看護師として多くの人の助けになるような仕事をしたいと考えたときに、まず思いつく診療科には消化器外科が挙げられます。
 

慢性期から終末期の方が治療の対象であるため、幅広い看護を提供できるはずです。
 

基本的な看護技術だけでなく抗がん剤治療やターミナル期看護のような専門的な知識を必要とするケースもあることから、一般的に言って難しい仕事かもしれません。
 

難しいがゆえに、高度なスキルを持った看護師からのケアを待っている方は大勢いるので、やりがいと充実感のある仕事をしたい人にはぴったりの職場ではないでしょうか?
 

ここでは消化器外科看護師についてみなさんが具体的にイメージできるように、業務内容や仕事の魅力についてお話ししていきます。
 

1.消化器外科って大変?

 

消化器外科では日々多くの手術や治療が行われており、こなさなければならない業務はたくさんあります。

①消化器外科ってどんな特徴のある病棟?

 

消化器外科では、
 

  • 食道
  • 十二指腸
  • 小腸
  • 大腸
  • 肛門
  • 肝臓
  • 脾臓
  • 胆嚢
  • 膵臓

  •  

    のような、食べ物の消化や吸収において重要な役割をしている臓器が診療の対象です。
     

    心臓外科や脳外科といった他の診療科よりも、たくさんの臓器を取り扱っているのがわかりますね。
     

    消化器外科ではこれらの臓器の疾患の中でも、手術のような外科的処置を必要とする患者さんが多く受診するため、そこで働くスタッフも高度で専門的な知識を持っていなければなりません。
     

    プロフェッショナルな看護師を目指している方は、消化器外科を新しい職場に選んでみてはいかがでしょうか?

    ・消化器外科で取り扱う疾患はさまざま!

     

    消化器外科で取り扱う疾患は、
     

  • 消化器系の癌全般
  • 胆嚢結石・胆嚢炎
  • 急性膵炎
  • 食道静脈瘤
  • 腸閉塞
  • 潰瘍性大腸炎
  •  

    このようなものが挙げられます。
     

    誰が発症してもおかしくないような疾患であることから、幅広い年齢層の患者さんが消化器外科に訪れるのです。
     

    同じ疾患でも年齢や進行具合によって症状が異なるので、必要とされる看護ケアも違ってきます。
     

    他の病棟では経験できないようなさまざまな症例やそれに伴う看護を学べるため、やりがいのある仕事ができますよ。

    ②看護師の役割とは?

     

    消化器外科の看護師の役割には、
     

  • 診療の補助
  • 注射や点滴の準備・実施
  • 採血
  • レントゲンやCT、胃カメラなどの検査の介助
  • 抗がん剤治療
  • ストーマケア
  • 清拭やおむつ交換
  •  

    などがあります。
     

    日常生活援助のような基本的なものから抗がん剤治療に関する癌看護も学べるため、今よりも多くのスキルを習得できる職場と言っていいかもしれません。
     

    みなさんも消化器外科で働き、患者さんを心身ともにサポートできるような看護師を目指してください。

    ③消化器外科に必要な勉強とは?

     

    消化器外科ではいろいろな疾患の患者さんが受診されることから、確かなスキルと専門的な知識を身につけておく必要があります。
     

    たとえば、
     

  • 検査の介助(内視鏡・注腸造影・ERCP・胃カメラなど)
  • イレウス管の管理
  • 術後の感染防止対策
  • 中心静脈カテーテル挿入の介助
  • CVポート埋め込みの介助
  • それぞれの疾患に応じた看護ケア
  • 周術期の看護
  • 胃ろうに関する処置
  • ストーマに関する処置
  •  

    など、消化器外科ならではの処置に関する技術は必須です。
     

    毎日のようにこれらの業務は行われており、患者さんの治療をスムーズに進めるためにはレベルの高い消化器外科看護師によるサポートが求められています。
     

    日々新しい治療や処置に出会うので、自己学習や業務を通して多くのことを吸収していくのが消化器で働く看護師には大切ですね。

    ・認定看護師や専門看護師の資格を取ることを目標にしよう

     

    基本的な技術や知識が身についたら、認定看護師や専門看護師のような資格取得を目指すのもポイントです。
     

    看護師が取れる資格はたくさんありますが、より専門的なケアを消化器外科で提供していきたい方は、
     

  • がん看護専門看護師
  • 緩和ケア認定看護師
  • がん性疼痛認定看護師
  • 皮膚・排泄ケア認定看護師
  • がん化学療法認定看護師
  • 家族支援専門看護師
  • 集中ケア認定看護師
  •  

    このような資格取得を検討してみてはいかがでしょうか?
     

    どれも簡単に取れる資格ではありませんが、患者さんの健康を守りたいという気持ちがあれば最後までやり遂げられるはずです。
     

    病院によっては資格取得をサポートしてくれるところもあるため、

    将来を見据えた病院選びをするのが大切と言っても過言ではありません。
     

    当サイトでも専門看護師認定看護師になりたい人の就職先選びのポイントについてお話ししていますので、ぜひ参考にしてみてください。

    2.消化器外科の魅力って何?

