勤務後や休日などの空いている時間を使って、今勤務している医療機関とは別のところで働いてみたいと思ったことはないでしょうか?
 

薬剤師のアルバイトの時給は一般の人に比べると高いので、週に数時間働くだけでも大きな収入アップが見込めるという面から副業を考えたこともある人も多いと思います。
 

なんとなく稼げそうなイメージはあるものの、実際にするとなると「薬剤師が副業をして良いものなのか?」と不安になったり、「在宅とバイトだとどう違ってくるのだろう?」などさまざまな疑問がでてきたりする場合もあるかもしれません。
 

今回は副収入を考えるにあたって注意しなければならないことや薬剤師としての知識や経験を生かせる仕事についてなど、薬剤師の副業の実態について詳しくみていきます。
 

1.副業を法律で禁止されている薬剤師とは?

 

薬剤師には副業を禁止されている仕事があります。
 

具体的には公務員の薬剤師と管理薬剤師がこれにあたり、いくら副収入がほしいと思っていても、この2つは副業にできないため注意が必要です。

・公務員の薬剤師が副業を禁止されている理由

 

公務員は薬剤師に限らず副業できないことを知っている人も多いと思いますが、国や地域のために集中して勤務することが公務員の指名であることなどから、国家公務員法や地方公務員法で副業することが禁止されています。
 

これは公務員試験受けて公務員になった人たちだけでなく、国や市が運営する期間に就職することで公務員になった人も例外ではありません。
 

どんな経緯で就職したにせよ、公務員という立場で薬剤師の仕事をする以上は副業できないということです。
 

一般的な公務員のほかに国立や県立の病院に勤務している薬剤師も、地方公務員の扱いになり副業ができませんので気を付けてくださいね。

・管理薬剤師は厳重な管理と注意力が不可欠

 

管理薬剤師をしている人は、都道府県知事の許可を受けた仕事でない限り薬剤師免許を使った副業をすることができないと薬事法で決められています。
 

「なぜ管理薬剤師になると禁止されなければならないの?」と疑問がわく人もいるのではないでしょうか。
 

彼らは勤務している薬局の管理をするという責任ある立場から、一般の薬剤師よりも業務に専念しなければいけないことが副業を禁止されている大きな理由です。
 

副業をしているせいで睡眠不足や体調不良になり、それが原因でミスを起こしてしまうようでは管理薬剤師の名が泣きますよね。
 

管理薬剤師は薬局の管理者としていつ緊急のことが起こっても対応できるようにしておかなければならないのです。

・本業への集中が求められる薬剤師は副業ができない

 

説明してきましたように、本業に集中することが必要な職業は副業をすることが物理的にできないために禁止されていることが分かったと思います。
 

これらの職業の人たちがもし副業していることが分かってしまった場合は法律違反となり、大きな処罰を受ける対象になってしまいかねません。
 

知らなかったですまないこともありますので、絶対に注意してほしいところです。

2.会社で副業を禁止されている場合も多い

 

公務員でもなく管理薬剤師でもないからといって副業できると判断するのは早合点で、法律で禁止されていなくても勤務先の会社の規定で禁止されている場合もあります。
 

実は正社員の副業を禁止している会社は意外に多く、仕事を探す前にまず会社の規定をチェックするところから始めるのが賢明です。

バレなければ大丈夫!?

 

「法律で禁止されているわけでもないし、会社にばれなければ別に副業しても良いんじゃないの?」
 

という意見をもつ人もいると思います。
 

バレる理由の1つとしてはマイナンバー制度が挙げられますが、導入前は個人情報が筒抜けになってしまうかのようなイメージを持たれがちな面もあった一方、現段階となってはこれにより副業がバレてしまうことはあまり考えられません
 

公務員と違い一般的な薬局や企業勤めの薬剤師であれば法律に引っかかる心配もないですし、何も問題がないように思えてしまったとしても不思議ではないです。
 

マイナンバー制度でさえバレないとなると、もしかしたら内緒にしておけば誰にも知られずに済むと思う人も出てくるのではないでしょうか?

・税金の額で発覚してしまうため注意!

