メディカルアロマセラピストとは、

医療機関やサロンなどで生かすためのアロマセラピストの資格です。
 

「医療現場で働いているアロマセラピストなんて見たことないです」という方も多いのではないでしょうか?
 

確かに日本では、アロマセラピーを導入する病院やクリニックはまだまだ少ないことは事実なのですが、年々少しずつ増えてきてはいます。
 

実はヨーロッパでは医療機関において、アロマセラピストがその専門性を発揮していることは珍しいことではありませんので、日本においても将来的に活躍の場が広がる可能性は高いかもしれません。
 

今回はメディカルアロマセラピストの資格の取得方法・現場の医療での生かし方などをご紹介していきます。
 

1.香りが人を癒せるの?

 

アロマセラピーは香りで人の心や疲れをいやし、体調不良を改善させる療法です。
 

香りを嗅ぐだけなため、薬を飲むわけでもないのに効果があるというと疑問に思う方もいると思います。
 

嗅覚は日々の生活の中で無意識に使っているものですが、森林のにおいを嗅ぐと心が落ち着いて疲れがとれたり、においだけで記憶が鮮明によみがえったりすることは割とありますよね。
 

このように、香りは人間の脳や体にとても大きな影響力があるのです。
 

アロマセラピーは医薬品のように直接的に病気を治す効果はありませんが、香りを嗅ぐことで人間の自然治癒力を高め、結果的に体質や体調の改善に効果をもたらすことを目的としています。

2.メディカルアロマセラピストになるにはどうしたらいいの?

 

メディカルアロマセラピストの資格は、認定されたスクールに通い必要な講義・実技などを受けた後、認定試験に合格して取得するのが一般的な流れです。
 

メディカルアロマセラピーに関する資格や、それらを認定している団体は実は数多くありますので、それぞれの目的に合った団体やスクールを選んでほしいところですが、「メディカルアロマセラピスト」と名前がついている主な認定資格を2つほど挙げてみます。

①ISA認定メディカルアロマセラピスト

 

一般社団法人国際アロマセラピー科学研究所が認定している資格です。
 

医療現場や介護現場・メディカルエステなどで活躍できるアロマセラピストを育成するためのカリキュラムを組み、生化学的な視点からアロマセラピーの有効性や副作用を捉えることで、論理的に説明する力やリスク回避する力を養います。
 

アロマセラピーが論理的に説明できるということに驚いた人もいるのではないでしょうか?
 

論理的な考えができると薬学への応用も期待できますので、

医療従事者が取得するにはおすすめの資格と言っていいかもしれません。
 

・資格取得にかかる時間と費用

 

この資格を取得するためには、インストラクタークラスで50時間・アロマセラピストクラスで112.5時間のカリキュラムを修了した後、ISAメディカルアロマセラピストクラス30時間を受講し、認定試験に合格する必要があります。
 

かかる費用としては、
 

  • インストラクタークラス 189,000円
  • アロマセラピストクラス 432,000円
  • ISAメディカルアロマセラピスト 129,600円
  • 認定試験 21,600円


 

上記のとおりです。
 

ただしAEAJ・IFA国際・英国IFPAアロマセラピストの資格取得者は、インストラクタークラスとアロマセラピストクラスが免除されますが、資格取得にはある程度の時間と費用がかかりますので、しっかりとした計画性と目標を持ったうえで受講してくださいね。
 

②ICAA認定メディカルアロマセラピスト

 

一般社団法人インターメディアリー・クリニカル・アロマテラピー協会が認定している資格です。
 

このメディカルアロマセラピストの資格は、筋肉を弛緩させて血流を良くし老廃物を排出させるためのアロマリンパトリートメントを習得することで取得します。
 

リンパトリートメントは病気を持った人だけでなく健康な人にも適用できる施術ですので、幅広い場面で活用できますよ。

・資格取得にかかる時間と費用

 

この資格を取得するためには認定スクールに通い、講義や実技を修了した後認定試験に合格する必要があります。
 

選ぶスクールによって細かい点は異なってきますが、講義や実技を習得するのにかかる時間はだいたい10か月から1年程度・費用は20万円前後です。
 

ISA認定メディカルアロマセラピストと比べると費用設定は低いですが、学ぶ内容がそれぞれ違うので団体のホームページなどをよく読み、自分の目的に合った団体やスクールを探してみてはいかがでしょうか?
 