     

    消化器外科へ転職したいと考えている人は少なくありませんが、消化器外科看護師の具体的な魅力について次に見ていきます。

    ①基本的な看護業務をしっかり習得できる

     

    消化器外科では毎日たくさんのオペや処置が行われており、看護師の業務も他の診療科よりも多いことがよくあります。
     

    仕事がありすぎて残業が続くときが何日もあるような忙しい職場です。
     

    このような大変な一面もある病棟ですが、やり遂げることができれば看護師として必須のスキルを身に付けることができますよ。
     

    患者さんや医療スタッフから頼られるような確かな技術と知識を持った存在になれるように、日々の業務にきちんと取り組むのが大切です。

    ②癌に関する看護の経験を積める

     

    消化器外科を受診される患者さんの疾患はさまざまですが、中でも癌患者さんが多く受診されるので、消化器外科で働けば癌に関する看護の経験を積むことができるはずです。
     

    二人に一人が癌になるこの時代において、高度な癌看護のスキルを習得できればどこの病院でも活躍できる看護師になれます。
     

    みなさんも癌看護のプロフェッショナルになるために、消化器外科で多くの技術や知識を学んでみてください。
     

    参考:全国健康保険協会 協会けんぽ

    ③目に見える病気だけでなくメンタル面のケアも行える

     

    消化器外科には癌患者さんが受診されていますが、中でも大腸癌の人が多く訪れます。
     

    大腸癌は早期発見できれば怖い病気ではありません。
     

    多くの人は治療後問題なく日常生活を送ることができるようになりますが、進行してしまうとストーマを造設しなければならないケースもあります。
     

    ストーマは患者さんが生きていく上では必須なものですが、人工肛門のある体になってしまった自分を受け入れられない人も多いです。
     

    このような患者さんの心のケアを行い、ストーマを受け入れられるようになるまでサポートすることが消化器外科の看護師には求められています。
     

    みなさんも目に見える体の異変に対するサポートだけでなく、メンタルケアも行える看護師を目指してくださいね。
     

    参考:公益財団法人 日本対がん協会 がんの部位別統計

    ・ターミナル期の患者さんへの精神的な看護も大切な仕事

     

    消化器外科には、これ以上治療を行っても回復の見込みがほとんどないようなターミナル期の患者さんもいます。
     

    死を目前にした患者さんが最後までその人らしくいられるような、個別性に合ったケアを提供することが消化器外科看護師の重要な役割だと言えますね。
     

    患者さんだけでなく、そのご家族へのケアも忘れてはいけません。
     

    大事な人をいつ失うかわからない恐怖を常に抱えており、

    精神的にも肉体的にも疲れ切ってしまっている方も多くいます。
     

    看護師はストレスを抱えているご家族の思いを汲み取り、患者さんとそのご家族が後悔のないように最後のときを過ごせるようなサポートをするのが求められているのです。
     

    参考:社団法人 全日本病院協会 終末期医療に関するガイドライン策定検討会

    3.消化器外科看護師の求人探しのコツについて

     

    自分の理想とする看護師像に近づくためには、求人探しをしっかり行うのが大切です。

    ①自分がどんな職場で働きたいのかを明確にしよう

     

    消化器外科看護師の就職先には、
     

  • 大学病院
  • 総合病院
  • クリニック
  •  

    などがあります。
     

    大学病院や総合病院は入院患者さんの受け入れを行なっていることから、病気の治療から回復までの過程をしっかりサポートできるはずです。
     

    設備も最新のものが整っているところが多いため、最先端の医療を学びたい方は大学病院や総合病院を転職先として選択するといいかもしれません。
     

    一方クリニックは入院設備が整っていないという理由から、日帰り手術のみを取り扱っているところがほとんどです。
     

    このような職場は残業があまりないので、自分の時間を大切にしたい方には最適の職場になりますよ。
     

    病院によって業務内容が異なるため、自分にやりたい仕事は何かをよく考えてから転職活動を始めてください。

    ・クリニックの求人は少ない?

     

    消化器外科のほとんどは大学病院や総合病院の中に併設されていることから、クリニックでの求人を見つけることは難しいです。
     

    クリニックでどうしても働きたい方は、定期的に求人サイトを確認したり、

    クリニックに直接問い合わせたりするなどの地道な活動が求められています。
     

    良い職場を見つけるための転職活動ですから、妥協せず満足いく就職先が見つかるまで活動を続けていきたいですね。

    ②お給料はどのくらいもらえるのか調べよう

     

    消化器外科では、夜勤がある場合の月収は25〜30万程度、外来やクリニックの場合は0〜25万程度の職場が多く、今までと変わらない収入をもらえるケースがほとんどです。
     

    もちろん中には、もっとたくさんお給料が欲しいという方もいると思います。
     

    このような方は、先ほどお話ししたような認定看護師や専門看護師といった資格の取得を目指してみるのも選択肢の一つです。
     

    資格手当がつく職場も少なくないので、高収入を手にしたい方はキャリアアップを図ってみてはどうでしょうか?

    ③転職エージェントを活用するのも大切!

     

    消化器外科看護師の職場はたくさんありますが、転職サイトを見ただけでは求人先の実態についてわからない部分も多いです。
     

    疑問や不安を抱えたまま転職活動を続けてもいい結果にはならないため、求人先の情報収集に時間を割くのは避けられません。
     

    リサーチの必要性を頭ではわかっていても、「働きながらだと、そんなに転職活動に時間をかけられない……。」というのが実際のところですよね。
     

    そんな転職活動でお困りの方には、転職エージェントの活用をおすすめします。
     

    あなたの希望に合った職場で働けるように、未公開求人の紹介や面接対策・履歴書の書き方などについて専門のスタッフが丁寧にアドバイスしてくれるので、働きながらでも転職活動をスムーズに進めることができますよ。

    消化器外科で看護師のエキスパートを目指そう!

     

    消化器外科で働けば基本的な看護技術だけでなく、どの職場でも重宝されるような抗がん剤治療・周術期看護などに関するケアや知識を学ぶことができるとわかりました。
     

    消化器外科はさまざまなスキルを磨けるところであり、看護の道を極めたい人にはぴったりな職場です。
     

    病気により精神的につらい思いをしている人も大勢いるので、

    患者さんへの心温まるケアを提供することが求められています。
     

    みなさんも患者さんに寄り添った看護を提供するために、消化器外科への転職を検討してみてくださいね。