 

実は黙っていても住民税の額で会社にバレることは意外に多いです。
 

本業の年収から考えた住民税の額より明らかに多く税金を支払っている場合に、会社に副業を疑われるリスクが高くなってしまいます。
 

会社のルールに違反した場合は退職しなければならない事態も考えられますので、法律違反を犯していないからといって気軽に考えるべきではありません。
 

調剤薬局で働いていると、顔見知りの薬剤師を頼ってわざわざ足を運んでくれる患者様の姿がよくみられます。
 

これからもその薬剤師にお願いしたいとせっかく思ってくれているのに、副業をしてしまったせいで辞めなければいけないなんてことになってしまったら患者様に申し訳が立たないですよね。
 

「医療従事者はどんな時でも誠実に行動することが大切」という心持ちを今一度自覚したうえで、薬剤師として最適な副業選びを始めてみてください。

3.薬剤師にはどんな副業がおすすめですか?

 

法律違反でもなく会社が副業を禁止しているわけでもなければ、空いた時間を使って堂々と副収入を得られます。
 

薬剤師の経験や知識を生かせる副業をまとめてみました。

①休日だけ調剤業務

 

本業がお休みになる曜日を利用してアルバイトや派遣などで調剤業務をする方法が考えられます。
 

そんなに都合よく休みの日だけ勤務することができるのか不安に思うかもしれませんが、薬剤師は今引く手あまたで、勤務したい曜日にだけ仕事ができる可能性はとても高いです。
 

特に土日勤務が一般的なドラッグストアでは、土曜日や日曜日だけ募集しているところも多く、週末がお休みの会社に勤めている薬剤師はそのような求人もねらい目ですよ。
 

調剤業務に携わる派遣薬剤師の平均的な時給は2500円ですので、1日20000円として計算をすると週に1回の勤務でもかなりの収入アップも期待できるのではないでしょうか?
 

残業をした場合時給は1.25倍となることから、長い時間働くことで予想以上の高収入も夢ではありません。
 

ただ収入アップだけを目的にして休日に休むことなく体を酷使していると、結果的に健康を害してしまうこともありますし、疲労から調剤ミスを起こして患者様に迷惑をかける可能性もでてきます。
 

本業への負担にならないような慎重さが求めれますので、調剤業務に関わる副業をする際にはこれらのバランスを考えるのも重要なポイントです。

②在宅の仕事

 

薬剤師の中には休日は家で仕事がしたいと思っている薬剤師もいると思います。
 

特に家族を持っている人にその傾向が見られますが、薬剤師の知識を生かした在宅の仕事は主に2種類です。

・ライターとして活躍

 

まず挙げられるのはライターの仕事です。
 

ネットを使ってできるこの仕事は在宅勤務が可能で、受ける仕事の量を調節すれば本業に支障が出ない程度で副業ができます。
 

ライターの中でも特にメディカルライターと呼ばれる仕事は薬剤師の知識や経験を生かすことが可能で、調剤以外の仕事で薬剤師の能力を使えるのはとても嬉しいですよね。
 

当サイトでもメディカルライターについての記事を書いていますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

⇒【薬剤師でも在宅ワークが可能!メディカルライターの仕事とは?
 

良質な文章を書くスキルが必須なため誰にでもできるわけではありませんが、ある程度の経験と努力次第では仕事ができますから、興味のある方は副業として始めてみてもいいかもしれません。

・トランスレーターとして活躍

 

英語の得意な人には、治験の文書や英語の医療文献を翻訳するメディカルトランスレーターの仕事もおすすめです。
 

この仕事を取得するためにはまず、翻訳会社のテストに合格することが必要になります。
 

テストは会社から送られてきた医療に関する文章を実際に翻訳して提出するという内容で、自宅で受けられることがほとんどですのでどこかの試験場に出向く必要はありません。
 

自宅で辞書を使いながらテストが受けられることから、英語が得意でなくても大丈夫だろうと思った人も中にはいると思います。

・メディカルトランスレーターは難しい?

