どんな職場へ行っても人間関係の悩みはつきものですが、それは薬剤師の世界でも避けられない問題です。
 

「医療の分野に携わる人は優しい人が多いから、みんな仲良く働けるはず」というイメージを持っている人もいるかもしれませんが、調剤の現場にも対人関係が悪化する要素があり、そのことに悩んでいる薬剤師は実際に多いです。
 

薬剤業界であっても、「仕事に行きたくない」と思う原因のほとんどは職場の人間関係の問題が引き起こしていると言っても過言ではありません。
 

特に同僚間のトラブルは、業務上の問題よりも解決が難しくとてもストレスが溜まりますよね。
 

今回は、薬剤師の職場において人間関係が悪化する原因やどうすれば解決の方向に向かうことができるかについて考えていきます。
 

1.薬剤師同士の人間関係が悪くなる原因

 

まず、薬局において対人関係が悪化してしまう原因を挙げてみます。
 

①女性が多い職場

 

病院や薬局に勤務する薬剤師は基本的に女性が多いです。
 

女性は男性より繊細でさまざまなことに気が付く機会が多いせいか、女性同士のやっかいなトラブルを起こしやすい傾向があります。
 

男性と口論になったとしても次の日は何事もなかったかのように接することができるのに、女性の場合は関係を修復するのに時間がかかってしまった経験がある人も多いのではないでしょうか?
 

ちょっとした問題が後々まで尾を引いてしまい、そのせいで仕事がしにくくなってしまうケースも珍しくありません。
 

このように、女性が多い職場という環境自体が人間関係を悪化させる引き金になることも覚えておいてくださいね。

②狭いところでの勤務

 

薬局は狭い空間での勤務になることから、薬剤師が一日中顔を合わせている状態になるため、小さな人間関係の問題を悪化させてしまう場合もあります。
 

仕事をするうえで意見の食い違いはどの職場でもよく見られる光景です。
 

もし職場が十分に広ければトラブルがあった後でも相手と少し離れて仕事ができるので、お互いにリフレッシュして気持ちがおさまることも期待できますよね。
 

しかし狭い空間では、話したくない相手とずっと近くで仕事をしなければならず、そのことが余計なストレスを招いて問題を長引かせてしまう原因になるのです。

③外から調剤室内の様子が分かりにくい

 

調剤室は薬剤師しか入れない閉鎖された空間であることから、外部の人が中で何が起こっているのか把握しにくいです。
 

もし人目があれば相手にきつい態度をとり続けている人がいたとしても、いじめと思われてしまう可能性があるので態度を改めようとする人がほとんどなのではないでしょうか?
 

それが閉鎖された空間内となると抑制が効かず、結果として人間関係を改善できなくなってしまう問題点があります。

④自分も先輩にいじめられた経験がある

 

新人の時に先輩からいじめを受けた人が、新しく入ってきた人に同じような態度をとってしまうこともあります。
 

ある程度仕事ができるようになるといじめられた時の辛さや苦しさを忘れてしまうのかもしれません。
 

いじめているつもりはなくても、気が付くと後輩につらく当たって、かつての自分と同じ思いをさせていることがよくあるのです。
 

どんな過去があったにせよ薬剤師として大人げない態度をとっていないかどうかをそれぞれが再確認する必要がありますね。

⑤医療人として大切なことを忘れている

 

医療に携わる人として一番大事なのは、相手がどのような気持ちかを考え、それを感じるとれるスキルです。
 

患者様にだけでなく一緒に働く人に対しても同様のおもいやりが必要です。
 

基本的なことであっても忙しさなどが原因で忘れしまい、言いたいことをそのまま言ってしまう場合もあり、そのような状態が続くと知らず知らずのうちに相手を傷つけてしまいかねません
 

自分の言動がどのように相手に伝わるかを常に考える習慣があれば、きっと多くの人間関係の問題が解決されるはずです。

⑥指導をいじめと勘違いしてしまう

 

薬剤師の仕事はミスが許されない仕事でもありますので、ときには厳しく指導する姿勢も重要です。
 

相手や患者様を思っての厳しい指導はいじめとは全く違うのですが、それをいじめと勘違いしてしまい、必要以上にストレスをため、仕事に行くのさえ嫌になってしまうことも実際に起こっています。
 

いじめと厳しい指導の違いは分かりにくいことが多く、指導のつもりでした行動がいじめと勘違いされ悲しい思いをする先輩薬剤師もいるのも知っておいてほしいところです。

2.薬剤師以外の人との人間関係

 

人間関係の問題は薬局内だけとは限りません。
 

薬剤師以外の人とのトラブルの例をまとめてみました。

①医師との関係

 

チーム医療を行っている病院の薬剤師は医師と直に接するする機会が頻繁にありますし、調剤薬局の薬剤師もまた問い合わせなどで医師とかかわりますが、薬剤師と医師の関係は良好なことがとても多いです。
 

特に若い世代の医師は威張ることも少なく、他の医療関係者と対等に接する傾向があります。
 

他の医療関係者の意見を積極的に聞いてくれる医師が最近多いと感じている薬剤師もいるのではないでしょうか?
 

