近年多様化する医療のニーズに対応するために、専門看護師の需要がどんどん高まってきています。
 

専門看護師の資格取得は、実務経験などの条件をクリアした上で試験に合格する必要がありなかなか困難な道のりといえますね。
 

しかしこれらの高い壁を乗り越えることで、より専門的で高度な知識や技術を患者さんやそのご家族に提供することができるようになるのです。
 

看護師は誰でも、
 

「困っている患者さんを助けたい。」
 

という思いを持って日々働いています。
 

専門看護師になって特化した知識やケアを習得すれば、病気で苦しんでいる患者さんやご家族の助けになるはずです。
 

高い志を持ったみなさんが専門看護師になれるように、知っておくべき3つの注意点についてお話ししていきます。
 

1.専門看護師になるために知っておくべきこと

 

専門看護師になるには必須条件がいくつかあり、これらを知っておくことがスムーズに資格取得するためには必要です。
 

ここでは、受験資格や専門看護師の仕事について説明していきます。専門看護師についての理解を深め目標を明確にするためにお役立てください。

①専門看護師って何だろう

 

専門看護師は1997年に日本看護協会が定めた制度であり、看護ケアの広がりと質の向上を目的としています。
 

日本看護協会によると専門看護師は全国で、
 

  • がん看護(721人)
  • 精神看護(267人)
  • 老人看護(25人)
  • 地域看護(109人)
  • 小児看護(185人)
  • 母性看護(67人)
  • 慢性疾患看護(151人)
  • 急性・重傷者看護(225人)
  • 感染症看護(45人)
  • 家族支援(52人)
  • 在宅看護(36人)
  •  

    1883人(2016年12月登録時点)いるそうです。
     

    「もっと専門的で高度なケアを学びたい!」
     

    という思いを持った看護師が多くいるとはいえ、まだまだ専門看護師の数は不足しています。
     

    医療や福祉に貢献するために、自分が関心を持って取り組めるような専門分野を特定し1人でも多くの人が専門看護師になることが大切なのです。

    ②認定看護師とは違うの?

     

    看護師としてキャリアアップ考えたときに、専門看護師と認定看護師どちらの資格を取るべきか悩む方もいるかと思います。
     

    専門看護師の仕事には、患者や家族に対し質の高いケアを提供するだけでなく、施設や地域全体の看護の質を向上させることもあるのです。
     

    一方で認定看護師の仕事は、
     

  • 救急看護
  • 皮膚
  • 排泄ケア
  • 集中ケア
  • 緩和ケア
  • がん化学療法看護
  •  

    など21分野に分けられており、高水準な看護スキルを現場で実践することが求められています。
     

    認定看護師の方が専門とする分野が細分化されているため、病院でより特化したケアの実施ができますね。
     

    専門看護師が看護ケアのスペシャリストだとすると、認定看護師は臨床現場におけるエキスパートです。自分が理想とする看護師像にどちらがより近いのかを考えて、進むべき道を選択してください。

    ③専門看護師への道のり

     

    資格受験の条件には、
     

  • 看護師免許を有すること
  • 実務研修が通算で5年以上あること
  • 専門看護分野の実務研修が3年以上あること
  • 看護系大学院で専門看護師の教育課程を修了していること
  •  

    の4つが挙げられます。
     

    大学院で必須単位を取り、認定審査に合格することで初めて資格を得られるため、専門看護師への道のりは遠く険しいものになるかもしれません。
     

    現在必要な単位は26単位または38単位ですが、2020年以降は新基準の38単位への切り替えが行われます。
     

    さらに2024年以降は38単位のみ受験資格として認められるため、これから専門看護師を目指す方は大学院を受験するタイミングを考えてみることも重要ではないでしょうか?
     

    26単位の方がそれだけ授業時間が少なく済みますが、36単位授業を受けることでより高度で専門的な知識を得られます。
     

    どちらの方法が自分にとって最善かを慎重に検討し、大学院を選択することが求められているのですね。

    2.専門看護師としての働き方の変化

     

    専門看護師は、自分に何が要求されているかを理解し仕事を行うことが大切であり、その働き方にも変化が生じます。
     

    資格取得により仕事に対するやりがいや充実感が芽生えますが、良いことばかりではありません。
     

    待遇や給与の違いをメリット・デメリットを含めてお話ししていくので、これを機会に本当に専門看護師になりたいのかどうかじっくり考えてみてください。

    ①専門看護師に求められる働き方

     

    専門看護師の仕事内容は、
     

  • 実践
  • 相談
  • 調整
  • 倫理調整
  • 教育
  • 研究
  •  
    の6つがあります。
     

    複雑困難なケースに直面する患者さんやそのご家族を解決に導いたり、保健医療福祉や看護の発展に貢献したりすることが専門看護師の必要な役割です。
     

    さらに基本的な看護業務だけでなく後輩の教育や相談、専門的な看護ケアの実践なども求められています。
     

    現場のリーダーとして高度な専門知識と技術をもとに仕事に取り組むことで、看護ケアの広がりを実現できるのです。
     

    患者さんやご家族の抱えている問題を解決するために、みなさんも専門看護師の資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?
     

