っておく必要があります。
内科は慢性期の患者さんが多いので、オムツ交換や体位変換・清拭など日常生活援助が看護師の主な役割です。
一方、外科は手術を行う患者さんの術前・術後の管理やケアという仕事があります。
外科では手術を終え、状態が安定したら退院や転院をしていく方がほとんどのため、やることが多く、スピーディに働くことを求められていますが、内科では患者さんと時間をかけて関われるのです。
どちらで働いても看護師としてのレベルは上がりますが、自分がどのような仕事をしていきたいのか考えた上で転職先探しを始めてみてはいかがでしょうか?
②内科の看護師の仕事内容はどうなっているの?
内科の看護師の仕事は、
このような内容です。
どれも患者さんの健康を守るには欠かせないものであり、病棟で働いている看護師さんであれば、一度は経験したことがある仕事だと思います。
業務内容も難しいものではないので、
「初めて内科で働くから、仕事についていけるか不安……。」
と感じている方でも安心して仕事に取り組めますよ。
③どんな人が内科の看護師に向いているの?
内科では慢性期の患者さんの継続的な治療がメインであることから、長期的な関わりが必要となるケースが多いです。そのため、人とのコミュニケーションを大切にする人が内科の看護師に向いていると言えます。
内科では時間をかけて行わなければならないケアもあるので、
患者さんの中には治療に前向きな気持ちを持てなくなる人もいるかもしれません。
そのような患者さんが、「意欲的に治療に取り組む気持ちになる」ようにサポートすることも内科看護師の仕事であり、コミュニケーション能力がなければ務まらないのです。
看護師さんであれば誰しも持っているスキルですが、内科で働きたいのであれば特に重要となってくる能力ではないでしょうか?
この機会に自分のコミュニケーション技術を見直し、スキルアップを図ってみるのも良いですね。
2.内科看護師のメリットやデメリットって何?
内科看護師になることで、どのようなメリット・デメリットがあるのか気になると思います。
①看護の幅広い知識を手に入れられる
慢性期の患者さんは複数の病気を抱えている方も多く、適切なケアを行うには自分の所属する診療科以外の知識も必須です。
薬を数種類内服しているケースもあるため、薬の内服方法や副作用などに関する知識も持っていなければなりません。
疾患や薬品に関する知識を持った看護師さんは、どこの病院でも重宝される存在です。
みなさんも専門的な知識を持った内科の看護師になることで、病院にとってなくてはならない存在になってください。
②患者さんと時間をかけて関われる
内科に入院している患者さんやクリニックに通っている患者さんは、長期にわたる治療が必要な場合が多く、患者さんと時間をかけて関われます。
外科だと手術後の状態が安定していれば他の科へ行ってしまうので、
「もっと時間をかけて患者さんに合った看護をしたい!」
と考えている人には少し物足りないかもしれません。
しかし患者さんとじっくり接することができる内科で働けば、あなたの希望とする看護を行えるはずです。
患者さん一人一人に寄り添ったケアを提供できる看護師になるために、内科への転職を検討してみてはいかがでしょうか?
③ルーティンワークばかりで嫌になることも……
内科の看護師の仕事は、日常生活援助に関するものがほとんどです。
患者さんのQOLを高めるためには大事な仕事ですが、
バイタルチェック→薬の与薬→オムツ交換→清拭→食事介助→薬の与薬……
というようなことを日々繰り返し行っていると、働くのが嫌になる人もいると思います。
ですがルーティンワークをデメリットと考えず、患者さんとのコミュニケーションをとる貴重な時間というようにプラスに考えるのが大切です。
ちょっとした会話の中から患者さんの治療にとって必要な情報を得られないとも限りません。
このようにルーティンワークであっても、一つ一つのケアを丁寧に行えば、患者さんにとってより良い結果をもたらすことができます。
怪我や病気で苦しむ人の1番身近な存在として、
何事にも真剣に取り組む姿勢を忘れずに新しい職場で活躍してみるのも良いですね。
参考:社会福祉法人恩師財済生会神奈川県病院看護部 看護部の一日
3.内科看護師への転職を成功させるためのポイントとは?
