病気や怪我の治療のために入院されてくる患者さんは多くいる中、高齢化により在院日数が減少している現代社会では、在宅看護のニーズがどんどん高まっています。
 

病院で働いていても地域で生活する患者さんの力になれますが、より高度で専門的なケアを提供したい方は地位看護専門看護師を目指してみてはどうでしょうか?
 

「なんだが資格を取るまでが大変そう……。」と尻込みする人もいるかもしれませんが、地位看護専門看護師になれば在宅看護のスペシャリストとして活躍できますし、自分自身も仕事に誇りと責任を持って取り組めますよ。
 

ここでは地位看護専門看護師を目指す方のために、資格取得のプロセスや仕事の実際についてお話ししていきます。
 

1.地域看護専門看護師になりたい!

 

地域の方のお役に立てる看護師になりたいと考えたときに地位看護専門看護師を志す人は少なくないですが、具体的にどんな仕事をしているのかや資格取得方法などわからないことはたくさんあると思います。
 

①地域看護専門看護師ってなに?

 

在宅看護の対象は赤ちゃんからお年寄りまで幅広く、すべての人に合ったケアを看護師1人だけで提供するのは少し難しいです。
 

私にも経験がありますが、病棟で働いていると退院後の患者さんのケアまで手が回らず「あの患者さん、元気で暮らしているのかな……。」と気になるときがよくありました。
 

病棟の一般看護師だと退院後のケアに関わることはほとんどできないですけれど、地域看護専門看護師になれば地域でのその人らしい生活のサポートできるので、退院後も患者さんに関わっていきたい方は地域看護専門看護師を目指すのも良いかもしれません。
 

高度で専門性の高い知識や技術を持った地域看護専門看護師が、地域や行政・病院と連携し包括的な看護を行うことができれば、地域住民の方の健康を守ることができますよ。

・保健師との違いはあるの?

 

地域看護専門看護師は行政や地域と関わりながら住民の方の健康をサポートしている仕事ですが、「保健師との違いはあるのかな?」と疑問に感じる方もいると思います。
 

たしかに保健師と同じような仕事をしている感じがしますが、働く場所は同じではありません。
 

保健師は市区町村の保健センターや各都道府県の保健所、地域看護専門看護師はそれ以外の施設や病院で働くケースが多く、それぞれの立場で地域の健康を支えているのがわかりますね。
 

保健師も地域看護専門看護師も取得が難しい資格ですから、どちらの職場で活躍していきたいのかをよく考えるのが大切です。
 

②資格取得に必要な条件とは?

 

地域看護専門看護師はなろうと思えば誰にでも取得できる資格ではなく、受験の条件として
 

  • 看護師免許を有している
  • 実務研修が通算で5年以上かつ3年以上は専門看護分野の実務研修をしている
  • 看護系大学院で専門看護師の教育課程を修了している
  •  

    の3つが挙げられます。
     

    これらの条件に当てはまっているのかをチェックする必要がありますが、いずれにせよ看護師経験が5年以上ないと目指せない資格です。
     

    新人看護師で地域看護専門看護師になりたい方は、まずは行政地域看護や在宅ケア看護・産業看護・学校看護などの地域看護分野での実務経験を積むのが資格取得への第一歩になります。
     

    素晴らしい地域看護専門看護師になるために、焦らずゆっくりと多くのケアを吸収していってくださいね。

    ・地域看護専門看護師へのプロセスについて

     

    地域看護専門看護師になるには、多くの関門を突破しなければなりません。
     

    実務経験を積み大学院で必要な単位を習得し、認定審査に合格することで初めて地域看護専門看護師になれます
     

    資格取得するのは大変困難な道のりであり、途中で諦めてしまう方も少なくないので心して臨むことが大切です。
     

    ③地域看護専門看護師に必要なことは?

     

    地域看護専門看護師に必要な資質にはコミュニケーション能力や先を見通す観察力などいろいろありますが、中でも一番重要なのは地域看護に対して興味や情熱があることが挙げられます。
     

    このようにお話しすると、それが一番必要なことなのかと驚く人もいるのではないでしょうか?
     

    技術や知識は仕事をしていくうちに身につきますが、興味や情熱はそういうわけにはいきません。
     

    何としても地域看護専門看護師になるという熱い想いと、地域の方の健康を守りたいという強い気持ちがなければ地域看護専門看護師は務まらないので、みなさんも熱い情熱や気持ちを原動力に地域看護専門看護師として活躍してみてください。

    2.地域看護専門看護師の実際について

     

    地域看護専門看護師が具体的にどのような仕事をしているのか次にお話ししていきます。

    ①どんな仕事をするの?

     

    地域看護専門看護師は中小規模の病院、訪問看護や在宅ケアに力を入れている訪問看護ステーションやデイケアセンターで働いているケースが少なくありません。
     

    退院後も継続した看護を要する患者さんに対し在宅ケアを行なったり自治体や公的機関に繋げたりすることで、日々の暮らしをサポートしています。
     

    一般の看護師だと入院中の患者さんのケアに追われ退院後の支援まで十分に手が行き届かないケースもあるため、地域看護専門看護師に求められる役割がいかに大きいかがわかりますね。
     

    初めのうちは行政との連携や在宅看護のサポートなど慣れない仕事に苦戦するかと思いますが、患者さんが笑顔で生活していくにはあなたの支えが必要です。
     

    ②お給料に変化はある?