 

やってみないと簡単にみられがちですが、実は翻訳会社から提示されるこのテスト、直訳ができるだけでは合格することができないくらい非常に難しいものです。
 

メディカルトランスレーターになるには専門用語や専門的な言い回しを学ぶことが欠かせません。
 

例えば治験の計画書の専門的な単語を間違えて訳してしまったり、あいまいな表現で直訳してしまったりしたら実際の治験に悪影響を及ぼし、最悪の場合には臨床試験自体が中止になってしまうこともあり得ます。
 

このようなことを防ぐため翻訳会社は経験者のみを募集することがとても多いです。
 

もちろん未経験者可の募集もありますので挑戦はできますが、厳しいテストに合格しなければならないことから翻訳の専門学校に通い始める人もいることを考えると、現実的になかなか難しいのではないでしょうか?
 

そんな過酷な条件を乗り越えてでもやってみたいという薬剤師の人は、一度チャレンジしてみてもいいかもしれません。
 

テストを突破するための勉強はもちろん、一人前のトランスレーターになるためには時間もお金もかかるということも押さえておいてくださいね。

4.副業するときは税金にも注意

 

副業をする際には税金についても考えることが必要です。
 

薬局や病院に勤務していれば、そこでの収入は何もしなくても勤務先で年末調整をしてくれますが、副業の場合は収入によっては自分で確定申告をする必要も出てきます。
 

副業の源泉徴収票を提出すれば一緒に年末調整をしてくれる会社もありますので、勤務先に聞いておくことが大切です。
 

自分で申告をしなければいけない場合は面倒くさいと思ってしまうかもしれませんが、税金について学ぶチャンスにもなりますよ。
 

もし税金を納めないと脱税になってしまうため、これから副業で稼ぐことを検討している薬剤師の方は必ず注意してほしいです。

5.副業の求人の探し方

 

さて、実際に副業がしたいと思った時にはどのように仕事を探せばよいのか分からない人もいると思います。
 

週に1,2日調剤業務に携わりたい人は転職エージェントに相談すると一番スムーズで、多彩な案件を持っているため一人で探すよりも何倍も効率が良いです。
 

勤務できる曜日や勤務したいエリアなどを伝え、まずはできるだけ希望に近い求人を検索してもらうところから始めるといいかもしれません。
 

エージェントのホームページでも求人の検索ができますが、登録をすると担当者が非公開求人も含めて探してくれますので、より希望に合った求人を見つけ出す可能性が高くなりますよ。
 

求人についてだけでなくアルバイトとして勤務した方が良いのか・もしくは派遣社員として勤務した方が良いのかということも相談してみてください。
 

派遣にしようか迷っている方のために派遣薬剤師に関して説明した記事も書いていますので、チェックしておくときっと役に立ちます。

⇒【意外と知らない!派遣薬剤師の業務内容やメリットとは?
 

どのような働き方を選ぶにしても、エージェントは収入面や現在の状況など薬剤師の立場を考えつつ適確なアドバイスをしてくれるはずです。

在宅の場合はネットで探そう

 

先ほどご紹介した在宅の仕事は、転職エージェントやハローワークなどでは求人を見つけ出すのが難しい場合が多いです。
 

求人自体が少ないので探しにくいですが、クラウドソーシングなどを利用したり翻訳会社のホームページなどで求人を探したりすることが近道の場合もあります。

副業することで得られる利点を求めて

 

今回は薬剤師の副業について見てきました。
 

副業を始めるには法律や会社の規定で禁止されていないかどうかよく確認することが必要ですし、税金面の手続きを自分でやらなけばいけないなど、正直めんどくさいことが多いなと感じた人もいるのではないでしょうか?
 

収入を上げるためだけにこれらのことをやる価値が本当にあるのかと、ときには悩んでしまうこともあると思います。
 

いろいろと注意すべき事項や手間のかかる場面が多いのも事実ですが、いつもとは違う仕事をすることで薬剤師としての成長につながることや、頭を切り替えることでリフレッシュして働けるというのが副業をする大きなメリットです。
 

在宅にしてもバイトにしても、自分にあった形で働いて本業・副業ともに薬剤師として充実した日々を送ってくださいね。