内科には色々な診療科があるので、転職の際に確認しておくべき点がいくつかあります。
①どんな内科で働きたいのか?
先ほどお話ししたように、内科看護師の転職先はさまざまです。
選んだ診療科によっては全く違う知識や技術が求められる場合もあるため、転職の際には職場選びを慎重に行わなければなりません。
自分がどの分野に興味があるのかを知っておかないと、せっかく内科の看護師になれても仕事に対するやりがいを見出せずまた転職活動を始めてしまうパターンもあるので注意が必要です。
看護師としてどのような経験を積んでいきたいのかをきちんと考え、あなたにぴったりな職場を見つけるのが内科への転職を成功させるポイントですね。
・病棟かクリニックか?
病棟かクリニック、どちらで働くのかを選ぶのも転職活動では大事な要素です。
病棟勤務の場合は入院中のケアが必須であり、患者さんの日常生活援助を行う機会が多くあります。
一方クリニックは、入院患者さんの受け入れを行なっていない場合がほとんどのため、病棟で実施するような清拭やオムツ交換・食事介助などは行いません。
基本的には医師の診察がスムーズにいくような診療の補助がメインの仕事です。
入院がない分提供するケアも少ないですが、患者さんとゆっくり関わる機会が少ないというデメリットもあります。
自分にとって働きやすい職場はどこか考えてみることが必要ではないでしょうか?
②年収はどのくらいもらえるのか?
平均年収.jpによると、看護師の平均月収は35万円となっています。
都内の求人情報によると内科看護師の月収は21万のところもあれば40万以上のところもあるので、自分の希望とするお給料がもらえるような職場を探すのが重要です。
その際は今まで培ってきた経験や看護師のスキルを存分にアピールしてくださいね。
・資格を取ってお給料をアップさせよう!
内科看護師の収入に不満がある方は、資格を取ってお給料をアップさせるのも一つの手です。
内科看護師の月収は低いところだと21万程度しかなく、高収入が期待できるとは言えません。
しかしそこで諦めずに、職場で必要な資格を取得し、スキルアップを図ることが大切ではないでしょうか?
認定看護師や専門看護師の資格取得に励んだり、技術獲得のためにセミナーや外部の研修に積極的に参加したりするのも良いですね。
自分の行動一つでもらえる収入も変わってくるので、看護師としてのレベルアップをはかってみるのもいいかもしれません。
③効率よく求人探しを行いたい人がやるべきこととは?
内科看護師の求人はたくさんあることから、働きながらだと自分にぴったりな仕事を探すのは難しいと思います。
そんな人は転職エージェントを利用してみてはいかがでしょうか?
あなたの希望どおりの職場を見つけてくれるだけでなく、履歴書の書き方の指導や面接対策もしっかり行ってくれるため、安心して転職活動を進められますよ。
「転職したいけど、どんなふうにやったらいいか分からない……。」
という人はぜひ転職エージェントを活用し、効率よく職場探しを行ってください。
やりがいのある仕事がしたい人は内科看護師になろう!
内科の仕事には基本的な技術だけでなく、
幅広い看護の知識とコミュニケーション能力が欠かせないことをお話ししました。
内科の看護師はみなさんが一般的にイメージする「看護師らしい仕事」をする機会が多く、患者さんのために何かしたいという気持ちを持った方にはぴったりの職場です。
長期的な治療を必要とする患者さんも大勢いることから、看護師としての力量が試される仕事だと言えます。
今の仕事に満足していない方やもっと患者さんの気持ちに寄り添ったケアを提供していきたいとお考えの方は、看護の楽しさを実感できる内科への転職活動を始めてみてはいかがでしょうか?