     

    お給料アップのために地域看護専門看護師を目指す人は少ないかと思いますが、お給料に変化があるのかは気になる方も多いと思います。
     

    資格取得には多くの労力と時間を要することからそれに見合っただけの昇給があるイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか?
     

    日本看護協会の調査によると、専門看護師への手当てや昇級がない施設は全体の6割もあり、資格取得してもお給料に反映されない現実があります。
     

    資格手当などで対応している施設もありますが、手当額の平均は1万832円なので大きなお給料アップは期待できません。
     

    地域看護専門看護師になれればどの病院でも良いと思わず、職場によってこのような対応の違いがあるというのを把握しておいてください。
     

    ③待遇は良くなるの?

     

    地域看護専門看護師のニーズは高まっているものの、その人数はまだまだ多いとは言えません。
     

    どの病院でも地域看護専門看護師からの教育や研修による現場のレベルアップを期待しており、やるべきことは山積みとなっています。
     

    私が以前勤めていた病院にも専門看護師はいましたが、いろいろな勉強会を主催し一般の看護師よりも忙しそうにいつも働いていました。
     

    このように地域看護専門看護師になると仕事が増えるので、勤務待遇が良くなるとは決して言えませんが、自分が情熱を燃やしたいと思える仕事に取り組めるため、今までよりずっとやりがいのある仕事ができますよ。
     

    3.地域看護専門看護師を目指す前に知っておくべきこと

     

    地域看護専門看護師を目指す前に知っておくべきことはいくつかあります。

    ①費用はどのくらいかかるの?

     

    地域看護専門看護師を目指す前に、資格取得までの費用がどのくらいかかるのかを確認しておくのが大切です。
     

    資格取得に必要なおおよその金額は、
     

  • 学費:220万円
  • 本代:10万円
  • 審査料:5万円
  • 登録料:5万円
  •  

    このようになっています。
     

    さらに生活費も加わるため、総額500万円以上はかかると考えて良いのではないでしょうか?
     

    実家暮らしであればもう少し低く見積もっても大丈夫です。
     

    しかし資格取得にはかなりのお金がかかるので、生活に困らない程度の金額を貯金した上で地域看護専門看護師を目指すのが良いかもしれません。
     

    お金に不安があると勉強にも身が入らないですから、しっかり計画を立てるのがポイントです。

    ②病院の資格取得支援制度を活用しよう!

     

    病院によっては専門看護師の資格取得支援制度が用意されているところもあります。
     

    支援の内容には違いはあるものの、
     

  • 就学中の給与保障
  • 入学金・授業料・実習などの学校に関する費用
  • 認定試験の受験料・検定料
  •  

    などが支給されるケースもめずらしくありません。
     

    これだけサポートしてもらえれば、資格取得へのやる気にもつながりますよね。
     

    でも「うちの病院にそんなサポートあるなんて聞いたことがないなぁ……。」という看護師さんもいると思います。
     

    私の病院でも資格取得支援サポートはありましたが、支援の存在すら知らない同僚も大勢いました。
     

    このように病院によっては、自分で調べたり上司に話を聞いたりしないとわからない場合もありますから、お金のことで苦しまないために、今勤めている病院の支援体制を確認してみてください。
     

    ③これから地域看護専門看護師を目指す方は……

     

    先ほどもお話ししたように、地域看護専門看護師になるには地域看護分野での実務経験が必須となっているので、この分野での経験を積める病院で働かなければいけません。
     

    採用面接の際に自分が将来的に地域看護専門看護師になりたいことをしっかり伝え、地域看護分野に関する病棟で働けるようにしておくこともポイントです。
     

    違う分野での経験を積んでも資格取得はできないですから、きちんと希望部署で働けるよう、病院側への働きかけが重要になってきます。

    資格取得支援制度もチェック!

     

    資格取得支援制度があるかどうかも調べておくのも必須です。
     

    お金の心配をせず勉強に集中できるというのはとても重要なことなので、この点を重視し病院探しをしてみるのも良いかもしれません。
     

    就職先の病院次第で資格取得の難易度はだいぶ変わってきますから、これから地域看護専門看護師を志す方は職場探しに力を入れてみてはどうでしょうか?
     

    地域専門看護師になり地域住民の方の健康を守ろう

     

    地域看護専門看護師になるのは大変難しいことですが、地域住民の方のその人らしい生活をサポートできる素晴らしい職業だとわかりました。
     

    病院で働いていると入院患者さんにばかり目が行きがちですが、退院してからの生活にも色々と困難な状況が待ち構えているため看護師は退院後の支援もしていく必要があります。
     

    患者さんの多くは入院中よりも退院後の生活の方が長くなるので、少しでも元の生活に戻れるようなケアをするために地域看護専門看護師がいると言っても過言ではありません
     

    地域で暮らすすべての人々が元気に暮らしていけるように、みなさんも専門性の高い知識や技術を身につけたくさんの方の笑顔を守っていってくださいね。