その一方で数はとても少ないですが、問い合わせをするだけで「今忙しいんだ!」など言い、医師が薬剤師の話を聞いてくれないといったケースもあります。
 

このように医師と良好な関係を築くのがとても難しい例もあるとはいえ、薬剤師は薬を安全に患者様に服用させる使命がありますので、いつでも毅然とした態度で接することが重要です。

②事務との関係

 

調剤薬局の中には薬剤師だけではなく調剤薬局事務も勤務しているため、事務員との人間関係も考える必要があります。
 

薬剤師は求人がたくさんあり転職する機会も多く、薬局において事務員の方が先輩ということも珍しくありません
 

そのせいか薬局内の事情をよく知っている事務員が薬剤師業務に口を出し、関係が悪化してしまう事態も実際に起こっています。
 

解決策としては、薬剤師が早く一人前に仕事ができるよう努力をすることで、薬剤師として戦力になると示せれば相手もだんだん認めてくれるようになりますよ。

3.人間関係を少しでも良好にするコツ

 

ここまで様々な人間関係におけるトラブルの例を挙げてきましたが、これを少しでも良好にするにはどのようにしたらよいのかを次に見ていきます。

①挨拶をしよう

 

とにかく挨拶は社会人としての基本ですし、人間関係を良好にする有効な手段です。
 

少なくとも出勤時と退勤時の挨拶はどんな場合でも必ずするように心がけてください。
 

人間関係が悪化するとお互いに挨拶さえしなくなることも考えられるのですが、万が一相手が何も言わなくても挨拶だけは積極的にするようすると、それが関係を改善するきっかけになることも期待できます。
 

社会人としてのマナーを守ることは、職場環境の改善にもつながりますね。
 

②薬剤師として成長できるようにこころがけよう

 

先ほど少しご紹介しましたが、薬剤師として成長し一人前に仕事ができるようになることが人間関係を良好にするための良い方法でもあります。
 

戦力になり他の薬剤師たちにとっても必要な存在になれれば、周りの人からの印象は良い方に必ず変わっていきます。
 

時間はかかるかもしれませんが、努力を陰で見ていてくれる人たちもいると知れば、きっと励みになるのではないでしょうか?
 

③自分がされて嫌なことは人にはしない

 

過去に自分がされて嫌なことや傷ついたことは人にしないようにするのが基本ですが、これは薬剤師の世界に限らず、大人としてあるべき姿です。
 

他人にした仕打ちは必ず自分に返ってくると思っていていいかもしれません。
 

良い人間関係を得たいと思ったら、まず自分の態度から見直してみるのもポイントです。

④上から目線は禁物

 

薬剤師だからといって、他の医療従事者の人たちや新人薬剤師に対して上からの態度で接しないようにする心がけが大事です。
 

自分がそのような態度を取られたらとても嫌な気持ちになりますし、上から目線の相手に協力したい人なんてほとんどいないと思います。
 

誰に対してもきちんと対等に接することで、自分が困ったときに助けてもらえる機会が多くなる点はおさえておいてくださいね。

⑤仕事以外に楽しみを持とう

 

どんなに努力をしていても人間関係のトラブルを全て防ぐのは不可能に近いですので、そのことでためてしまったストレスを発散するのも必要です。
 

習い事をしたり海外旅行に行ったりと、ストレスをためない工夫をしている薬剤師も大勢います。
 

職場以外で楽しみを持つことは気持ちを切り替えるきっかけにもなるので、起こっている問題に対して必要以上に深刻にならずに済む利点もありますよ。
 

4.人間関係に疲れパートや派遣を選択

 

正社員として働くと職場にどっぷりつかることになりますし、人間関係に悩まなければいけないことからパートや派遣という形態を選択する薬剤師もいます。

飲み会を気兼ねなく断れる

 

時間外の煩わしいことの一つとして「飲み会の参加」を挙げる薬剤師も少なくありません。
 

日本社会は勤務時間後の飲み会を重要視する傾向があり、お酒の席が好きなら良いのですが、そんなところには行きたくない人もとても多いです。
 

「行きたくないなら行かなければいい」という方もい中にはいると思います。
 

表向きは自由参加でも実際には強制的に参加させられる場合が多く、もし不参加を主張すると「社会人として失格」などと非論理的なことを言われ、飲み会を断ったがためにいじめにつながったケースもあるのです。
 

その点時間で働いているパートや派遣社員は、たとえ不参加でも文句を言われることがあまりないので、余計な人間関係のトラブルを避けられる可能性が高いです。

5.人間関係に耐えられないときは転職を

 

調剤薬局であれ病棟であれ、人間関係の問題はどの職場も避けられませんが、もし耐えられないと感じたときにはやはり転職を考えることになります。
 

転職活動を始める際はぜひ転職エージェントに相談をしてみてください。
 

その時に自分の抱えているトラブルをエージェントに話し、次回はそれを避けられるような職場を探すのがポイントです。
 

エージェントは転職のプロフェッショナルですので私たちが得られない情報をたくさん持っていますよ。

薬剤師として自分が働きやすい職場選びを

 

就職前に内部事情をすべて把握するのは不可能なことから、ある程度自分が強くなる努力も必要です。
 

人間には我慢できることとできないことがあり、それらは人によって違います。
 

他の人が我慢できる問題だからといって、自分も同じようにしなければならないなんてことは決してありません。
 

トラブルが何もない職場はないに等しいですが、それが自分にとって耐えられるものであれば問題ないです。
 

どのような職場なら自分が働きやすいのかを、エージェントと一度徹底的に話し合ってみるのもいいですね。

やさしさと強さを持った薬剤師に

 

今回は薬剤師の人間関係についてお伝えしてきました。
 

職場の人間関係を良くするためには、まず自分が思いやりを持って人に接することが大切だと分かったと思います。
 

新しい薬剤師が入社してきたら、自分から声をかけるなど小さな努力を積み重ねていくと良いかもしれません。
 

もしも知らん顔して先輩風を吹かせている人がいたとすれば、それは非常にナンセンスですよね。
 

職場の人間関係が悪いとミスを多発させる原因にもなりますので、そのような問題がある場合には患者様のためにも一刻も早く解決するのが重要になってくるのではないでしょうか?
 

やさしさと強さを持って人に接することができる薬剤師は、患者様や他の薬剤師からもきっと尊敬されるはずですよ。