3.メディカルアロマセラピーの資格を取得するとどんなところで働けるの?

 

資格取得後は、医療機関やサロンへの就職やアロマサロンの開業を目指す人が多いです。
 

介護現場でもアロマセラピーが使われることもありますので、高齢化が進むにつれこれから活躍できる可能性は高く、中には海外のリゾート地に就職するケースもあります。
 

「海外で働けるチャンスがあるの!?」と思った方も多いかもしれません。
 

ただし国により労働ビザの問題もあるため、海外で働くことを希望する場合は働きたい国のビザについても必ず調べておいてくださいね。
 

現在ハワイで働きたいと考えている日本人は大勢いますが、労働ビザを得るのはかなり大変というのが実際のところです。

4.メディカルアロマセラピーを薬剤師の仕事に生かすには

 

先ほどご紹介しましたように日本ではまだまだアロマセラピストが活躍できる場が限られてはいますが、近年痛みの緩和ケアや産婦人科領域などでアロマセラピーの効果が期待され、
 

アロマセラピーを活用したりメディカルアロマセラピールームなどを持っていたりする病院やクリニックが増え始めています。
 

医療機関で生かせるとなれば、薬剤師や看護師の資格を持ちながらメディカルアロマセラピーの資格を目指したいという人も出てきますよね。
 

そんな中「アロマセラピーを取り入れている医療機関をどうやって探せばいいのか分からない」と悩んでいる人もいると思います。
 

このような場合は転職エージェントを頼ってみてください。
 

ホームページからアロマセラピーで検索すると、数はとても少ないですが見つけられる可能性がないとも限りません。
 

ホームページから検索できない場合ても、エージェント自身が情報を持っていることも多く非公開求人というのもあるため、まずは登録をして相談してみてはどうでしょうか?
 

薬学の知識を生かして薬剤師がアロマサロンを経営している例もありますので、両方の資格を生かしたいという人は参考にしてみてください。

5.メディカルアロマセラピーにおいて気を付けなければいけないこととは?

 

アロマセラピーに使用する精油には酵素や湿気・熱などで成分が変わってしまうものもありますし、光毒性があるものも少なくありません。
 

原液のままでは肌に刺激が強いので薄めて使うのが基本で、医薬品ではないため気軽に使えると思われがちですが、注意しなければならない点があります。

医師法や薬事法に違反しないようにする

 

病名を告げたり診断したりしてしまうと医師法違反になりますし、アロマオイルの効能を謳ってしまうと薬事法違反になります。
 

アロマセラピーはこれらを念頭に施術を行うことが必要です。
 

「これは糖尿病の神経障害に効果があります」などついつい言ってしまいそうなフレーズですが、これも薬事法違反になってしまいます。
 

施術の際には法律的にも注意すべき点があることを押さえておいてくださいね。

6.メディカルアロマセラピストの就職

 

メディカルアロマセラピストとして働ける場所がまだ少なく求人もあまりないため、就職は今のところ厳しいと言えるかもしれません。
 

給与も300万円台のところが多いので、薬剤師としての収入に比べると低いです。
 

ただ将来的には活躍できる場が増える可能性はありますし、ヨーロッパのように医療機関にアロマセラピストが勤務していることが当たり前になれば、医療系の資格を持ったセラピストの需要は増えることが期待できますよね。
 

かかる費用と時間も含めて考えながら将来のビジョンを計画するのがポイントです。

患者様のためのサービスを目指して

 

今回はメディカルアロマセラピストについてお話ししてきました。
 

私たち薬剤師にとっては知らないことが多い世界ではありますが、自然治癒力を高める効果など興味がわくところも意外と見つかったのではないでしょうか?
 

これからは患者様が病院や薬局のサービスを選ぶ時代になってくると言われています。
 

薬剤師がメディカルアロマセラピーを学び知識を広げることは、患者様のためのサービスにもつながるかもしれません。
 

新しい分野を学ぶことは知識を増やすだけでなく専門分野への応用力も養えます。
 

アロマセラピーについて興味を持ったという方は、資格を認定している団体やスクールを一度調べてみてくださいね。