    ②待遇は良くなるのか

     

    専門看護師は責任のある仕事を任される機会が多いです。
     

    一般の看護師よりも早く昇進することが可能ですが、仕事が増えるため定時に帰れなくなるというデメリットが現れます。
     

    残業が増えると、精神的にも肉体的にも大きな負担がかかるかもしれません。しかし、それだけ医療現場では専門看護師の知識や技術を必要としているのです。
     

    デメリットではなく自分の可能性を広げる機会と考えチャレンジすることで、理想の看護師像に近づくことができますね。
     

    また、昇進以外にも勤務体制でも夜勤が少なくなるという変化もあるでしょう。専門看護師のスキルが発揮できる場面は、日勤が多いという理由からこのような違いが生じるのです。
     

    夜勤がなくなると手当が減るので給与が下がることもあります。
     

    しかし不規則な勤務形態ではなくなるため家族や友人と過ごす時間が増え、私生活が充実したものになるかもしれません。
     

    このように専門看護師になると、
     

  • 昇進しやすくなる
  • 責任のある仕事を任される
  • 夜勤がなくなる
  • 夜勤手当がなくなる
  • 仕事量が増える
  • 残業が多くなる
  •  
    といった変化が挙げられます。
     

    いくつかのデメリットもありますが、それ以上に充実感のある看護を行えるのが専門看護師の仕事です。
     

    やりがいと責任感を持って業務に取り組むためにも、専門看護師を目指してみるのも良いですね。

    ③給料は上がるのか

     

    資格取得には多くの労力と時間を要するので、専門看護師になれば給料が上がるイメージをお持ちの方は多いと思います。
     

    日本看護協会の調査によると、専門看護師への手当てや昇級がないと答えた施設が全体の6割もあり賃金表上で評価されていない現状があるのです。
     

    また、何らかの手当てがある施設は2割ほどであり、各施設における最も高い人への手当額の平均は1万832円となっています。
     

    このように専門看護師になっても給与の改善が期待できません。
     

    賃金アップを考えている方は、まずは勤務先の対応を把握し、場合によってはきちんと評価してくれる病院への転職を視野に入れて活動することも必要です。

    3.働きながら専門看護師を目指すために

     

    専門看護師になるには様々な難関があることから、仕事をしながらの資格取得は無理だと諦めてはいませんか?
     

    受験資格には必須条件がいくつかあるため、仕事をしながら専門看護師を目指すのは確かに厳しいかもしれません。
     

    しかし、働きながらでも資格取得できる方法もきちんと用意されているのです。
     

    みなさんが金銭的な不安なく、専門看護師を目指せるように詳しくお話ししていきます。

    ①働きながら資格取得はできる?

     

    大学院で講義・演習・実習を受け、26単位もしくは38単位を取得することが専門看護師になるためには必要です。
     

    論文がメインの2年目であればまだしも、座学や実習がある1年目は働きながらの資格取得は難しいと言えますが、ほとんどの人は仕事を辞めるのは難しく、資格取得との両立に頭を悩ませていると思います。
     

    そのような場合は資格取得支援サポートの利用を検討してみてはいかがでしょうか?
     

    学費だけでなく生活費の支援も行ってくれるので、安心して学業に取り組めますよ。
     

    勤務先にそのような制度がない場合は、あらかじめ転職活動をしておくことでスムーズに専門看護師になれますね。

    ②資格支援サポートってなに?

     

    支援内容は病院や地域によって異なりますが、
     

  • 就学中の給与保障
  • 入学金・授業料・実習などの学校に通うための費用
  • 認定試験の受験料・検定料
  •  
    などのサポートを受けられるケースもあるのです。
     

    例えば前橋赤十字病院では、最高200万円の貸し出しを無利息で行っています。病院ごとに支援サポートは異なるため、自分の希望に合ったものを見つけることが大切ですね。
     

    ホームページ等でサポート内容がわかるので、専門看護師を目指している方は早い段階からリサーチしておくことが重要です。

    ③資格支援サポートを受けるメリット・デメリット

     

    資格支援サポートを受ければ、仕事を続けながら専門看護師を目指すことが可能だとわかりました。
     

    自分の希望を叶えながら大学院に通えるため良いこと尽くしなイメージをお持ちかもしれませんが、安易に支援を受けてしまうと後悔する場合もあるかもしれません。
     

    そのような事態に陥らないように、サポートを受けることで生じるメリット・デメリットをよく理解する必要があります。
     

    専門看護師資格取得支援のメリットには、
     

  • お金の不安がなくなる
  • 資格取得後の就職先が決まっている
  •  
    ということが挙げられます。
     

    支援を行ってくれる病院が資格取得をサポートしてくれるので、経済的な不安がなく勉強に集中できますね。
     

    さらに働き口も確保されているため、安心して専門看護師を目指せるでしょう。
     

    一方、資格支援を受けるデメリットには、
     

  • 資格取得への精神的ストレス
  • 就職先が選べない
  • 転職したい場合、仕事を辞めにくい
  •  
    ということが挙げられます。
     

    支援してもらっている以上、最短で試験に受からなければならないというプレッシャーがかかるため、ストレスを感じやすい人はサポートを受けるかよく考えることが大切です。
     

    また支援先によっては条件を満たさなかった場合、ペナルティーを課せられるケースもあるので支援内容をきちんと確認してください。

    専門看護師になることで理想の看護師を目指そう

     

    専門看護師になるためにはいくつかの注意すべき点がありました。
     

    専門看護師への道のりは険しく、給与や待遇の面から考えても十分な見返りがあるとはいえません。けれど病気で苦しんでいる患者さんやそのご家族は、専門看護師による高度な看護ケアを待っています。
     

    一人でも多くの専門看護師になりたいという気持ちが、医療現場の明るい未来を作るためには必要です。
     

    助けを求めている人たちのために、あなたも専門看護師としての一歩を踏み出してみませんか?